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漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

10月

2016-10-02 15:28:02 | 演習問題
 月が替わって10月。気づいてみれば、先月は記事を3つしか上げられませんでした。にもかかわらず毎日多くの皆さんにご来訪いただいており、大変ありがたく、また申し訳なく思っています。このところ仕事の方もなかなかに多忙で週末に出勤していることも多いのですが、それでもほそぼそと学習に勤しんでいます。大学院の後期の授業も始まりますし、気持ちを新たに頑張っていきたいと思っています。

 さていつもながら少しですが、演習問題を。いずれも比較的最近手元の自分用問題集に加えたものから、書き取り、語選択書き取り、故事・成語問題を少々ご紹介します。過去問は含まれていないと思いますが、基本的に「漢検 漢字辞典」に掲載されているものですので、本試験1か月前の力試しにどうぞ。



<書き取り>

1. キワド い。
2. アヤカ る。
3.  るか反るか。
4. センコツ を帯びる。
5. タラバガニ
6. 努力の甲斐なく トジ に終わった。


1. 【際疾】  (「漢検 漢字辞典」初版 P.555/第二版 P.560)
2. 【肖】  (736/742)
3. 【伸】  (784/791)
 この3つ、「よく使う言葉の漢字表記」の部類ですね。特に「際疾い」は最近初めて知りました。
4. 【仙骨】  (887/894)
 「仙人のように人間離れした骨相。非凡な人相・風采。」の意。
5. 【鱈場蟹】  (881/889)
6. 【徒爾】  (1117/1127)
 【徒】 は 【徒花(あだばな)】 と同じく「無駄、無益」の意味ですね。




<語選択・書き取り>

7. つまらない物を贈ること。
8. 僧侶の食事。
9. 言葉や文章がよどみなく出てくるたとえ。
10. 目的をとげるための便宜上の手段。
11. 壮大でりっぱな建物。

語群: きょせつ  けんきん  けんどう  でんう  ときひじ


12. 上体を深く曲げて礼をすること。
13. 書物などを何度も繰り返して読み、身につけること。
14. 誉をあげること。
15. 人から受けるめぐみ。
16. 心がねじまがっていて悪い人のたとえ。

語群: けいせつ  しきょう  しょうしゅう  ちめい  よれき


7. 【献芹】  (426/430)
8. 【斎非時】  (552/556)
9. 【鋸屑】  (317/320)
 「のこぎりくず」のようによどみなく出てくる、ということですね。
10. 【権道】  (428/432)
11. 【殿宇】  (1112/1122)

12. 【磬折】  (397/400)
 中国古代の楽器(磬)の形に由来する言葉だそうです。
13. 【誦習】  (753/760)
14. 【馳名】  (1027/1035)
 「名(な)を馳(は)せる」ですけれど、「ちめい」と問われると戸惑いますね。(笑)
15. 【余瀝】  (1506/1522)
16. 【鴟梟】  (622/627)
 「辞典」を引いていて今日(!)発見したばかりの熟語です。




<故事・諺>

17. カンコク の器
18. 貧者の イットウ
19. シンコツ を百齢に舎(す)つ。
20. ボウヨウ の嘆。
21. ブンイン を惜しむ。
22. クバ の心。
23. リョオウ の枕。
24. ユウジン 余地有り。
25. ヨトウ の罪。
26. トウヒツ の吏。



17. 【幹国】  (238/241)
 国を治める器量・才能。また、それをもつ人。
18. 【一灯】  (1300/1314)
 金持ちがささげる形式的な大量の寄進よりも、たとえわずかでも、貧しい者の真心のこもった寄進のほうが尊いということ。
19. 【簪笏】  (-/-)
 官職を一生投げ捨てて、父母に仕えることを願って万里を行く。
20. 【亡羊】  (1399/1413)
 物事の方法や進め方がいろいろあって、かえって困るたとえ。また、学問の道が細分化しすぎて、真理に到達することが難しいたとえ。
21. 【分陰】  (1345/1358)
 たとえわずかな時間でも、惜しんで無駄に使わない。
22. 【狗馬】  (364/367)
 君主など上位の者への忠誠の心をへりくだっていう語。
23. 【呂翁】  (1556/1609)
 人の世の栄華がはかないことのたとえ。
 「一炊の夢」「黄梁の夢」「盧生の夢」「邯鄲の夢」「邯鄲の枕」など、同義の故事がいっぱいです。(笑)
24. 【遊刃】  (1497/1513)
 物事を余裕をもって巧妙に処理することができるたとえ。
25. 【余桃】  (1505/1522)
 君主の気まぐれな寵愛によって、ほめられたり思わぬ罪をきせられたりすること。
26. 【刀筆】  (1125/1135)
 文書を書き写すだけが仕事の下級役人のこと。



 このまま夜までもうひと踏ん張り・・・と言いたいところですが、きょうは今から出張(仕事は明日からですが前泊)です。飛行機の中で、自分でこの記事で復讐します。(笑)

 今月も頑張りましょう!

