B面でかせごう!

京都なまりのフランス語通訳
*人見有羽子のポップでキュート*

怒濤の4月を乗り切って

2023-05-12 21:31:42 | シネマ&芝居

東急グループが、歌舞伎町のランドマーク、ゴジラのTOHOに対抗して?目の前に建てた東急歌舞伎町タワー。

その6階に生まれた新宿THEATER MILANO-Za のこけら落とし公演「エヴァンゲリオン・ビヨンド」になぜか、まるで関係のなさそうな私もクリエイションに立ち会う。書き下ろし音楽の作曲担当アレクサンドル・ダイ・カスタン(アレックス)の通訳として稽古に通ったわけですが、あ〜こんなに長く同じチームと袖振り合ったのはひょっとしてフリー通訳になってから初めての仕事かもしれない。

今回は海外作品の引っ越し公演でもなければ再演でもなく、日本人スタッフと海外スタッフのコラボによる初演なので、ゼロから創りだしていく現場。映画の撮影もそうですが、ダンサーさんたちの振付け、大道具さんたちの舞台転換などなど俳優さんの稽古以外にも待ち時間が長く、たまに音楽の指示が突如入るけれども基本的に待機状態・・・。

何もすることがないというのは通訳としてはなんとも不思議な居心地の悪い時間なので、発作的にiPadを購入し、これで時間をつぶすか〜なんて不埒なことを思っていたら稽古が本格化し始めて、まるでiPad活用できず、それはそれで良かった。

本公演のリーダーは、ベルギー出身で国際的にも名の知れた演出家・振付家のシディ・ラルビ・シルカウィ。

以前にラルビの密着ドキュメンタリーの映像素材の翻訳をしたことがあったので、どれだけすごい人かどれだけこだわる人かはわかっていましたが、う〜ん、うなりました。彼の頭の中にはおそらく明確な作品イメージがあって、でも、それを日々、柔軟に進化させていく。その変化に周囲は戸惑うこともあるし、彼の意図に追いついていけないこともある。でも、彼は一度だって声を荒げることがない。

私が担当したアレックスもそういう人でした。ベトナムとフランスの血をひき、ジュネーヴに暮らす。

「大丈夫かな、なんて疑いをもつことは僕は一度もない」と言い切る。強い。どんな音楽をリクエストされても即時応えられるように準備は周到。アレンジも自由自在。それに見事に応えてくれたのが、日本人の優秀で優しい音響スタッフさんたち。

わたしが生き延びられたのも、この音楽チームのおかげですよ。 アレックスの敏腕女性マネージャーも合流して、さらにパワーアップ。

というわけで、この稽古以外にハードな仕事を数件抱えてしまい、まさに怒濤の4月を乗り越え、終わってみれば体力的な自信も回復。

確かにコロナ後、体力的には自信喪失。仕事はオンラインでしたし、夜の外出ももう私には無理・・なんて言っていたのに、え〜意外にやれるやん、と自分で驚く。日替わりの美味しいお弁当含め、三食きちんと食べることと、帰宅したら速攻睡眠確保が鍵でした。

この怒濤の2023年4月は、私にとってハードな、でも健全なリハビリ効果絶大の一ヶ月となったわけです。

あ〜、でも休めるってなんて幸せ。って思えること自体が幸せね。コロナ禍を経た今ではね。

 

あ、本公演、演劇評ではあまりクローズアップされませんが、個人的に感じ入るのはやはり創作過程に立ち会った音楽、サウンドエフェクト、日本の伝統的民謡調の歌唱、和太鼓・横笛の生演奏。

そしてわたしはラストで感極まって泣きます。

ダンサーの人たちと練り上げた俳優の身体表現も照明も映像マッピングも舞台セットも衣装もすべての粋が集結したラストです。

 

 

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