Box of Days

~日々の雑念をつらつらと綴るもの也~ by MIYAI

Jim Rooney『One Day at a Time』

2004年04月06日 | old diary
 宮部みゆき「震える岩」読了。生まれながらにして不思議な力をもつ娘・お初の活躍を描く捕物帳。宮部みゆきの作品はとりたてて感動的であったり心の深い部分に訴えかけてくる種類のものではないが、文章はとても上手だと思うし、話そのものがどれも面白いので、手を出すと一気に読み切ってしまう。今日はこれから「天狗風」を読む。今日は天気もいいし、これになにか食べ物や飲み物をバッグにつめて海にでも行くかな。そういえば、歩いてすぐの神社じゃ桜が満開だから、その下で読むのも悪くないよな。

 そう、今日はお休みなのだ。天気のいい日の休日はそれだけ価値があると思う。

 『One Day at a Time』…といってもレノンの曲ではなく、ジム・ルーニーのアルバム名。こんな気持ちのいい日には、これをターン・テーブルにのせてみたくなる。明るくオールド・タイミィなカントリー・ロックと言っていいのかな?いや、もうちょっと田舎くさいな。後期バーズや初期イーグルスなどの洗練された音に比べると、いささか方言的というか、住んでいる場所の地域性が強く感じられる音楽だと思う。

 おおよそ飾ったところのないアルバムで、音の方はもちろんのこと、ジャケットも湖の畔でビールかなにかを飲んでいるところをパチリと撮ったようなもの。果たして売る気なんてあったのか?ただただ好きな音楽を楽しんでいるような雰囲気なのだけど、それでいて歌と演奏は抜群に上手いのだ。これはもう信じられないくらいのレベル。「こんなに上手ければもっと成功してもいいようなものの…」と思ってみたりもするが、それはきっと間違った考えなのだろう。都会に出て名を売ってビッグになる人もいれば、それ以上の実力を持ちながら田舎で好きな音楽をやって暮らす人もいる。つまりはそういうことなのだと思う。

 このアルバムが作られたのは1975年。イーグルス『Hotel California』の前年であり、スプリングスティーンが『Born to Run』を発表し、ジョンが隠遁生活に入った年である。そうした「目につく」流れとはまったく別のところで、このようなリラックスした生活感のある音楽が奏でられていたあたりに、僕はアメリカ音楽の奥深さを感じてしまうのです。