よく聞く言葉の漢字表記

2016-09-11 22:04:52 | 演習問題
 気づいてみればこれが今月最初の記事ですね。なかなか更新ができなくて、ご来訪くださる皆さんには申し訳ない限りです。

 今、大学院はまだ夏休み中なのですが、期末で仕事の密度が上がってきているのと、11月の漢検のあと、仕事の関係で受けなければいけない試験(受けなければいけないと言うより、合格することが必須ですが・・・)があってそちらの準備もしなければならず、なかなか漢検対策に時間が避けない状況が続いています。まぁ細々とはやっていますので、前回スキップになって9か月ぶりの受検となる漢検も、きっちり合格は果たしたいところです。


 さてきょうは少しですが演習問題を。テーマは、「よく聞く言葉の漢字表記」です。前回の 28-1 で 「 し崩し」(正解は【済】) が出ましたが、この手のものはいざ聞かれると結構書けないですし、また書けないとかなり悔しいので、手元に溜めた問題の中からそんなものを拾ってみました。「結構書けない」と言っても漢字そのものはそう難しいものは少ないので、やはり目指すべきは全問正解でしょう。

 では、どうぞ。



1.   る瀬ない気持ち。
2.  失敗続きで ショゲ る。
3.  ミズハ けの良い土壌。
4.  ケレンミ がない。
5.  仕事の ハカ が行く。


1.  【遣】   (「漢検 漢字辞典」初版 P.427/第二版 P.431)
2.  【悄気】   (740/747)
3.  【水捌】   (818/826)
4.  【外連味】   (187/189)
5.  【果・捗】   (142・1064/145・1072)


6.  ワルビ れる。
7.  ミクビ ってはいけない。
8.  ハガ い締めにされる。
9.  ムゲ に断る。
10.  カヤク 飯を食う。


6.  【悪怯】   (11/11)
7.  【見縊】   (415/419)
8.  【羽交】   (68/70)
9.  【無下】   (1446/1461)
10.  【加薬】   (136/138)


11.  トンチ を利かす。
12.  ケンチンジル を啜る。
13.  打ち ヒシ がれる。
14.  ついに コト 切れた。
15.  遅れ せながら。


11.  【頓知・頓智】   (1170/1180)
12.  【巻繊汁】   (226/229)
13.  【拉】   (1533/1542)
14.  【縡】   (555/560)
15.  【馳】   (1025/1033)


16.  キャン な娘。
17.  あまりに高価で タマゲ た。
18.  病が体を ムシバ む。
19.  ムベ なるかな。
20.  今夜は スキヤキ だ。


16.  【俠】   (329/332)
17.  【魂消】   (536/540)
18.  【蝕】   (778/785)
19.  【宜】   (284/287)
20.  【鋤焼】   (729/736)


21.  ボウボウ
22.   い潜る。
23.  アダバナ に終わった。
24.  ツマハジ きにされる。
25.  してやったりと ホクソエ む。


21.  【茫茫】   (1403/1417)
22.  【搔】   (935/943)
23.  【徒花】   (1117/1126)
24.  【爪弾】   (921/1086)
25.  【北叟笑】   (1409/1423)



 いかがだったでしょうか?

 28-2 までもう60日を切りました。次回も「鬼畜レベル」が続くのかはたまた前回の反動で易しくなるのか。いずれにしても私たちがやるべきことは「どんな問題が来てもきっちり160点を取る」こと。そのためには、しつこいですが、過去問などの基本問題を落とさないことが最重要です。

 皆さん、頑張りましょう!



