今日の料理(こだわりがないのがこだわり)

フードリテラシーに沿いつつも、なるべく夢のある料理や飲食をジャンル・国境・時代・時間をボーダレスに越えて書いています。

ジャーサラダを作ってみた。

2015年03月25日 | 今日の料理
ジャーサラダ・・・アメリカで100年以上愛用されている密閉式の口径の多きいガラス瓶(=これを「ジャー」というらしい)を使い、中に1/3程ドレッシングを入れ、そこに野菜を入れて、食べる時にひっくり返してシャカシャカ振ると、ドレッシングがまんべんなく絡み、その場でサラダが作れるという料理方法?で、少し前からNYで流行っているという料理。煮沸した容器で何日か分を冷蔵庫でストックしておけるらしい。葉モノを最後に詰めるので他の食材の水滴でしなびる事もなくシャキシャキ食べられ、皿に盛った時も自然と最後に詰めた葉モノを最初に盛り付けることでサラダの下にくるから美しい仕上がりになるとのこと。
これは1度は試しておかないと。



[本文]
ジャーサラダを作ってみようと思ったんだ、少し前から流行っていると聞いて、コンビニで本を見つけてよく読んでみると、こりゃ面白いや、やっぱり一度は作っておかないと、っていう気持ちにさせられた。
で、その本を最初買うの勿体なかったんで、要点だけ覚えて、分量はネットで調べて自分のレシピで換算すればいいやって、丸覚えしていたら、読めば、読むほど面白いし、自分がドレッシングや酸味が嫌いなので、(アタック感強い、刺激のあるものが苦手で)、あまり人生で食べてこなかったのと、当然作ってこなかった。
素材の味だけでモノを食べるので、ソースとかタレとか、嫌いなんだ、人が作った味だし(自分にピッタリなんてことは絶対ない、自分で作ったものこそ自分にピッタリなんだ、それはロンドン~パリを旅していて思った。その時、100人が100人「薄い・濃い・ちょっと濃い」とか勝手に言うお客様の言葉に憔悴しきっていた若い俺は、背負っていた肩の荷が降りた感じがした)。
で、話はジャーサラダに戻るが、やはりドレッシングは苦手だ、それに今の仕事ではランチサラダだけでは、身がもたない、分刻みで仕事をしているから(事務で分刻みって、飲食や営業の分刻みとは違うヤバさがある。知らぬ間にボディーブローみたいに何かが溜まっていくんだ。で、ほぼ毎日16:48には倒れはしないけれどバターン!!みたいな。)
だから、「サラダ」ではなく「おかず」を作ろうと思った。
偶々豚肉を茹でたモノがあって(基本、味が付いていないものが好きなので、肉も茹でるだけでいい、スープは別の料理で使えるし)、メインを豚肉に主を置いてみようって、でも、サラダとして主を置いているテーマが2つになるから、それらのイメージがぶつかる、するとゴールが描けない、だから、いったん豚肉はボンヤリと置いておいて(合わなければボイルした鶏肉に代える手もある。)、先ず全体の味を決めるドレッシングを決めてから、それに合う食材を選んでいこうと思った、その中で、豚肉や鶏肉、エビ等、何かタンパク質になり、おかずになる食材に重きを置いていけば、きっとイメージしたものに近づけるかな?って。
で、嫌いなドレッシングをあまり作った事が無い俺が選んだのは、ベーシックなフレンチ・ドレッシングだった、でもドレッシングは嫌いだ(・×;)!!、どうしよう~と思っていたら、うっすら頭の中に置いておいた豚肉の事を思い出して、豚肉に合うのは粒マスタードだ、確か、フレンチ・ドレッシングに粒マスタードを合わせたモノを昔2回ばかり食べた事がある、ということで、「フレンチドレッシング粒マスタード風味」を全体のベースにする事に決めた。いったん全体の味が決まると早いモノで、それに合う食材を選んでいけばよかった、但し、金はかけるツモリも無かったので、家にある野菜とどうしてもこれは入れて実験してみたいという野菜だけ購入する事にし、

