Box of Days

~日々の雑念をつらつらと綴るもの也~ by MIYAI

僕らは渋谷から電車に乗って津田沼へと向かった

2006年04月28日 | diary
 昨日は映画『トム・ダウド/いとしのレイラをミックスした男』を観た。上映館であるUPLINK Xは、変なところで、狭い空間に椅子が並べてあるのだけど、その椅子がひとつひとつ違ってたりする。おっきかったりちいさかったり…。それがなんらかの美意識によるものなのかどうかはよくわからないけど、僕には、ただある椅子をてきとう並べたように見えた。ざっくばらんな感じで、ちょっと気に入ったりもした。

 で、トム・ダウドなんだけど、今さら言うまでもないことだし、とっくわかってたこととはいえ、僕がこれまで愛し、影響を受け、僕の人生にたくさんの微笑みを与えてくれたレコードの、実に多くをトムが手掛けていることに、ただただ感嘆の息をつくばかりだった。ジャズ、ブルース、ソウル、ロック…、トムが関わり、作り出してきたレコードは、どのジャンルにおいても歴史的な意味をもっている。チャーリー・パーカー、ディジー・ガレスピー、チャールズ・ミンガス、レイ・チャールズ、ルーファス・トーマス、オーティス・レディング、アレサ・フランクリン、 エリック・クラプトン、オールマン・ブラザーズ・バンド…などなど。彼らの音楽なしに、僕は僕自身を語ることができないし、これまで僕の身に起きた様々な出来事や感情を説明することはできない。そうした音楽を作ったのがトム・ダウドであり、僕にとっては、つまりそういうことなのだと思う。

 とにかく、流れる音楽に興奮し、語られる事実に「はぁ~」と溜息をついてるうちに、90分は過ぎていってしまった。

 ぼけっとした頭のまんま渋谷の街を歩いていると、大学時代の先輩にばったり会う。そのまま2人で友達がやってる津田沼のレコショップへ。レコショップ夫人も加わり、4人で居酒屋へ。あーだこーだと音楽の話に盛り上がりつつ、結局、終電まで飲んでた。

 先輩の強い薦めで、5月にS&Gのコピー・バンド(デュオ?)を観に行くことになった。クサイモン&ガーファンクル…違ったかな???クサイモンニハフタヲスル…違うか?あら?まぁ、いいや。そんな人達。先輩曰く、「まじもんで上手い。MIYAIが聴いたら泣くね」とのこと。実はかなり半信半疑なんだけど、まぁ、その先輩は僕の音楽の先生みたいな人だし、その人がそこまで言うなら観に行ってみようかなと。

俺の心はトタンの屋根

2006年04月27日 | diary
 瓦(かわら)ない かわらない

 昨日、映画『寝ずの番』を観てきた。すげー面白かった。とにかく悪ノリというか、バチ当たりというか、やってることがいちいちくだらないんだけど、そのくせうまいなぁと思わされたし、じんわりさせられもした。 R-15指定になってて、別にそんなことする必要ないとも思うのだが、でも確かにテレビじゃまず放送されないだろうな。もし観るなら、映画館に行くしかない(レンタルするとか、DVD買うとかもできるだろうけど)。

 それにしても、客の年齢層は異様に高かった。おじじとおばばが楽しそうに笑ってる図。微笑ましい。ああいうくだらなさをおおらかに笑えるのは、きっと、いいことなんだと思う。そんな彼らに囲まれて、僕も一緒に笑わせていただいたのだった。

 おれのこころはとたんのやね かわらない かわらない…と、富司純子は歌った。

 忘れようとするのは大変なことだ。忘れようとすればするほど、忘れられない。この前読んだ小説にそんなことが書いてあったのを思い出した。でも、忘れないと前にすすめないこともある。