覚えられない四字熟語

2016-08-14 10:55:13 | 演習問題
 1週間の夏休みも今日で終わり。何十年と働いていても、こんな日はやはり多少鬱な気分になりますね。 ^^;

 さて、きょうは四字熟語の書き取り問題を少々。ごく基本的と思われるものから、まず出題されないだろうと思われるものまでさまざまですが、共通項は「何度復讐しても私の記憶に定着しない熟語」です。必ずしも覚えづらいとも思えないものも含まれているのですが、ホント人間の記憶というのは不思議なものです。

 なお、本試験での出題形式に関わらず、四字熟語は四文字すべて書けるようにしておくと良いと思います。なので、全体の読みから四文字すべてを書いてみてください。個人的には、常用漢字など簡単な方の二文字(従って、ほとんど出題はされないですが・・)の方がむしろ思い出せなかったりします。字面だけ追いかけて、熟語全体の意味をきちんと理解・掌握していない証拠ですね。(汗)



1.  かけいずいけい
2.  ひつろらんる
3.  えんまんりゅうらん
4.  そうしゅれんい
5.  さいほばくろう

1.  【嫁鶏随鶏】  (「漢検四字熟語辞典」P.124)
 妻が夫に従うことのたとえ。
 「鶏」が重なっていますから、まず書き取りで出題されることはないと思いますが、出題形式が変わりましたから意味に合う熟語の読みを問う「問2」では出されるかもしれませんね。個人的には最初の一文字をつい「家」と書いてしまいます。意味をちゃんと考えれば分かるはずなんですけれど・・・。
2.  【篳路藍縷】  (401)
 たいへん苦労をして働くこと。
 前後どちらを出されても結構迷ってしまいそうです。
3.  【衍曼流爛】  (110)
 悪が広くはびこり、世の中全体に広がっていくこと。
 「衍曼」を、「まんえん  蔓延/蔓衍」と混同してしまってよく間違えます。
4.  【簇酒斂衣】  (308)
 貧しい生活のたとえ。
5.  【菜圃麦隴】  (217)
 水をたたえずに、野菜や穀類を栽培する農耕地。畑のこと。
 

6.  とんこうごりょう
7.  ほうしんきゅうか
8.  ちんさいのやく
9.  しゃしょくのまもり
10.  りょうしょうのこころざし

6.  【敦煌五竜】  (371)
 晋代に敦煌の人で太学(朝廷の大学)で名声のあった五人の称。
 四字熟語として出題されるとは思えませんし、「敦煌」は地名ですから書き取りでも出題はされづらいでしょうけれど、地名としては「超有名銘柄」の類でしょうから1級ホルダーとしては「書ける自分でありたい」という感じです。にもかかわらず、なぜかなかなか覚えられません・・・(泣)
7.  【抱薪救火】  (433)
 害を除こうとしてかえってその害を大きくしてしまうこと。
 薪を抱いたまま火の中に入っていく・・・想像しただけで恐ろしいですね。^^;
8.  【陳蔡之厄】  (343)
 旅の途中で災難にあうたとえ。
 出題されるとしたら(八)の「故事・諺」問題としてでしょうか。国名だからそれもないかな?
9.  【社稷之守】  (243)
 国家の守りとなる臣。
 何度も過去問にも出ている【社稷】ですが、どうも「稷」の字がいけません。なんでかなぁ・・
10.  【凌霄之志】  (471)
 俗世間を遠く超越したいと願う高尚なこころざし。
 「料峭」と混同するのか、つい「霄」を「峭」と書いてしまいます。


11.  かりょうびんが
12.  なんかくらんすい
13.  ひはつさじん
14.  しゅうけんぼうじょ
15.  じゅんようじかい

11.  【迦陵頻伽】  (132)
 声が美しいもののたとえ。
 読みが実に印象的な語ですね。そういえば昔、「上田知華+KARYOBIN」というバンドがいました。ピアノ+ボーカル+弦楽四重奏という珍しい構成で、こちらも実に印象的なグループでしたね。上田知華さんは今もシンガーとしてもソングライターとしてもご活躍のようです。
12.  【南郭濫吹】  (372)
 無能な者が才能があるように見せかけて、よい地位を占めること。
 「らんすい」の方を書かせる問題として、26-3 で出題されました。3級配当。 
13.  【被髪左袵】  (401)
 野蛮な風俗のこと。
 どうも許容自体の方の「衽」だけがいつも頭に浮かんできます。許容自体ですから本試験でも誤答とされるわけでもなく、まあいいと言えばいいんですけれど・・・
14.  【衆賢茅茹】  (245)
 多くの賢人が協力し合うこと。
 いつも「茹」のくさかんむりを忘れます。
15.  【遵養時晦】  (「漢検 漢字辞典」初版 P.717/第二版 P.723)
 時世が悪いときは世に出ようとせず、道にしたがって志を養い、好機がおとずれるのを待つこと。
 「四字熟語辞典」にはない語。「じゅんよう」も「じかい」も、ちょっとその場の推定では出づらいですねぇ・・