[購入したモノは]
・ミニトマトの赤とオレンジ色・・・酸味に酸味でどうなるか?皮への浸透圧はどうなのか?を調べる為と、透明なビンから見える色合い的にオレンジのトマトはどう見えるか?
・レタス、本当はグリーン・カールとか、少々高めの葉モノにして1ランクお洒落な味にしてみようと思ったが、高かったので、辞める事にした。(普段使っているいつでもどこでも買える味でどこまで出来るか?というのもあったし)
・あと、本に生ハムや、鴨のロースト(ミディアム・レア)を入れた写真があって、あ、これはカルパッチョみたいで美味しいし、自分が目指す「おかず」になるなと、もうボイルした豚肉は使うことを決めていたので、豚肉でイコウ!!と、翌日までもつ、ローストポークの安いパックを買ってきた、本当は自分で作ればいいんだろうけれど、何せ帰宅してから寝るまでに時間が無いし、休日もバタバタでやる事がある、休息もとらないといけない。精一杯の奮発をして360円のローストポークサラダの上だけを使う事にした(消費期限がもつモノ)。
・あと、今回の主役、粒マスタード(練り辛子しか使わないうちには高かった~)。

[家にあった食材は]
・ニンジン・・・基本ストックしてあるので。
・玉ねぎ・・・奇跡的に欠片が残っていた、
・ボイルした豚肉(作る方もラクでいい。)

他にキュウリや大根はあったけれど、粒マスタード味のフレンチドレッシングにこの2種が合うとは思えないので、踏み留まる事が出来た、何でも入れりゃあ、いいってもんでもない。ジャガイモも揚げたモノならギリアリかもしれないが、蒸かしたり茹でたりしたものは酸味を吸い過ぎて、酸味嫌いポテト好きの俺には加熱したポテトの味を殺してしまうし、酢が染み込んだジャガイモはアタック感がやけに強くなるからから嫌だなと思った。

【情報収集と作戦】
とりあえず、材料は揃ったので、ネットでもう1度ドレッシングのレシピをいくつか確認、共通項を取り出して、レシピを組み上げていく(ワリと大雑把に)、確か、オリーブオイルが・・・、げ、少ないじゃないか!!、酢は?あれ??普段使わないから無いぞ?!!、困ッタナと思ったら、焼き魚とかにかけていたワインビネガーの残りがあった、

お、これっだ、これを使おう、オリーブオイルは、イタリアンに限定されてしまうのが嫌だから(=今回の趣旨はイタリアンじゃなくて実験なんだ=)、とサラダオイルでベーシックなモノを作ってそれを基本にしようと思った。
[作成開始]
昔(といっても小学生の頃だが)、大嫌いなフレンチドレッシングを作って、たしか泡だて器でひたすらかき回した覚えがあるので、泡だて器に油が付くと洗うのが面倒だと諦めていたのだが、ネットをよく見てみると、何人かが、瓶や密閉する容器に入れてシャカシャ振って作っているというのを発見、こりゃいいや、でも本当に出来んのかな?美味しく?と半信半疑で同じように作ってみたら、

上手く撹拌されてフレンチ・ドレッシングになった!!!スゲー、こうやって新しい技術を覚えていく事も、実は料理作りの醍醐味でもある。(粒マスタード入り)

一応それもなんとなく頭に浮かんで自分のレシピを無理矢理増やせるからと本を買う時想定していたんだ、ジャーサラダだけではなく、ドレッシングとタレのレシピストックや、付属して何か技術が覚えられるのではないか?と。
で、記憶を頼りに作ってみたのだが、まあ、味が何か物足りないとかバランスが足りないとかは、塩・胡椒・気持ち砂糖で調整、でも、美味しいフレンチドレッシングを食べた事がない、これが果たして美味しいレベルなのか?自分の中で美味しいと思っているだけなのか、そこは気を付けないとなと思った。
(いつか、美味しいフレンチドレッシングを食べて、それを基準にしよう。酸味が嫌いだけど。でも、ずっとそうやって、食べ物と常に勝負してきたんだ。)
それでジャー・サラダを作ってみた、専用の容器(ジャーの事)を買ってまで作る気もなかったので、昔コーヒーを入れていた瓶を取っておいたモノを煮沸し

(ここで煮沸の仕方を勉強、水から入れないとガラス瓶が割れると知った、薄々は割れるかも感じていたけれど、弱火ならイケると踏んでいたので、ここでも勉強出来た。蓋はプラなので、溶け出すと嫌な臭いがするし、変形すると蓋が出来ないので時間を短くしてみた。)、

それを自然に乾かしてから、蓋をするのだが、所詮はコーヒーの瓶だ、おそらくこういうものは逆さにしてドレッシングをシェイクすると、蓋を回した隙間から絶対にドレッシングが出てくる可能性がある、会社でフレンチドレッシングをこぼせば白い目線の嵐だ。それを避けるには、サランラップをかませると、

