今日の料理(こだわりがないのがこだわり)

フードリテラシーに沿いつつも、なるべく夢のある料理や飲食をジャンル・国境・時代・時間をボーダレスに越えて書いています。

リコッタチーズ作り~イタリアの郷土菓子「カンノーロ」。

2018年03月08日 | スイーツ
以前ズコットを作ったことはあるが、イタリア菓子って他の西洋菓子に比べて四角四面に計量とかしなくてもある程度、アレンジが出来るし、ワリと多種多様な素材をの味が活きている気がして、マフィアとかイメージ的に強いけれど、勿論モノにもよるがそんなに甘い物ではないのではないのでは?ってそんな気がした。
(気がしただけだから)

 そんな中で前から作りたかったシチリアの郷土菓子「カンノーロ」を勉強してみようと思った。
このお菓子は作りたてが美味しいので、あまりケーキ屋さんでも売っていないし、
イタリア料理店へ行くと、折角なのでデザートはケーキを択んでしまうので
とりあえず今まで食べた事が無かった
でも先日食べる機会に恵まれたのだが、1個500円以上していて~、
まさに清水の舞台から飛び降りるみたいな心境で、分解しながら食べ、味を覚えておいた。
(料理を作るごとに材料を全部揃えていたら破産してしまうので、全く同じ物は出来ないけれど=同じ材料だって100%同じには絶対ならないんだもの=アレンジが効くイタリア菓子だと思うので、味のイメージは覚えておいた)

 このお菓子はリコッタチーズを使うのだが(※近年非熟成のチーズ類は加工食品や副産物扱いになったが紛らわしいので、これもチーズとする)、調べているとリコッタチーズは作れる!!と知ったので、そこから学んでみようと思う。

準備~カッテージチーズ(←オランダ発祥、イギリス発祥説もある)>

リコッタチーズを作るには先ずカッテジチーズを作り乳清(ホエー)を採らないと作れないので、カッテージチーズを作る。
(因みにヨーグルトからも乳清が採れるがやや出来上がりがヨーグルト風味がするらしい)

カッテージチーズから濾して作るので、コーヒーのドリッパーやザルに布巾や破れないペーパーを敷いておいて濾す準備をしておく。

レモンは防かび剤・防ばい剤(←共にポストハーベストの日本名)を使用していない国産レモン。
お酢でも可

レモンを絞る(皮は捨てない)。

牛乳200mlの1回分の果汁は大さじ1ぐらいかな。

180ml~200ml、今回はおいしい牛乳、本当に美味しい気が。。。
(いつも低脂肪だから、たまには・・・)

以前作ったカッテージチーズの作り方で濾してカッテージチーズを作る。

このカッテージチーズは使わない

リコッタチーズ(←南イタリア発祥)>

濾した乳清(ホエー)に

ミルクやクリームを同量加えてカッテージチーズと同じ工程を繰り返し、出来た副産物がリコッタチーズと呼ばれる。

カッテージと同じ様に60度ぐらいまで温めて

レモン汁(大さじ1欠けるにした)と塩を1つまみ入れて瞬間かき回し

弱火にしたら分離してくるので、火を切って、荒熱を取る。

これを濾して

本当は一昼夜ぐらい水を切るが、時間が無かったので、ある程度濾したら、搾って完成させた

生クリームだけだとコクが増すかな?と思ったらイギリスのクロテッドクリームとかバターに近くなってしまった。
レモン果汁が無くなったのでお酢でも出来るか?

お酢でも十分に代用出来た。(これだな・・・レモンだけの時とほぼ味が変わらん)

200ml前後で出来る量が、1回につき子供の拳ぐらいのサイズなので、3種繰り返した。

これに重石をして

1晩置くとコクが増す。

※実はこれ、手で1回搾ったので重石をする必要は無かった(結果から言うと後で乳清を足して軟らかさを戻した)。
買ってきたモノや水分が多い場合に重石を1晩すればいいと思う。

果実の砂糖漬け

余ったレモンの皮はすりおろして風味漬けにしたりする人やレモンピールにしてカンノーロに入れる人など、作る人によってアレンジが出来る面白いお菓子。

本当はドレンチェリーとか使うらしいが、あの色が無理で(天然の着色料で作ったドレンチェリーもあるらしいが、スーパーに売っていなかったし、あっても高そうだし・・・ハンズとかへ行けばあるのかな?)

型の準備

本当は鉄の棒になっているカンノーロ型を使うのだが、そんなものは当然、家には無いので、アルミホイルで筒を作っていく
※必ず、サイドの両端が空いた筒にしないと熱がこもって爆発するのではないか?と思う、だから筒状にする指定なのでは?と、「安全と広告はやり過ぎぐらいが丁度良い」と言われる様に(ま、広告の方はやり過ぎをされると世の中が操作され消費者が困るんだが)安全に濾した事はない

2枚重ねが堅固らしい。

穴の直径は2cm~2.5cm・長さはアルミが勿体無いので12~13cmぐらいにした。
側面を少し織り込むと安定するよ!)