 って、そんなこと考えて観るような映画じゃ全然ないんだけどね。ただふと、そんなことを思ったりもしたよ。ほんのちょっとだけ。

 かわらない かわらない…。

青空の『Live at Leeds』

2006年04月26日 | diary
 本国では無事発売された(はずである)スプリングスティーンの新作『We Shall Over Come : The Seeger Sessons』。ネット上で“Oh, Mary,Don't You Weep”のライヴ映像を観た。今行われている公開リハによれば、この曲がツアーのオープニングを飾りそうなんだけど、いやいや、かっこいいですねー。どきどきした。CDで聴いたときよりも、DVDで観たときよりも、このライヴ映像の方がずっといい。音のひとつひとつが生き生きとしてて、勢いがあって、生気に溢れている。これ、生で観たらすごいだろうなぁ。どうにか日本に来てくれないものか?うーんと、どうなのか…。

 今朝はThe Who『Live at Leeds』のアナログ盤を、それはそれはひっさしぶりに引っ張り出して、ターン・テーブルへ。ふむ、長尺なCDに慣れてしまうと、さすがに短いな。あっという間に終わってしまった感がある。レコードからCDになって、収録曲が増えて長くなったライヴ・アルバムっていっぱいあるけど、これはその代表格でしょう。っつーか、いろいろなパターンで出過ぎ。

 そんなに思い入れがあるわけじゃないんだけど、聴けばやっぱりかっこいい。朝から無駄にエキサイト。B面の方が燃えるよね…って、今さらそんな話されても困るだろうけど。

 青空の下、大音量で聴いてみたい『Live at Leeds』。やったことないし、これからもなかなかチャンスなさそうだけど、きっと気持ちいいと思う。

月曜日の次が火曜日であるように

2006年04月25日 | diary
 ひきつづきジャム。今朝は『All Mod Cons』。これまた名盤。

 今の部屋に引越してきて、念願だったレコード棚を買った。アーティスト名のアルファベット順で並べてあるのだけど、そうなるとジャムは、ジャクソン・ブラウンとジェイムス・テイラーにはさまれることになった。文句はないけど、違和感がなくもない。でも、こんなのは序の口の序で、すごいあたりだと、オリビア・ニュートン・ジョンとオジー・オズボーンが隣り合わせだったり(1枚づつしかないけど)、レインボーのすぐ近くにランディ・ニューマンがいたり。こういうのを見つけると、わざとらしくずっこけてみたりする。「おいおい、全然違うだろー」と指差して言ってやりたくもなる。

 まぁ、どうでもいいんだけどね。ほんとね。

 今年のGWは9連休だそうで。数日前にそう言われた。嬉しいけど、もっとはやく言ってくれれば、もっと嬉しかった。多分、どこにも行かず、地元でぼんやり過ごすと思う。幸いここ湘南でも、面白そうなイベントはいくつかあるみたいだし、BBQの計画をしてる面々もいるようだし、きっと友達も何人かは遊びにきてくれると思うし(と期待)、退屈はしないで済みそう。

 日曜日の夜、両親が野暮用でやって来た。その際、タコ飯を作ったのだと持ってきてくれたので、3人で食べた。外食よりもこういう方がいいなぁと、すっかり外食生活に陥っている今の僕は思ったりした。そういや、昔はせっせと自炊してたっけ。たまには誰かのために料理なんぞを作るのも、案外楽しいかもしれない。

 お袋に『ダ・ヴィンチ・コード』を持ってきてもらう。「面白かった?」と訊くと、お袋はすごく面白かったと言った。親父は今ひとつだったみたい。僕はどうだろうと、昨日から読み出したのだけど、寝っころがって読んでたら、知らずうちに寝ていた。ふむ…、今夜は座って読むとしよう。

 観たい映画がいくつかあるので、時間を作って足を運ぶつもり。特に『トム・ダウド/いとしのレイラをミックスした男』は、上映が終わってしまう前に行かなくてはならない。仕事帰りにひっそりと行くのが、なんとなくふさわしい気がしている。

 こんな風にして、時間だけはしっかりと過ぎていってるし、これからも過ぎていきそうなのだった。月曜日の次がいつだって火曜日であるように。

Thick As Thieves

2006年04月24日 | diary
 シャキッ!としたくて、ジャムの『Setting Sons』を聴く朝。ポール・ウェラー、やっぱりかっこいい。

 先日、地元のバーで飲んでたときのこと。マスターがブリティッシュ・ビートやノーザン・ソウルのシングル盤をいっぱい持ってきてたんで、見せてもらう。7割くらい知らないアーティストだった中で、「これいいでしょ」と渡されたのが、ハイ・ナンバーズ(改名する前のThe Who)の“I'm the Face”。おーいいなぁ。白黒のジャケがかっこいい。さっそくターン・テーブルにのっけて、みんなで聴く。他にもスモール・フェイセスとかキンクスとか、まぁ名の知れたあたりを。

