Box of Days

~日々の雑念をつらつらと綴るもの也~ by MIYAI

ジャクソン・ブラウンと彼のファン

2004年04月23日 | old diary
 ジャクソン・ブラウンは、なんて誠実な人なのだろう。真摯な心そのままの歌声はあまりにまっすぐで、ときとして僕をうろたえさせる。

 ライヴの詳しい内容は「Other Artists」に書きたいと思うけど、いやいや、よかったでっす。一時期でも彼の歌に心を震わせた経験のある人は、ぜひ会場に足を運んでみてくださいませ。沁みます。

 終演後、歩いていたらホールの裏口に出たので、しばし待ってみることに。全部で20人くらいいたかな。ジャクソンは出てくると、用意された車を素通りしてファンのところまで来てくれた。「サインはできないけど、せめて挨拶をさせてくれないかな。今日はほんとにどうもありがとう」。そう言って、彼はそこにいる全員と握手をした。知ってる顔を見つければ、「やぁ、元気だった?楽しんでくれたかな?」と優しい声をかけることも忘れない。無理にサインをもらおうとしたり、写真を撮ってるファンがひとりもいないのも印象的だった。

 ファンがジャクソン・ブラウンの音楽に出逢えて幸せなように、ジャクソンもまたファンに恵まれた人だと思う。彼には自分の作った歌を真剣に聴き、理解しようとしてくれるファンがいつの時代にも必ずいる。それはジャクソン・ブラウンの音楽が、いつだってパーソナルな形で聴き手である彼らの心に届くからだろうし、だからこそファンは彼のそばから離れようとはしないのだと思う。なんかスプリングスティーンとちょっと似てるな。そんな信頼するに足るファンをもてたジャクソン・ブラウンは、きっと幸せなミュージシャンなのだろう。

 オーチャード・ホールには空席もあった。欧米ではどうかわからないが、かつてのように巨大なアリーナが観客で埋まることはもうないのかもしれない。でもね、それでもいいんじゃないかな。客がたくさんいればいいってもんじゃない。昨日のステージを観ていて、僕はそんな気持ちにさせられた。