大学受験時、社会は「政治・経済」を選択していました。市販の参考書や問題集では飽き足らず、専門書まで読み漁り、全国模試の偏差値は80を超え、全国1位や2位になることもしばしばでした。それほどまでに夢中になっていたのは、勉強すればするほど世の中の動きが分かるようになる「政治・経済」という科目の魅力に憑りつかれていたからでしょう。
「政治・経済」では時事問題が必出だったので、世界情勢には特に敏感になり、新聞を読むことが日課になりました。重要と思われることは京大式カードにまとめて暗記に努める日々でしたが、ソ連を中心とした共産圏が崩壊に向かっていた当時(1990年前後)は、歴史が動くのを肌で感じることができました。
その中で、あの共産大国・ソ連を崩壊へと向かわせたゴルバチョフは、私にとっては別格の存在でした。ペレストロイカ、グラスノスチ、INF(中距離核戦力)全廃条約、マルタ会談、冷戦終結・・・。模試や入試で解答欄に何回書いたことでしょう。大学のゼミの面接で「尊敬する人物は?」と聞かれ、「M・S・ゴルバチョフ」と間髪入れずに答え、ソ連崩壊後のロシアとCIS(独立国家共同体)は、訪れてみたい国となりました。
INF全廃条約に署名するゴルバチョフとレーガン(1987年12月)
そのゴルバチョフ氏が91歳で亡くなったというニュースが先ほど飛び込んできました。ロシアの一つの時代が終わったような気がします。そして、その国は今、戦争を行っている。果たして、ゴルバチョフ氏は今のロシアに何を思い、この世を旅立っていったのか。