16.  まじゅうせんかく
17.  かそうさいり
18.  いんこうゆうひ
19.  しゅんいんしゅうだ
20.  さいそうしんすい

16.  【磨揉遷革】  (「漢検 漢字辞典」初版 P.1422/第二版 P.1437)
 人をよい方向に教え導くこと。
 これも「四字熟語辞典」にはなく「漢検 漢字辞典」だけに収録の語。「揉」が1級配当ですから、そのうち出るんじゃないかなぁ・・
17.  【禍棗災梨】  (-)
 無用の本を刊行すること。
 ここからの4つは「四字熟語辞典」にも「漢字辞典」にもないけれど出題されたことのある過去問です。この「禍棗災梨」は 26-2 での出題。個人的には「梨」が出てきません。ただ出題されるのは前回同様「禍棗」の方でしょう。
18.  【咽喉右臂】  (-)
 きわめて緊要の地。
 かなり古くて、13-1 の過去問。「のど」も「みぎうで」も重要な場所、ということでしょう。「漢検 漢字辞典」の【咽喉】の項には、「要地」との意味も記載されています。
19.  【春蚓秋蛇】  (-)
 春のミミズや秋のヘビのように、字も行も、うねうねと曲がりくねっていること。字がへたなことのたとえ。
 さらに古い 12-2 の過去問で、「春蚓」の方を書かせる出題でした。熟語そのものを知らなかった場合、「秋蛇」との対ですから「春」は出てくるとして、「蛇」に対して「蚓」が浮かぶかどうかというところ。 
20.  【洒掃薪水】  (-)
 掃除や炊事をするという日常の家事のこと。
 こちらは 14-1 での出題。こうして見ると、かつては「四字熟語辞典」にない語の出題が今よりも頻繁だった印象ですね。



 出来栄えの方はいかがだったでしょうか?
 引き続き頑張ってまいりましょう!



同音異義語は難しい

2016-05-29 08:56:00 | 演習問題
 同音異義語が数えきれないほどあるのが、他言語に比しての日本語の特徴であり難しさでもあるようですが、同時におもしろさでもありますね。最近目についたものを演習問題としてご紹介します。力試しにどうぞ。


<しょうじょう>

1. 大酒飲み。
2. 責めとがめる。しかり責める。
3. 天と地。また、天と地のように非常に隔たりのあるたとえ。
4. もの静かで寂しいようす。ひっそりとしているさま。

1. 【猩猩】  (「漢検 漢字辞典」初版 P.856/第二版 P.863)
 【猩猩蠅】【猩猩緋】といった熟語も押さえておきたいところ。「せいせい」と読めば「犬のほえる声」だそうです。
2. 【誚譲】  (753/760)
3. 【霄壌】  (756/763)
 【乾坤】の類義語として、本試験で頻出ですね。18-2、21-1、25-3で出題。
4. 【蕭条】  (757/764)

 他にも【症状】【小乗(仏教)】【賞状】【掌上】など、たくさんあります。



<とうとう>

1. つづみなどの音。
2. 光がゆらゆら揺れ動くさま。
3. すらすらとよどみなく話すさま。
4. 穴があいたようにうつろなさま。
5. ついに。結局。
6. 人のものを盗むこと。
7. ゆったりと穏やかなさま。平らかなさま。

1. 【鞳鞳】 【鼕鼕】  (1147/1157)
 【鼕鼕】 は音読み問題として2度出題(16-2、20-2)されています。
2. 【幢幢】  (1142/1152)
 【幢】 の訓読み「はた」も押さえておきたい。
3. 【滔滔】
4. 【洞洞】
 芥川龍之介「羅生門」の一節に、「黒(こく)洞洞たる夜」という行(くだり)があります。
5. 【到頭】
 こういう字を書くんですね。
6. 【偸盗】  (1135/1145)
 本来の読みが「とうとう」で「ちゅうとう」は慣用読みですが、「辞典」の見出しは「ちゅうとう」の方ですね。こちらの読みの方がすでに一般化しているということなのでしょう。
7. 【蕩蕩】  (1143/1153)



