Box of Days

~日々の雑念をつらつらと綴るもの也~ by MIYAI

兄貴からのもらいもの

2004年04月13日 | old diary
 昨日も本を1冊読了。ちょっと長めの小説。とても面白かった。今日はまた2冊ほど貸してもらえる予定。読書ウィークはもう少しつづきそう。

 僕が持っているビートルズのレコード(オリジナル・アルバムと一部の編集盤)は、元々は兄貴が買ったものだ。僕には2つ上の兄貴がいて、彼もまたいっときビートルズを熱心に聴いた時期があった。僕が中1で兄貴が中3のときのことだ。兄貴は割と熱しやすいところがあり、塾の帰りにそれこそ毎週のようにビートルズのレコードを買って帰ってきた。あまりに頻繁に買うものだから友人に訝しがられて、「いや、弟に頼まれたんだよ」とつい嘘をついてしまい、僕に口裏合わせを頼んできたこともある。

 そして、僕はそんな兄貴のレコードをカセットテープに録音させてもらっていた。無料ではない。金を払ってである。自分は小遣いはたいて買っているのだからそれくらいは当然だ、というのが兄貴の言い分だった。1枚の録音料は確か200円くらいだったと思う。最初に金を請求されたときはさすがにおかしいと思ったが、まぁレンタルするよりは安いし、わざわざ返しにいかなくても済むので、僕は兄貴に金を払うことにした。

 そんなわけで、僕がはやい段階でビートルズのすべての曲をアルバム単位で聴くことができたのは、兄貴のおかげということになる。まぁ、ちょっとおかしいような気はするのだけど。

 それから1年ほどしてのこと。高校生になった兄貴は、バンドを組んでフュージョンみたいなツルンとした音楽を好むようになった。僕は相変わらずビートルズを聴いていた。そんなある日のこと、実に不可解なことに僕は数学の成績で5を取った。5をもらったのなんて後にも先にこのときだけである。それほどテストの点数がよかったとも思えないし、これはなにかの間違いだろうと真剣に思った。お袋に見せると、やはり首を傾げている(正直なのだ)。そこに兄貴が帰ってきた。兄貴はこのことを知るや、「ほぉ、数学での5は俺でも取ったことないぞ」とちょっと偉そうな言い方で僕を誉めた。そして、なにを思ったのかビートルズのレコードを全部僕にくれたのである。僕は5を取ったよりもずっとずっとびっくりした。びっくりし過ぎて、その夜は食事がうまく喉を通らなかったほどだった。

 それらのレコードは今も大切に聴いている。兄貴がどうして僕にくれたのかは、今だに理由がわからないけれど。