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B面でかせごう!

京都なまりのフランス語通訳
*人見有羽子のポップでキュート*

「風の歌を聴け」ようやくフランス語で。

2016-01-30 09:45:17 | 本と雑誌

フランスで村上春樹のデビュー作「風の歌を聴け」と「1973年のピンボール」が一冊の本として、この1月にようやく出版されたようです。

フランスの友人に「君はムラカミのどの作品が好き?」と訊ねられるたびに

Ecoute le chant du vent (風の歌を聴け)と答えていましたが、フランスではまだ翻訳されていなくて、

英語では翻訳されていたのに、なぜフランス語はまだなのかな、と思っていたので、これでようやくツーカーで話が通じそうです。

大学時代この作品を初めて読んだときの自分の心の揺れや安堵感は、今でも愛おしく思い出します。


大人になってもこういう生活って送っていいの? みたいな解放感。

堅気の家庭に育つと、なかなか王道以外の道が見えない。アウトローの道を行くほどの勇気もなくて、でも会社員になるという道も自分には無理のような気もする。

だから

翻訳という地道な、でも好きな仕事で生活費を得ながら、日が暮れればなじみのバーで友だちと落花生食べてていいんだ、と、ちょっとホッとしたんですよね。

(まあ、そうやって私を含め自分探しの若者が増殖したということもあるので、利害両方あるんでしょうけど!)

とにかく、村上春樹好きのフランス人は多いので、彼らがこのデビュー作をどう思うか、次回の文学談議がちょっと楽しみです。


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あの時の戦闘服に感謝

2015-07-13 12:37:53 | 本と雑誌

母の闘病の伴走で京都と東京を往復する日々が続いていた頃(まだ続いてますが・・)、

ちょっと元気のない私の姿をみかけたお隣のお兄さんが貸してくださった一冊の本。

 

山本耀司の『服を作る モードを超えて』

 

「これ、読むと元気になりますよ。耀司さんのお母さんもすごく高齢ですが元気でいらっしゃいます。人見さんのお母さんもきっとまた元気になられますよ」

 

とはいえ、母の治療も荒波続き、しかもプレッシャーの大きい仕事を目の前にして、なかなか手が伸びず、ずっとテーブルに置いてあった白い一冊。

ゆうべは「ヨルタモリ」は録画で見ることにして、ようやく手に取ったところ、一気に読んじゃいました。

 

私がパリに暮らし始めた80年代半ば、耀司さんや川久保さんたちの華々しい活躍は同国人として誇らしいものがありました。ワイズの細身の黒いジャケットはフランス人にも誉められましたし、黒のロングコートも袖が擦り切れるほどどこに行くにも着てました。裾を風になびかせて・・。彼らの服を身につけることで、異国にいて不安定な自分の存在を精神的に支えてもらっていた気がします。

 

やっぱり自立をめざす女性のための服だったんですね。

私にとっても戦闘服、鎧兜のようなものでした。

 

ここ数年、ガーリー回帰して色ものを身につけるようになった私は、もう鎧を身につけなくても良くなったってことかしら。

母のお見舞いに行くときは、黒は気分的に絶対無理、ですしね。

 

本当にお世話になりました、と一礼して本を閉じました。

 

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岸惠子さんの小説を読む。

2014-11-26 22:57:09 | 本と雑誌

めずらしく日本の小説を読みました。

と言っても、純文学じゃなくて。

岸惠子さんの『わりなき恋』。文庫本になっていたので、読み終わったら、母と女友だちに回せるしな、と思って。

わたしにしてはわりと一気に1週間で読みました(これは桜木紫乃を読み切るペースよりは遅い)

主人公の笙子にはどうしたって岸恵子さんを重ねずにはおれません。

お相手の男性は何となくイメージがあるんですが、こんな甘い言葉を言ったり書いたりする50代の日本人男性が今どきおるんかいな! と、心で突っ込み入れてました。

こんなこと言われ続けたら、やっぱりちょっと不安になります。

フランス人の男性にだってこんなん言われたことないわ(どうだっていいか・・)。

 

やっぱり日本人なんだわ、わたくし。

というわけで、ものすごく共感することもなく、ちょっとホッとした次第です。

母や女友だちはどう読むかな、そのほうが興味津々です。

 

 

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リブレリ・ア・トワ/11月23日19時 オープン!

