Box of Days

~日々の雑念をつらつらと綴るもの也~ by MIYAI

ソウル髭

2004年04月28日 | old diary
 トップの写真からもわかる通り、スプリングスティーンの唇の下には髭がある。これは通称「ソウル髭」と呼ばれ、彼が尊敬するソウル・ミュージックの巨人たちがよくはやしていたものだ。レイ・チャールズのが一番有名だろうか。スプリングスティーンのこの髭も、そんな彼らへの変わらぬ尊敬と愛情の表れと推察される。スプリングスティーンのソウル好きは、先日、ストーン・ポニーにて行われたライヴのセットリスト(昨日のNews欄参照)からも明らかだ。ちなみに、日本では忌野清志郎氏も同じ髭をはやしているから、見覚えのある方もいらっしゃるだろう。

 さて、スプリングスティーンがこの髭をはやしはじめたのはいつか?はっきりしたことはわからないが、リユニオン・ツアーの最後を飾ったMSG公演(DVD『Live in NYC』)ではまだはやしていないところを見ると、少なくとも50歳を過ぎてからのことであるのは間違いなさそうだ。

 50歳を過ぎた男が、今も見た目を真似てしまうほど少年時代に抱いた憧れを持ち続けている。すごく素敵なことじゃないか。できることならそう言って、僕もあの髭を褒め称えたい。しかし、残念ながらそれはインポッシブルだ。というのも、僕はこのソウル髭ってのがどうにも苦手なのである。

 昔、僕が清志郎を好きだといったとき、当時つきあっていた彼女に「あたし、あの髭が嫌いなんだよね。汚らしくって」と言われたことがある。彼女の言いたいことは僕にもよくわかった。でも、たかが髭でしょ。はやしたきゃはやせばいいのだ。「まぁいいじゃないか。そもそもあれはソウル髭と言ってだね…」。僕は気楽な調子でうんちくのひとつでもたれたような気がする。

 しかし、この髭をはやしたのがスプリングスティーンとなれば、話は大きく変わってくる。彼女の言葉はぐさりと僕の胸を突いたことだろう。清志郎がどう思われようと知ったことではないが、自分が深く敬愛し一生の師とさえ仰ぐスプリングスティーンが、こんな髭のために「嫌い」だとか「汚らしい」などと言われるのを、なぜ黙っていられよう。とはいえ、激しく反論したところで、「それじゃ、あなたはあれがいいと思うの?かっこいいと思うなら自分もやればいいじゃない」と切り返されたらどうなのか?僕は、僕は…、絶対にやりたくない。

 少なくとも、女性には人気ないと思うんだけどな。あの髭。どうなんでしょうね?