穴の中を箸で伸ばすと皺も安定した筒になる。

いろんなレシピでは10本単位で表記されていたけれど、自分の場合はあまり大量には必要ないので、このぐらいかな~?(見た目より、意外に簡単に作れた、多少皺が寄っていても出来りゃあいいんだ、何度も作る人や、どうしても皺なしが欲しいならカンノーロ型を買えばいい)

型を更に使い易く・・・この作業は翌日でも>
型にクッキングペーパー又はオーブンペーパーを巻く。

これは加熱した時に生地から型を抜き易くする為に必要な作業。

(嫌なら、高いお金を出して鉄のカンノーロぐらいにしか使わない型を買いましょう!!)
ま、大体ソツなく巻けていれば。=紙自体がロールしている巻き癖が付いている為、そんなに大変な作業じゃない!!マジで!

カンノーロ作り

で、翌日(手で搾れば翌日でなくても良いと思う・・・そんな時間普段ないもの)、

生地

・小麦粉75g(←結果から先に言うとあまりにも生地が軟らかかったので90~100gぐらいにした)
・グラニュー糖6g
・卵黄1個(小さくても全然OKだと思う)・・・白身は取っておく。
マルサラ酒40ml(←偶然イギリス料理のビーフ・ウェリントンマルサラソースで使っていたのであったが、無ければ白ワイン35mlとブランデー5mlぐらいで代用出来るらしい、マルサラが揃っていたので作ろうと思ったぐらい、因みにマルサラ酒はイギリス人が発明した)
・オリーブオイル10ml
を全部混ぜる。

本当はフォークでやるらしいが、アジア人は餃子の皮を作る時の様に菜箸の方が使い易いと思う。

あまりにも生地が軟らかかったのでここで粉を少しだけ足した(あの軟らかさはいくら生地慣れしている自分でも加工が無理だった、100%出来ない事はないけれど・・・ここで計100gぐらいに)。

で、ピザ生地作りの様に表面がツルツルになるまでコネル(面倒なのでボウルの中でコネた)。

ラップに包む人が多いが、ラップが勿体無いのでお椀に入れてビニールで縛って密閉し、

冷蔵庫で1時間休ませる。


紙をダイヤモンド形に切る紙でも出来るようなので(←試す)>

果たして、寸法でも決まっているのか?12cm×16cmの人が多いようだが、
自分んちはフライパンがそんなに大きくないので2周りぐらい小さくした。

(大きいと扱いヅライし)

生地を伸ばして、切り、巻き付ける

休ませた生地をいくつかに切り分け

1mmの厚さに広く伸ばしたら、型紙のとおりに菱型に切り取る。

で、クルクル巻いて(まな板に貼り付いて破けたらやり直し、別に何度でもやり直せるから失敗しても大丈夫!!料理や調理は、焦らない、焦らない

巻き終わりに取っておいた白身を塗る事で接着剤にしてよく止める。

こうやって全部作っておく。(やはり普通のアルミホイルとペーパーで作った型の方が良いかもな

なんとか出来た(ここが一番の山場だったかな)

生地を揚げる

油を170度に温め

怖いようなら、も少しだけなら低くても大丈夫、火事になるよりはマシ。
それでも不安なら濡らしたタオルを数枚用意しておくと引火した時にかけて酸素を遮断出来るから心強い。

先ず1回軽く色付くまで揚げる。

軽く色付いたら、筒の中に溜っている油が危険なので、よく流してから、

1度油から出して型を抜く

で、再び油に戻して(温度が上がり続けるようなら何処かで火を切っても良い、油の量や気温、湿度、揚げている素材で条件は少しづつ変わってくるので流動的に!、どうも発火したプロではない人々の話を聞くとプロの天麩羅屋さんでもないのに最初から100%を目指し過ぎてカラリと揚がるベストな温度を味の為だけに目指し過ぎ、発火するまで温度を上げてしまった人々多かった気がした、
生兵法ではないがコダワルのも考えモノだなと・・・発火するぐらいなら火を切って、余熱で揚げても十分揚がる、あと再度火を点ける時に引火しないように注意ね!!)