<しょうかん>

1. 厳しい寒さ。
2. 広くて静かなさま。
3. 天。あおぞら。高いそら。

1. 【峭寒】   (740/747)
2. 【敞閑】   (747/754)
3. 【霄漢】   (756/763)

 これも【償還】【召喚】【小閑】【小寒】など、他にもたくさんありますね。



<か>
 こういうのは「同音異義語」とは言わないんでしょうけれど・・・

1. 「カ き入れ時」
2. 「カ い潜る」
3. 「カ ち合う」
4. 「カ れた声」

1. 【書】   (721/727)
 うろ覚えですが、準一級の過去問だったような・・・。
2. 【搔】   (935/943)
3. 【搗】   (1141/1151)
4. 【嗄】   (541/546)



 28-1 まであとちょうど三週間。私のテーマはいつもと同じく「自分にとっての既往問題をきっちりと正解する」こと。出題形式の変更や、「辞典」第二版からの出題などはあるのでしょうか。そういったこともある意味楽しみではありますが、そんなことに徒に捉われず、自分のスタイルの学習を継続するのみですね。

 頑張りましょう!



四字熟語問題 50問

2016-05-07 09:54:56 | 演習問題
 連休ももう終わりですね。そして 28-1 まで残り1ヶ月とちょっと。今日は早朝から四字熟語の復習をしていましたので、その中から演習問題を50問です。本試験の(五)四字熟語の設問では直接問われることのない【●●之●】という形のものも含まれていますが、(一)読み(二)書き取り(九)故事・諺などの設問の役に立ちますから、この形の四字熟語も必ず学習しておきましょう。


 では、問題です。空欄に当てはまる語句を選んで漢字で書き、かつ、その熟語の意味を選択肢から選んでください。



1. (   )委靡
2. (   )頓挫
3. (   )切切
4. (   )散木
5. 因循(   )

こうしょ  せいせい  たいだ  ちょれき  ちんうつ

ア. 詩文の風格が高く内容が深くて文章中の字句の意味がすらすらと通らず、滞ること。
イ. 身体や気力などが、次第にくずれおとろえること。
ウ. 役に立たない人や物。
エ. きわめてものさびしいこと。
オ. 古い習慣や方法にこだわってその場しのぎの手段を取ること。



1. 頽堕  2. 沈鬱  3. 凄凄  4. 樗櫟  5. 苟且
イアエウオ

 3.に関して、「漢検 四字熟語辞典」ではこちらは【凄凄】ですが、【風雨淒淒】では【淒淒】と書き分けられています。【凄】と【淒】、意味や用法はほぼ同一のようですが、「漢検 漢字辞典」でも別字とされています。学習当初から気になっているのですが、これは書き分けないと誤答とされるのでしょうか?


6. 牛溲(   )
7. (   )叢裏
8. 摩頂(   )
9. (   )晏起
10. (   )絶塵

けいきょく  そうしん  ちょういつ  ばぼつ  ほうしょう

ア. 非常に軽やかに速く走ること。馬などが疾駆するさま。
イ. 乱臣、逆臣の家の形容。
ウ. 夜早く寝て朝おそく起きる。赤子や幼児のさま。
エ. 無用なものや役にたたないもののたとえ。
オ. 自分の身を犠牲にして他人のために尽くすこと。


6. 馬勃  7. 荊棘  8. 放踵  9. 蚤寝  10. 超軼
エイオウア


11. 抱関(   )
12. (   )致誠
13. 斗量(   )
14. 倍日(   )
15. 翼覆(   )

うく  がんあい  げきたく  そうそう  へいこう

ア. 自分のことを謙遜していう語。人や物があり余るほどあること。
イ. 哀切な気持ちと誠の心をささげて死者を弔うこと。
ウ. 翼で包み抱き温める。いつくしむこと。愛撫すること。
エ. 低い役職の人のこと。
オ. 昼夜をわかたず急いで行くこと。


11. 撃柝  12. 銜哀  13. 帚掃  14. 并行  15. 嫗煦
エイアオウ

 13.の【帚掃】、いつも前後の順番がどちらだったか分からなくなります・・・


16. (   )三窟
17. 迦陵(   )
18. (   )聴従
19. 厭聞(   )
20. 磨揉(   )

えんべん  こうと  せんかく  びんが  よちょう

ア. 身を守るのに用心深いこと。
イ. 聞き飽きること。
ウ. 心がやさしく素直で、人の言うことに逆らわずにしたがうさま。
エ. 人をよい方向に教え導くこと。
オ. 声が美しいもののたとえ。