 「江ノ島の海岸でブライトン・ビーチの再現とかやってみたいよね」とマスター。言わずと知れた、モッズとロッカーズの歴史的喧嘩のことを言っている。「そしたら、どっちにつくんですか?」と訊くと、「そりゃモッズだよ」とのお答え。うーん、僕はどっちにつこうかな。モッズもロッカーズも好きなんだよな。

 まぁいいや。ありっこないんだし。

 “Thick As Thieves”が好きだ。ポール・ウェラーが10代特有の激しい友情を歌っている。

 俺たちの間を邪魔する奴はいなかった
 この世界で隠し事なんてなにもなかった
 最高の仲間でいつも一緒だった
 でも、わかり合ってるつもりが、ちょっと行き違ってしまった
 俺たちは自分達を結びつけてた友情を利用してしまったんだ

 こうして2人の友情はあっけなく終わりを迎える。純粋なゆえに強く共鳴し合うが、純粋なゆえにガラスのように砕けてしまう。そんな経験を僕もしたことがある。遠い遠い昔のことだけど。その後も僕らは友達だったけど、もう親しい間柄ではなかった。

 このアルバム、最後に“Heat Wave”のカヴァーが入ってるんだけど、エンディングとして大変よろしいと思う。なんだか、最高に楽しかった夏休みの想い出みたいで。あっという間に過ぎ去ったはずなのに、いつまでも残りつづけてることってある。ちょうど、僕がその友人のことを忘れられないように。きっと彼も、僕のことをまだ覚えていると思うのだけど、どうだろね?

海と富士山とドーナツと…

2006年04月23日 | diary
 なかなか激しい1週間が終わり、穏やかな週末を迎えている。特に用事もないので、のんびりしてるとこ。っつーか、暇な週末が最近増えてきてるような。これってけっこう…

 やばくね?

 まぁ、いいや。考えてもしょうがないし、ほっとこ。

 大阪への行き帰り、新幹線の中で岡嶋二人の『99%の誘拐』を読んだ。パソコン通信やらなんやら、使われているツールが既に古くなってしまってはいたけど、一気に読ませる面白さがあった。よくこんな話を思いつくなぁと感心してしまうよ…と軽くお薦め。で、今は吉田修一の『日曜日たち』を読んでるとこ。日曜日に読む『日曜日たち』。よろしいかと。吉田修一は、僕よりひとつ年上の作家で、彼の作品を読むのは初めて。どうして選んだかというと、自分と同じ世代の作家がどんな小説を書いているのか知りたかったから。言い換えれば、同世代なら誰でもよかったし、別に『日曜日たち』じゃなくてもよかったんだけど、まぁたまたま。

 まだ半分しか読んでないのだけど、今の時代に小説を書くと、それがどんなストーリーであれ、閉塞感や不安から逃れることってできないのかなぁと思った。そうしたものってずっと以前から存在しているとは思うのだけど、いったいいつの頃から、ここまで「得体の知れない」ものになっちゃったんだろ?こういうのって、時代の空気というか、意識してなくても自然と出ちゃうんだろうなぁ。僕はもっとすっきりした小説が読みたいんだけどね。

 自転車で海へ。うっすらと見える富士山。いつも通りの風景にほっとする。ドーナツを2つ食べた。うまかった。

Bruce on the Road

2006年04月22日 | diary
 新作の発売とツアーのスタートが間近に迫っているブルース・スプリングスティーン。先日、地元アズベリー・パークにて、お客さんを入れてのリハーサル・ショーが行われた。この後、数回のリハーサル・ショーを行い、今月下旬ニューオーリンズ・ジャズ・フェスティバルに出演。そして、5月にはヨーロッパへ渡り、本格的なツアーをスタートさせる。5月下旬に帰国し、そのまま6月いっぱいまでアメリカ各地をまわる予定。

