インドネシアの車は、新車は年率15%ほどの増加である。トラックやバスも同じくらい以上増えている。ところが、古い車は少なくなっていない。勿論、新車が増えているのだから、率はその分少なくなっているが、二十年前、三十年前のモデルがしっかり走っている。それらの車のメンテはどうするのか。バイクの修理屋は町のどこにでもあるが、田舎でも見ることができる。パンク修理屋も至る所にある。しかし、車の修理屋は大変少ない。メーカーのディーラーが修理や定期点検を引受けている場合が多い。
中古車というか超中古車の修理点検はどこでやっているのでしょうか。自分や仲間でやっているのです。道端のあちこちで車を解体しています。高速道路の路肩でも修理をしています。高速道路から出た処には、高速道路からけん引されてきた車が置かれています。修理を待っているのです。何十年も前の日本で見られた風景です。器用に治してしまうのです。すぐ故障しても、また、すぐ治すのです。インドネシアには車検制度が無い、これは良いと思う。自己責任です。しかし、自分だけの問題ではないと思うが、国は、そう思わないらしい。一年ごとに、車の所有税を払えば、それでいい。車の免許を買う時に、運転のテストや法規のテストも無いし、講習やパンフレットに配布も無い。
私も新車を買う前に中古のルノーに乗っていました。22才から23才の頃でした。箱根を上って、芦ノ湖へ行く途中、車が止まってしまった。自分でそれを直したことがある。アクセルペダルを踏んでも、燃料パイプを開くことができなくなっていたのでした。
それと似たような、ボンネットを上げてエンジンルームを覗きこんでいる風景は、珍しくない。
会社でも同じように、モーターの修理などは自分たちでやってしまう。ベアリングの交換やコイルの巻き替えなどは私も手伝うがインドネシア人の誰かがやってしまうことができる。私も出来るが、シリンダーとスクリューを購入して、後は、モーター、各種計器類、コントローラやセンサーなどを買ってきて、パネルも自分たちで作って、押出機を作ってしまいます。現在使っている押出機のほとんどは、メーカー名は自社です。それに、成形機能を付ければ、日本品質の製品が出来てしまいます。何十年のベテランが、「こりゃ、本社でもできないよ」と、つぶやく程の製品ができるのです。
器用さも自分たちで何とかしようという気持ちも、そして、何より、安く作ってしまおうという気持ちは、嬉しくなってしまう。
今の日本の若者にはほとんど無い気持ちです。故障すれば、修理を頼むしか方法が無い。修理を頼んで、治るまでは、なにをしているのでしょうか、私には理解できない。
だから、会社が海外へ脱出しないで、日本にあっても、若者のハングリー精神は今や風前の灯になっている。経営者は、円高や技術力や管理力だけではなく、仕事をする気でも、日本で物を作ることが難しくなってきている。
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