やっと部屋の掃除が終わった。まだやってたのかよって感じですけどね。ほんとにね。
しかし、時間とともに物は増えるもんだと改めて思った。そのときはなんとなく捨てきれなかったものや、いつか役に立つだろうと残しておいたものが、なんの役にもたたないままゴミ化していく。この部屋に移り住んではや7年と半分。そこそこ質素に暮らしてきたと思う(一時は大変質素だった)。しかし、たいした買い物をしてなくても、無駄なものってのは、リッチやプアーに関係なく積もっていくものなのですね。押入れやベッドの下をさらえば、まだいくらでも出てくるだろうな。
あー、めんどくせ。引越しのときまで、ほっとこ。
買い物から帰ってきてぼんやりしているところに電話が鳴った。大学時代の先輩からで、子供を連れて海に来てるという。この人は僕が素直に言う事を聞くことのできる数少ない人のひとりで、いつもかっこいいなぁと思っている。自転車に乗って会いにいった。ボードウォークに座って海を眺めながら、ビールを飲む。天気のせいか、浜辺はこの時期にしては人が少なかったし、静かだった。
先輩の子供は幼稚園の年長さんで、来年には小学校だというから驚いた。1年前には双子の女の子も生まれている。昔となにも変わってないようでいて、確実になにかが変わっていってるのが、こうして話してみるとよくわかるものだ。30代前半まではフットワーク軽く遊んでいた僕らも、最近では会う機会が減ってきている。
MIYAI:「はやいもんですね」
先輩:「まぁな」
MIYAI:「サザンの茅ヶ崎ライヴとかも、もう5年くらいたつのかな?」
先輩:「それくらいになるんじゃないか」
MIYAI:「みんなべろべろでしたね」
先輩:「はっはっはっは」
サザン・オール・スターズが茅ヶ崎球場でライヴをやったとき、僕らは仲間数名と砂浜に設置されたスクリーンで夏の夜のライヴを楽しんだ。なにかがはじけて、ぱぁーっとまわりが明るくなるような、そんな楽しい時間だった。桑田がアコースティック・ギターで“Seaside Woman Blues”を歌っていた。
愛という字は真心で 恋という字は下心
江ノ島に灯りが灯る頃 色づくは片瀬川
あのとき僕らはなんであんなにへべれけに酔っぱらったのだろう?思い出すのに5年という時間は、ちょっと長過ぎるような気がする。