2012-11-09 17:47:50 | 本と雑誌

11月だというのに暖かい日々が続きます。

今週末は京都なのですが、紅葉はまだだろうな・・。

京都の紅葉シーズンはそれなりに人出が恐ろしいことになるのでありがたくない部分もあります。京都は冬が一番です!寒い~~と言いながら、湯豆腐屋に駆け込むのがいいんです。

さて、きょうは珍しPRです!

《Librairie à toi /リブレリ・ア・トワ》 “あなただけの本屋さん”

と銘打った(ちょっと文学サロン風になればいいな~な)トークイベントです。

今月11月23日の19時です。え、うん、わたしもしゃべるんです。

西麻布の路地裏の地下にある知る人ぞ知る本屋さんカフェ

「Rainy Day Bookstore & Cafe/レイニーデイ・ブックストア&カフェ」

はごぞんじですか。

旅の本や雑誌がセンス良く収集された書棚の隣で、素朴な木のテーブルに腰掛けて、若いマスターの林下(はやした)君が淹れてくれる美味しいカフェをいただきながら、ゆったりとした時間をおくれるすてきな空間です。

その静かな空間で、今秋見事、不死鳥のごとく復刊した「コヨーテ」の新井編集長と「パリの本屋さん」についておしゃべりします。おしゃべりを聞いていただくのに、有料で申し訳ないんですけど・・、パリ時代からの友だちの美津子さんの手料理と美味しいワインに惹かれて、ちょっとおみあしお運びいただければ嬉しいです。

こちらのリンクで詳細をみて下さいね。

http://www.switch-pub.co.jp/rainyday/306122222.php

下の写真が本屋さんの店内。ね、雰囲気あるでしょ。23日は祝日で、三連休の初日ですが、友だちとおしゃべりしに来る気分で立ち寄ってください。おしゃべりが終わったら(皆さんもおしゃべり参加大歓迎です)、いや、終わっても、おしゃべりは続きます。

別に控え室があって、トークが終わるとゲストは立ち去る、なんてことはないのです。敷居は高くないどころか、ゼロ敷居です。

場所は、六本木通りから来ますと、西麻布の右手の富士フィルムの横の道を右に入って、曹洞宗の大きなお寺の門の前をとおって、左に折れて、そうすると看板が控えめにでています。
地下ですよ、地下! 階段、気をつけて降りてくださいね。

Rainy Day Bookstore & Cafe (雑誌「スイッチ」「コヨーテ」の編集部のビルの下です。祝日夜だから、たぶんひっそりしてます)
106-0031 港区西麻布2-21-28 Tel: 03 5485 2134

おいでやす!

ってことで、わたくしは、週末、京都を彷徨・・・またブログしますわ。

Rainyday

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言われてみたい、愛の言葉。

2011-02-15 12:12:37 | 本と雑誌

ちょこちょこと人に会う用事が多くて
インプットする情報でアップアップしてます。

本もいよいよ「読んでくれ~」という感じで何冊も積まれてきまして
ああ、はいはい、読みます読みます、と言いながら、いちばん薄いのをなんとか読了。

「また君に恋をした/Lettre à D.  Histoire d'un amour」
アンドレ・ゴルツ/André Gorz)
2006年 フランスで刊行され、話題になる。
日本では昨年秋に水声社より出版。

タイトルが、今どき流行の歌みたいですが、
老年の夫から82才を間近にした奥さんへのラブレター。
58年連れ添って「君は変わらず美しく優雅でいとおしい」って言われてみたい!!(もう遅い!)

という、ほんとに下世話な動機でフランスの文庫(Folio)を取り寄せて読みました。う~ん、そうかあ。そうかあ・・・。

ゴルツさんは本来、哲学者で、ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール誌の共同発起人でもあった知識人ですが、同誌を早期退職し、不治の病に冒された奥様を長きにわたり看病した末、お二人で心中(2007)・・というので、感動したんですよ。
うわ、そういうフランス人カップルも存在するかあ、と。

ところが、ゴルツさん、国籍はフランスを取得されていますが、実はオーストリアの人。奥様はイギリス女性。

がってん!

所詮、ふらちなフランス人には無理な芸当だ、とちょっとホッとしたような。

また、目標を見失って、さすらうわ・・・。

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