16. 狡兎  17. 頻伽  18. 婉娩  19. 飫聴  20. 遷革
アオイウエ

 20.は「漢検 四字熟語辞典」にない熟語ですが、ちょっと気になっています。


21. (   )秋波
22. (   )縮栗
23. (   )空闊
24. 磑風(   )
25. 尨眉(   )

うそ  こうはつ  しょうう  しょうしゃく  びがん

ア. まわりくどく実際に適応できないこと。
イ. 白毛がまじった眉と白い髪老人のこと。
ウ. 美人のなまめかしい媚びる目つきのこと。
エ. 意気が阻喪して縮みあがっておそれること。
オ. 物事の前兆のたとえ。


21. 媚眼  22. 銷鑠  23. 迂疎  24. 舂雨  25. 皓髪
ウエアオイ

 24.は【磑風】の方を問われても書けるようにしておきたいですね。


26. 仰観(   )
27. 孫楚(   )
28. (   )歯寒
29. (   )画粥
30. 冒雨(   )

しんぼう  せんきゅう  そうせき  だんせい  ふさつ

ア. 密接な関係にあるものの一方が滅びると片方も危うくなるということ。
イ. 仰いで天文を見、うつむいて地理を知ること。
ウ. 友人の来訪を喜んでもてなすこと。
エ. 貧乏に耐えて勉学に励むこと。
オ. 強情で負け惜しみの強いこと。


26. 俯察  27. 漱石  28. 脣亡  29. 断薺  30. 剪韭
イオアエウ


31. (   )之志
32. (   )玉匣
33. (   )五竜
34. 焦頭(   )
35. (   )棘路

かいもん  しゅじゅ  とんこう  らんがく  りょうしょう

ア. 根本を忘れ、瑣末なことを重視すること。
イ. 政界の最高幹部のこと。
ウ. 美しいもののたとえ。
エ. 俗世間を遠く超越したいと願う高尚なこころざし。
オ. 晋代に朝廷の大学で名声のあった五人の称。


31. 凌霄  32. 珠襦  33. 敦煌  34. 爛額  35. 槐門
エウオアイ


36. 羊很(   )
37. (   )之情
38. (   )漂花
39. 門巷(   )
40. 甘井(   )

せんけつ  ていがく  てんあい  ひじょ  ろうどん

ア. 人が多く集まりくる形容。
イ. 女性が苦しい境遇にいて、あてもなく辛苦するさま。
ウ. 才能のある者ほど先に憂き目にあうということ。
エ. 兄弟が仲むつまじくする情。
オ. 荒々しくて道理にそむき、また飽くことなく欲張ること。


36. 狼貪  37. 棣鄂  38. 飛絮  39. 填隘  40. 先竭
オエイアウ

 37.【棣鄂】は読み問題として 22-1、24-3 で出題されています。そろそろ書き問題に転化する?
 39.の【填】、正字は 【土+眞】。常用漢字なのに正字が機種依存文字とは「う~ん・・」という感じですが、あとから常用漢字に追加された文字ですので、まあ仕方ないですかね。


41. 含英(   )
42. 衆賢(   )
43. (   )一朝
44. 家鶏(   )
45. (   )素餐

きんか  しい  しょか  ぼうじょ  やち

ア. 文章のすぐれた部分をよく味わい、心の中に蓄積すること。詩文に妙味があることのたとえ。
イ. 人の世の栄華のはかないことのたとえ。
ウ. ありふれた古いものを遠ざけて、珍しくて新しいものを大切にすること。
エ. 多くの賢人が協力し合うこと。
オ. ある地位にいて職責を果たさずにむだに禄をもらっていること。


41. 咀華  42. 茅茹  43. 槿花  44. 野雉  45. 尸位
アエイウオ


46. (   )孕鬻
47. (   )自在
48. (   )垂釣
49. 瓶墜(   )
50. (   )之伎

うふう  しょうよう  しんせつ  とうまつ  ようきゅう

ア. 俗事を離れてきままに楽しむこと。
イ. 鳥や獣が子を産み育てること。
ウ. 隠者の姿をいう。
エ. かるわざ。
オ. 男女が離れて二度と会い得ないたとえ。


46. 嫗伏  47. 逍遥  48. 羊裘  49. 簪折  50. 橦末
イアウオエ

 46【嫗伏孕鬻】と 15【翼覆嫗煦】 の区別・習熟は私にとって永遠の課題です。(苦笑)