ひさしぶりに、よう寝たわあ、で8時に自然に目が覚めました。
悪夢にもうなされなかったし、トイレにも起きなかったかな? 覚えてない。
計算上、9時間は寝てます。ゆうべサスペンスドラマの最後を見届けずに(薬が効いてきたようで)、ブチッと電源を切って寝ました。あれ、最後はどうだったんだろうなあ。あのテレビ通販の売れっ子キャスターが怪しい、とにらみながら(みな、そう思たはったと思います)、ま、どうでもええわ、な気分になり・・
サスペンスドラマも、自分の人生から遊離できたり、あらあ、大変な人生送っている人、いっぱいいるわ、私なんて大したことあらへん、と自分を相対化できるので、健康にいいですよね。しかも、現実に大変な人をドキュメンタリーで見た場合、複雑な心境になるばかりですが、フィクションやん、というかくれみのがあります。
うちの亡き父が、サスペンスドラマ大好きで、仕事が早く終わった日はリビングで横になって、午後も再放送のサスペンス、夜は夜で、またひとりでテレビを占拠してサスペンスか時代劇。
犯人を推理したり、最後には善が勝つ、というところで浄化作用ありますものね。
わたしも松本清張ものはけっこう好きなんですけどね、ちょっと色気があって。
先日「キャロル」の原作者で、ハリウッドでも多く映画化されている小説家のパトリシア・ハイスミスの話を、パリの友だちと電話でしていた時に彼が「でも、彼女はブス!」と言い放ったので、あらあ、そんな身も蓋もない、でも、お金が潤沢にあったからいいじゃないの、と擁護する姿勢をとったのですが、そういうと松本清張先生もちょっと通じるものがある・・・と秘かに思ったのでした。
ミステリー小説家が美形である必要は全くない。
松本清張さんにしても山崎豊子さんにしても、あれほどのものを書ける才能に、ほの字ですわ。
そうそう、先日、なかなか寝つけないので桜木紫乃氏の長編「無垢の領域」を一気に読み終えました。これは直木賞受賞の直後に出版された作品です、文庫本としては出たばかりです。だいたい「無垢」という言葉には、へ、なんやのん、無垢な女性って? と思うので、ちょっと懐疑的だったんですが、ああ、そういうことか、と読み始めて納得。ちょっとホッとしました。
いつも女性が強くたくましいのが彼女の作品の魅力ですが、今回は、男性たちが実母の、あるいは妹の直接的介護者という耐える立場に置かれていて、妻があるいは故郷の女友達が、経済的にも物理的にも彼らを支えて、アクティヴ。違和感なく読めるのが、今の時代ということでしょうか。