 「あなたは音楽が好きですか?ブルース・スプリングスティーンが好きですか?もしそうならこのショーを大いに楽しめることでしょう」とは、リハーサル・ショーを観たレポーターの言葉。きっと、その通りなのだろう。今回、スプリングスティーンが演っている音楽は、そういう種類のものだと僕も思う。より根源的で、取り繕ったところのない音楽だ。その多くの部分は、CDに録音した時点で消えてしまう。うまく言えないけど、実際に生の演奏を聴いて、演奏している人を目で観て…、そういう方法でしか伝えることのできない(伝えることが非常に難しい)音楽というのはある。しかし、昔はみんなそうしてた。ウディ・ガスリーもレッドベリーもピート・シーガーも。そうやって、いい歌は歌い継がれていった。乱暴な言い方をするなら、それこそが本物の音楽であり、音楽の本来の姿だと思う(乱暴な言い方だけど)。ディランが長い旅をつづけている意味もそうした部分にあると、僕は思っている。

 で、スプリングスティーンも、きっとそういうことをしたいのだと思う。ただ、それは簡単なことじゃない。とても長い時間がかかることであって、すぐにできることではない。しかし、ブルース・スプリングスティーンが稀代のライヴ・パフォーマーであることを僕らは知っている。他の誰がやってもうまくいかないであろうことを、スプリングスティーンなら成し得てしまうのかもしれない。少なくとも、スプリングスティーンは、音楽的にも人間的にも、こうした音楽をやる資質を備えているように思える。

 ディランのようにはできないだろう。そこまでいくためには、スプリングスティーンもまた、自分の人生を大きく変える必要があると思う。しかし、ブルース・スプリングスティーンはライヴ・パフォーマンスの天才だ。音楽を血肉化しリアルなものとして人に伝えることにかけては、誰もかなわないくらいのズバ抜けた才能をもっている。

 だから、僕はわくわくしている。バンドが演奏をはじめれば、スプリングスティーンならではの光輝くような個性が、ステージの上から溢れ出てくると思うから。きっと、観客は声を上げて騒ぐと思う。手を叩いて、足を鳴らして、踊り出すと思う。会場が笑顔でいっぱいになる。そんな光景を、僕は、たやすく想像することができる。

 あー観に行きたいなぁ。最高に楽しいツアーになるかもしれないよ。まいったね。

Osaka

2006年04月19日 | diary
 今日はこれから大阪へ出張。今夜、茶屋町のタワーレコードでインストア・イベントがあるので、そのついでに大阪周辺のショップをあちこちまわろうというもの。これまで電話でしか話したことのないお店の人達と会えるのは、けっこう楽しみだったりする。そういや、去年の今頃は九州へ行ったんだっけ。あのときもいろんな人と知り合えて楽しかった。

 大阪に行くのは、2002年のポール以来。今まで町をゆっくり歩いたことがないので、もしよさげなお店などあったら入ってみよう。中古レコ屋とか飲み屋とか、あといいライヴとかもあれば…少しくらい調べとけばよかったな。梅田・心斎橋・難波の周辺しか行けないんだけど、どっか面白いとこってありますか?

 では、行ってきます。明日には帰ってきます。留守番よろしく。

Hampton

2006年04月18日 | diary
 ご厚意でいただいたストーンズのブートDVD『Live at Hampton Coliseum 1981』を観た。ステージにあがってきたファンを、キースがギターで殴りつける映像で有名なあのハンプトン公演。キースの38歳の誕生日で、ミックがキースのためにハッピー・バースデイを歌ったあのハンプトン公演…でございます。

 いやもう、これはブートである必要がないくらいの作品だと思う。だってこんなクリアの映像で、最高の音質で、この頃のストーンズのステージを一切編集なしでそのまんまフルで観れるのだから。しかも、演奏のクォリティだって申し分ないんだから。