キツネ色になるまで揚げる(少し色が濃い方が美味しい気がする・・・多分)

こうして全部の筒を揚げて油をきって、冷ましておく。

全部揚げた後の型は、洗うのも洗いきれないし、捨てるしかないよな・・・

これがカンノーロ型があれば捨てる事はないんだろうなーってメリットとデメリットかな。。。

クリーム作り

・最初に作っておいたレモンピール(砂糖漬け)を適度な大きさにきざんであまり細かいとゴソゴソするから)半握り強(←手は女性より小さい、確か6弦か5弦まで親指で抑えるジミヘンの「Little Wing」が弾けない!!!)、あ、ピールは飾り用に残しておく。
・チョコレート(イギリスフェアで貰ったチョコだからイギリス産だと思う)があったので
一握り強ぐらいかな、細かく刻む。

チョコとピールも砂糖代わりなのかもしれないが

砂糖は本当は粉糖を使うのだが、無かったので普通の砂糖で(なるべく普段あるもので作る事が主旨)。
砂糖の分量としては500gだったら50gとか、450gだったら60gとか、リコッタチーズ:砂糖が5:1ぐらいの割り合いが多いみたい。

今回リコッタチーズが200g(リコッタ+後から足した乳清)ぐらいだから、
粉糖は砂糖より甘味が強い気がするので「砂糖で失敗したらどうしよう?」と怖がらずに)換算すると大体の砂糖の量は30gってところかな。


本当はマラスキーノ酒だけれど、無いのでブランデー5mlで代用(キルシュでも代用出来る)。

粉砂糖と違って砂糖は溶けヅライので、食べていてジャリっとしたら嫌だから、本当はブランデーは最後だけれど、先に砂糖と混ぜて湿らせ、溶け易くアレンジした。
(この為に高い粉糖を買うと、又、余ってしまうから!

リコッタチーズを壊して(?)練っていき

ドライフルーツ(今回はレモンピール)とチョコレートを混ぜる。が、

今回は水分が抜け過ぎたのでカッテージチーズみたいになってしまったから、取っておいた乳清(ホエー)を混ぜて、クリーム状の滑らかさに調整して修正したら簡単に戻った。

口金(←出来れば星型だが無いので普通の口金)が大きい絞り袋に入れて(包丁の背で空気を抜くと良いらしいって何かで勉強した)

口金をカンノーロの生地の中に突っ込んで搾り出す。

反対側からも同じ様に搾り出す。

上から粉糖をかけて(このぐらいの分量の粉糖は残っていた)

残しておいたレモンピールをチーズクリームの部分に飾って完成。
ドレンチェリーを飾る人も居るが文中の理由で無いので、レモンピールだけを飾る人も居るからピールを選択)

お、美味し過ぎる・・・。
原価こんなに安いのに、でも、ホント手間賃って感じ(覚えてしまえばなんとかなりそうだけれど、全体の仕組みがあまり日本人では無い感覚)、途中1回生地がまな板の上に張り付いた時に、1個500円以上する意味が解った気がした。
(あの軟い生地で正しいとしたらだが・・・)
ただ、外で食べるカンノーロに負けず劣らず、寧ろちょっと上をいったか?という感じ。

・中の味をゴチャゴチャさせないでレモンピールとチョコだけにした事も良かった(日本人らしく引き算が出来た)、
柑橘味のチョコのイメージでその通りに(いや、それ以上に)作れたと思う。
一応味見でクリームを舐めた時に成功を確信した。

・周りの生地もサクっと感がかなりあって、それでいてホロホロ優しく、層になっているっでしょ?、パイみたいに!!

問題なく、食べた事がある生地と同じ生地(むしろそれより、やや軽めの生地)
カロリーが多いので(クリームを使ったのは1個だけだからそうでもないか?)、一度には食べ切れなかったけれど、手が止まらなくなった。

・型「も」面倒そうに見えて簡単だった。

・生地を練る時にバターではなくてオリーブオイルだから揚げているのに思っていたよりサッパリしているのかも。

・味は全然違うけれど生地の作り方はカリントウに似ていると揚げながら思った。

 リコッタチーズから作ったから手間取ったが(こんなに使うなら買えば良かった、カッテージチーズを入れて4回も濾してしまったよ。勉強にはなったが・・・)、上手くいって良かった。
次作るとしたら、リコッタは買ってこよう・・・その分安く済んだけれど
中々リコッタ作りとカンノーロを両方一度にやって紹介している人は現段階では少ないと思う。

いくら紅茶党の自分でも、流石にこれは紅茶ではなかった。

イタリアらしくやはりコーヒーに凄く合う。

当然「独りファシズム」みたいな感じで、1人ゴッドファーザーごっこはするわな。
「○○○はおいておけ、カンノーロは持ってきてくれ!」

ガンズのスラッシュがギターソロで弾く、ニーノ・ロータ作曲のゴッドファーザーのテーマが頭の中で流れるが(B`zの松本孝弘の「ゴッドファーザーのテーマ」もスラッシュより雰囲気が出ている気もするが)、
個人的には「シネマ イタリアーノ」というヘンリー・マンシーニが編曲したCDに入っているエンニオ・モリコーネの息子のアンドレア・モリコーネ作曲の「愛のテーマ」(映画「ニューシネマ・パラダイス」)が、かなり日本人が考えるイタリアっぽい曲の気がする。



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