朝からビールを飲んでいる。なぜか?
スプリングスティーンのとびきり名作なブート=78年ロキシーをかけつつ風呂にはいっていると、玄関のチャイムが鳴った。「誰だろ?でも、誰であろうと風呂に入ってちゃ出れないよね」。そう思って、僕はスプリングスティーンを聴きつづけた(なんせロキシーのライヴはとびきりの名作だから)。すると、そこでもう1回チャイムが鳴った。その瞬間、チャイムの主が誰であるのかがわかった。僕は驚異的な瞬発力で風呂から飛び出し、腰にタオルを巻いて、玄関のドアを開けた。
そこにはジョージ・ハリスンがいた。
僕はハンコを押して、ジョージを部屋へと招き入れた。えっと、やって来たのは『Living in the Material World』デラックス・エディションのことね。言い回しがくどくてすんません。
僕がさっさっと着替えている間も、スプリングスティーンは歌いつづけていた。そして、身支度を整えて準備万端となったとき、最初のクライマックスとも言うべき“Racing in the Street”~“Thunder Road”がはじまった。“Racing~”のダークなリリシズムを受けて、スプリングスティーンが心に直接呼びかけてくるような胸の痛いMC(なに言ってんだかわからないけど)をはさんで、“Thunder Road”の名前が告げられ、イントロのハーモニカが聴こえてくる瞬間は、言葉では到底言い表せないほどの素晴らしさである。作家のニック・ホーンビィも、(彼はロキシーでの夜に限定して言ってるわけじゃないけれど)著作『ソングブック』の中でこんなことを言っている。「前の歌(“Racing in the Street”)から次の歌(“Thunder Road”)へと移るとき吹かれるハーモニカの音は、まるで、長くつらい冬が一瞬にして光り輝く春になったことを教えてくれるかのようだ」と。こうなってはもうどうすることもできない。あとはただただ、
飲むしかない!…のである。
そんなわけで、僕は“Thunder Road”のハーモニカに合わせて、ビールのプリングを引っ張りあげた。で、その後に、やってきたばかりのジョージをCDトレイにのせた。“Give Me Love”のイントロが数秒流れるだけで、もうジョージの世界になる。『Living in the Material World』はいつどんなときも僕を裏切らない。そんなアルバムだ。僕はこのアルバムに全幅の信頼を寄せているし、それの隅から隅までを愛している。歌詞が宗教的だいう人もいるけど、そう思って聴けば(例えばジョージがインド思想に傾倒してたことを知っていれば)そう聴こえるかもしれないし、別の気持ちで聴けば(例えばジョージがインド思想に傾倒してたことを知らなければ)また違うように聴こえるかもしれない。そこがこのアルバムの懐の深さでもある。
それにしても『Living in the Material World』が手元に増えていくな(これで4枚目)。なんでこればっかり増えるんだろ。縁があるのかな。
ブックレットに、当時のチャート誌がいくつか載ってた。例えば、1位から順にジョージ『Living in the Material World』、ポール・サイモン『There Goes Rhymin' Simon』、 ポール『Red Rose Speedway』、ピンク・フロイド『The Dark Side of the Moon』、カーペンターズ『Now&Then』、キャロル・キング『Fantasy』…。うーん、どれも大好きなアルバムだ。もし僕がこの頃に10代だったら、「MIYAIはヒットしてるものが好きなんだね」とか「ほんとミーハーだよなぁ」とか言われてたのかな?なんか不思議だ。
さて、ジョージのDVDを観るとするかな。で、もう1本だけビール飲もうかな。もう1本だけね…。
スプリングスティーンのとびきり名作なブート=78年ロキシーをかけつつ風呂にはいっていると、玄関のチャイムが鳴った。「誰だろ?でも、誰であろうと風呂に入ってちゃ出れないよね」。そう思って、僕はスプリングスティーンを聴きつづけた(なんせロキシーのライヴはとびきりの名作だから)。すると、そこでもう1回チャイムが鳴った。その瞬間、チャイムの主が誰であるのかがわかった。僕は驚異的な瞬発力で風呂から飛び出し、腰にタオルを巻いて、玄関のドアを開けた。
そこにはジョージ・ハリスンがいた。
僕はハンコを押して、ジョージを部屋へと招き入れた。えっと、やって来たのは『Living in the Material World』デラックス・エディションのことね。言い回しがくどくてすんません。
僕がさっさっと着替えている間も、スプリングスティーンは歌いつづけていた。そして、身支度を整えて準備万端となったとき、最初のクライマックスとも言うべき“Racing in the Street”~“Thunder Road”がはじまった。“Racing~”のダークなリリシズムを受けて、スプリングスティーンが心に直接呼びかけてくるような胸の痛いMC(なに言ってんだかわからないけど)をはさんで、“Thunder Road”の名前が告げられ、イントロのハーモニカが聴こえてくる瞬間は、言葉では到底言い表せないほどの素晴らしさである。作家のニック・ホーンビィも、(彼はロキシーでの夜に限定して言ってるわけじゃないけれど)著作『ソングブック』の中でこんなことを言っている。「前の歌(“Racing in the Street”)から次の歌(“Thunder Road”)へと移るとき吹かれるハーモニカの音は、まるで、長くつらい冬が一瞬にして光り輝く春になったことを教えてくれるかのようだ」と。こうなってはもうどうすることもできない。あとはただただ、
飲むしかない!…のである。
そんなわけで、僕は“Thunder Road”のハーモニカに合わせて、ビールのプリングを引っ張りあげた。で、その後に、やってきたばかりのジョージをCDトレイにのせた。“Give Me Love”のイントロが数秒流れるだけで、もうジョージの世界になる。『Living in the Material World』はいつどんなときも僕を裏切らない。そんなアルバムだ。僕はこのアルバムに全幅の信頼を寄せているし、それの隅から隅までを愛している。歌詞が宗教的だいう人もいるけど、そう思って聴けば(例えばジョージがインド思想に傾倒してたことを知っていれば)そう聴こえるかもしれないし、別の気持ちで聴けば(例えばジョージがインド思想に傾倒してたことを知らなければ)また違うように聴こえるかもしれない。そこがこのアルバムの懐の深さでもある。
それにしても『Living in the Material World』が手元に増えていくな(これで4枚目)。なんでこればっかり増えるんだろ。縁があるのかな。
ブックレットに、当時のチャート誌がいくつか載ってた。例えば、1位から順にジョージ『Living in the Material World』、ポール・サイモン『There Goes Rhymin' Simon』、 ポール『Red Rose Speedway』、ピンク・フロイド『The Dark Side of the Moon』、カーペンターズ『Now&Then』、キャロル・キング『Fantasy』…。うーん、どれも大好きなアルバムだ。もし僕がこの頃に10代だったら、「MIYAIはヒットしてるものが好きなんだね」とか「ほんとミーハーだよなぁ」とか言われてたのかな?なんか不思議だ。
さて、ジョージのDVDを観るとするかな。で、もう1本だけビール飲もうかな。もう1本だけね…。