 おそらくこれは当時テレビで放送された映像だと思う。とにかく不健康なイメージだった70年代とはうって変わって、ミックもキースもとにかく元気なのは映画『Let's Spend the Night Together』でもお馴染みだけど、こちらは映画よりもキースのショットが多いのが嬉しい。音もすごく良くて、キースとロニーのギターがきちんと左右に分かれて聴こえてくる。この2本のギターのルーズな絡み具合がストーンズなんだよなぁと、今さらなことを改めて痛感してしまう。『Love You Love』の頃から既にかなりザクザクだったキースのギターは、さらにそのザックリ感を増していて、それは鋭利な刃物のようでもあり、鈍器で殴られるようでもあり、なんていうかな、すごく「凶暴」だった。体の動きもキレまくりで、完全に戦闘体制に入ってるというか、スタンバイOKというか、超攻撃的で、たまらなくかっこいい。で、この人なら、ステージにあがってきたファンを躊躇なくギターで殴りつけるのも納得できるというか、まぁやりかねないよなぁと思ってしまう(実際、やったんだけど)。なんでも、このときキースに殴られた人のインタビュー映像なんてのもどっかにあるそうで、その人は鼻血かなんかを流しながらそのときのことを話しているんだとか。ちょっと観てみたいね。

 80年代となり、時代の変化もあったし、ストーンズもまた確実に新しい章へと突入していった。しかし、この後の8年間、バンドは波乱の時期に迎えることになる。でも、こうして振り返ってみると、今のストーンズのライヴに、このときのツアーのエッセンスは色濃く残っていると感じる。ロックが70年代に比べて格段に一般的なものとなり、ストーンズはロックン・ロールというイメージを象徴する存在して認知されるようになっていった。その結果、必然的に彼らはロック・ファンだけでなく、より一般的な観客も相手にしていくことになった。本人達の意識がどこまであったかはわからないけど、ミックやキースの派手なステージ・アクションはそういう変化に対応していたと思うし、それはそのまま、今の時代の彼らへとつながっているような気がする。

 僕は、そういう変化を受け止めていくのって、すごくしんどいことだと思う。きっと、ストーンズにとっても難しいものがあったと思う。でも、彼らは、(それまでもずっとそうしてきたように)あらゆるものを飲み込んで、前に進んでいったのだ。そんなバンド、他をどこさがしたっていない。ストーンズしかいない。そのことを思うたび、僕は言葉を失ったような気持ちになる。

 それにしても、キースかっこよかったなぁ。手足が長くてね。

Ian and Janet

2006年04月17日 | diary
 昨日は長い1日だった。でも、とても親切な人達と一緒で楽しかったし、ライヴはそれは素晴らしいものだった。ほんとたくさんの人に観てほしいと思うくらいに。

 イアン・ウィットカムは、ジョージも彼の大ファンだったという人。ショーマン・シップに溢れていて、コメディアンで、繊細な感性があり、いかにも古き良き時代のイギリス人という気品を備えた人。

 MIYAI:「ジョージ・ハリスンがあなたの大ファンだったそうですね」
 イアン:「うん。彼は僕のレコードをコレクションしてたみたいだね」
 MIYAI:「会ったことはあるの?」
 イアン:「いや、ないよ」
 MIYAI:「きっと彼はあなたに会いたかったと思いますよ」
 イアン:「そうかもね。彼は僕のレコードをコレクションしてたみたいだから」

 イアンのステージは、とてもスタイリッシュで、楽しくて、ウィットに富んでいた。ジョージが彼に憧れるのも良くわかる。そんな人だった。インストア・イベントも夜のライヴもほんとに大盛況だった。

 そんなイアンがバンドの一員としてずっとサポートしてるのが、ジャネット・クライン。事の成り行きで、昨日は彼女と(彼女の旦那さんと)ずっと一緒だった。渋谷でインストア・イベントをやって、中華料理屋で遅い昼食をとって、目黒の庭園美術館を散歩して、お茶を飲んで、イアンのライヴを観て(数曲飛び入りも)、それから居酒屋で乾杯して、終電で鎌倉まで帰ってきた。

 最後は彼女もとても疲れていて、可哀想だったけど、優しい人でずっと僕のことを気づかってくれた。そしてなにより、イアンとジャネットのステージはほんと楽しいものだった。ほんとたくさんの人に観てほしいと思うくらいに。 2人には人を幸せにする力があると思う。

 これから日本でのツアーがスタートするけど、いいものになってくれたらいいなと心から願っている。