そんなに長時間シェイクする訳でもないから、絶対大丈夫だろうと踏んで、サランラップをかませて蓋をした。

[結果]
案の定、いくら逆さにしたりシェイクしても出てこなかった。
(というか、ギュウギュウに詰めてドレッシングが上手く落ちて来るのかなぁ~と不安だったが、結構、液体・液体していて、全体にまんべんなくドレッシングをからめる事が出来た。)
デザートの熟れたキウイの蜂蜜入りヨーグルトソースも同様だった。

因みに、今回気を遣うオフィスなので、皿には出さず長いフォークを持って行って食べることにした。
で、味は、一晩置いたレタスなのに、葉がシャキシャキしてまるで作りたてのサラダみたいに美味しくて、感激する味だった。
最初、少し濃いかな?と思っていたけれど、野菜の水分が下に降りて、少しドレッシングが薄まって、一番下に敷いた玉ねぎの風味がドレッシングにやんわりと乗っていて、又ちょっと今まで食べた事も無い様な未知の世界に入った感じだ。
(それで、本の例題に玉ねぎが下になっているレシピが多かったのかな?と、勿論、サラしてないから辛味成分を抜いたり、染み込みづらいのを漬ける事で染み込ます用途もあったろうが、共通するレシピの部分を採用して良かった。昔から初めての料理を作る時は50個ぐらいレシピを集めて共通するコツを掴み、それを自分の持っていきたいイメージに基本のコツからハミ出ないようにアレンジする。料理は∞の組み合わせがあるけれど、絶対ハミ出てはいけない枠があって、その中で∞に組み合わせていくんだ。)
本当に今回は感動した。それぐらい美味しかった。目を開かされるモノがあった。

[まとめ]
※初めから冒険・実験をしたから、
随分いろいろな事が学べたし。(「自分が」忘れないように良い点・悪い点をメモしておこう)

・最初は豚肉をメインに考えていたけれど、それだと豚肉に全体が引きずられて味の構想が偏る事でバランスが取れない。

・先ず、全体の味のドレッシング(ここでは豚肉のソースのイメージ)を決めながら、ゴールのイメージを崩さない食材を選べば良い。

・フルーツは水分が溶け込んでしまうので、ヨーグルトが薄まる。

・下に玉ねぎを敷いて漬けることで、玉ねぎの香味成分が香草代わりになる。サラしていないない玉ねぎも辛味が抜けるし、味がしっかりと付く。(酸味嫌いなんだけれど、辛味と酸味が中和され丁度良くなる。)

・トマトは切らないミニトマトなので、表皮が酸味の漬かり過ぎを防ぎ、味を果肉に付けつつも中にまで酸味が染み込まないからトマトの甘さを残す事が出来る。

・ニンジンと豚肉を角切りにする事で、高さ的に届かないドレッシング(マリネ液?)に浸る面積が増えて、尚且つ瓶をひっくり返した時に、ドレッシングが1つ1つにからみやすくなるしドレッシングの通り道を確保している。

・ローストポークは時間が無かったので市販のモノだが、唯一手作りでない自然のモノではないので、全体的にこれだけがウいてしまった。水っぽくって美味しくないし、マリネみたいに漬ければよかったのかな?(でも浸み込み過ぎてしまうか?サーモンで試せば解るかも?)

・レタスは1日置いたのにシャキシャキしたままで、本当に美味しかった、その分の水分が下に降りて行って、すぐ下のローストポークを水っぽくしたのかな?(間に水気を吸う何かを入れれば良かったのか?)

・メ○ソンの専用「ジャー」はなく、大きなインスタントコーヒーの瓶(昔のだからコーヒーの香りは抜けている。)だが、サランラップをかませたので、漏れなかったのかも。

・一度、本当のフレンチドレッシングの美味しいものを食べてみないと、もっていきたい基準が解らない。自分が常にどの位置にいるのかも解らない。

・ただ、味は美味しかった、天才じゃないか?と最初思った、でも、味覚を頼り過ぎているといずれズレる。プロの領域にするには2ランクぐらい下になるだろう。それでもラインはギリギリ越えているぐらいだろうが。(自分好みの味にしたから、美味しかったのは当たり前だ。他人好みVerも作れるようにしておかないと、通用しない。し自分が苦しむ。)

・煮沸消毒の仕方と、苦手(というか自分が嫌い)なドレッシング・ソース・タレのレシピが強制的に習得出来る。ドレッシングが無いとこれは成立しないので。

全部が正しい訳ではないかもしれないけれど(個人差もあるし)、ただ自分が実践した事は鮮明に覚えて自分の中の糧になるものだ。

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