OT園通園日記

車椅子生活の母を老人ホームへ訪ねる日々。でもそればかりではいられない!日常のあれこれを書いています。

布バッグ第2弾

2005年11月11日 | Weblog
先日作った布バッグは友達が気に入って、大喜びで持って帰ってしまった。
あとの2人もそれぞれ自分のバッグを完成させた。
最後に残ったのは、あれこれ手伝っていた私だけ。

で、今日は完成させてしまおうと、がんばって刺繍を仕上げ、バッグに仕立てた。
図案もすっかり変えて(私は根気がないので、同じものを2つ作るのはとても苦手!)、秋草の風情を表現した(つもり)。
赤や黒など数種類のビーズも使って、最初のものより繊細な感じの仕上がりになった。
満足、満足。

次は友人が一緒に作ろうと提案してくれたマフラーに取りかかる。
編み物は10年ぶりくらいで、あまり得意ではないので、苦戦しそう。
でも、一人で編むのとは違って、相談したり、アドバイスをもらえる仲間がいると思うと気が軽くなる。
あせらずに、じっくりと取り組んでみようと思う。

高校時代の仲間4人で、定期的に集まりを持っては、何か作って楽しんでいる。
次はスカート、その次は木綿のホームウェアーなどと夢がふくらんで、来年の春くらいまでは手仕事に忙しく過ごせそう。
無理せず、長く楽しい集まりが持てるといいね!

おいしいおそば

2005年11月09日 | Weblog
姫路のSさんからおそばを送って頂いた。
飛騨高山に旅行に行かれた時においしかったので…とのこと。
いつも母のことを気にかけてくださってとてもありがたい。

さっそく 昼ご飯の代わりに食べさせたいと、茹でて持参した。
その他に、薬味のネギやとろろなども持って行く。
デザートは洋梨。

母はちょうどリハビリから帰ったところで、とてもにこやかに迎えてくれた。
「病院から帰ったら、あなたがお昼ご飯を持ってくるって聞いたから、楽しみに待ってたのよ~!」

早速部屋でお食事。
母は私が持参したおそばを「おいしい、おいしい」と感激しながら食べ、私はOT園の昼食のマーボー茄子やサラダをいただく。
残して返すのはもったいないものね。
初めて食べたOT園のお菜は、辛み(ひりひり辛いのはお年寄りには無理よね!)は足りないもののしっかり味が付いていてなかなかおいしかった。
入れ物が給食ふうで、量が少なめであることを除けば、まあ、定食屋さん出だしてもOKかな?

母は持参した(ちょっと多めかなと思うくらいの量の)おそばをきれいに平らげた。
「思いがけないいいことがあると、ほんとにうれしいわ~。」
「ここではおそばなんてあんまりでないから、ほんとにおいしかった!!」
いつもお菓子や果物類を持ってきているけれど、たまにはおそばやお好み焼きなどもいいんだなあと再認識。

お天気がいいので、食後はお散歩に出かける。
車椅子を押して廊下を通ると、「お昼どうして食べに来なかったの?」と尋ねてくださるおばあちゃまや「こっちでおしゃべりしよう!」と誘いに来て下さるおじいちゃま。
エレベーターの中に張ってある行事のお知らせをみて、「次はワンちゃん来園ね、早く会いたいワ」などとも言う。
母がそれなりにOT園での生活になじんでいることがわかり、何となくホッとした。

トイレで用を足すことについて

2005年11月08日 | Weblog
ちょうど母が部屋のトイレで用を足すところに行き合わせた。
前から、「トイレが使えるようになった!」と報告は受けていたのだが、実際に目にするのは初めて。
下の話で恐縮だけれど、実生活の上ではとても重大な事項なので書いておこうと思う。

ナースコールで母が尿意を告げると、介護士さんがすぐに跳んで来てくれた。
まず、車椅子を便器の近くに移動。
手すりに掴まらせて、立ち上がるように促すが、うまくいかないので介助して立ち上がらせる。
立ち上がった状態でズボンを下ろし、おむつをはずす。
その後自力でゆっくりと向きを変え、便器に腰を下ろさせる。

便器に座った状態で、母と介護士さんはなごやかにおしゃべり。
なぜかこの時は「徒然草」の話で、介護士のEさんは「僕は文学青年なんですよ」と言い、「つれづれなるままに日暮らし…」という書き出しの一節をすらすらと暗唱して見せた。
その間にも彼の手は母の下腹を押して膀胱を刺激するなどの作業を進めている。
作業内容と無関係のおしゃべりは、母に余計な気遣いをさせないようにしているのだろうか。
Eさんのさりげない思いやりを感じて、嬉しかった。

無事に用を足すと、母自身が紙で始末。
その後、暖かいタオルでEさんがきれいに拭いて下さった。
また、立ち上がるのに手を借り、立ったままの状態でおむつを付け、ズボンを上げる。
この間、約5分ほど。
必要な指示を出しながらも、おしゃべりは続いていて、にこやかに作業は終了した。

母によれば、「便器が固くて座り心地が悪い」、「男の人に手伝ってもらって、見られたままで用を足すのはちょっとねぇ」とのことだが、それでもかなりの達成感はあるようで、「一仕事終えて気持ちがいいわ」とも言う。
「おむつが濡れるのと比べれば、百倍もいい」とも。

今まで普通にできていたことが、こんなにも手がかかる。
本人にもずいぶん負担になっていることだろう。
ただ、「できる!」と自信を付ける事柄がいろいろ増えているのはとても喜ばしいことだと思う。

パンジー

2005年11月06日 | Weblog
ベランダの花がみすぼらしくなってしまった。
もうすっかり空気が冷たくなって、春に植えた花は終わり。
遅ればせながら、ポットの花の入れ替えをする。
わがやの冬の定番はパンジー。
夫と一緒に園芸店に行く。

去年の今頃は、毎日毎日、片道1時間以上のドライブをして母のいる病院に通っていた。
他に何をする余裕もなく、気力もなく、まあ最低の家事をこなすのが精一杯だった。
スーパーの店先でパンジーを見かけても、植え替える手間がめんどうで、「今年は仕方がない。」とあきらめていた。

ところが、ある朝何となく外を見ると、パンジーの花が植えられている。
夫に尋ねたところ、「いつも植えているし、好きなんでしょ。」という返事。
嬉しかった。
夫婦なんて長くやっていると「亭主元気で留守が…」なんていう気分の方が上回ってくる。
でも、あの時は夫のさりげない思いやりが感じられて、ああこの人と夫婦でよかったって心から感じることができた。
小さいことが心を繋ぐために大事なのだと実感。

さて、今年のパンジーも無事に植え替えが終わり、ついでに買ってきたスイトピーとリナリア(姫金魚草)の種も播いて、ベランダはすっかり秋の色。
外では、緑地の木々が少しずつ色づいて、景色が暖色になってきた。



手を洗う

2005年11月05日 | Weblog
OT園から帰宅し、洗面所に飛び込んで手を洗う。
ていねいに石けんを泡立て、いつもより念入りに。

手を洗いながら、ポンティオ・ピラトさんのことを思い浮かべる。
彼は群衆の前で手を洗った。
2000年ほど前のこと。
キリストの処刑の決定が自分とは関係ないことを示すために。

夕方訪ねた母はしつこく「明日は家に帰れるのよね。」と繰り返した。
なんとか話題をそらせたいと試みるのだが、なかなか成功しない。
「明日の朝、ご飯を食べたらすぐタクシーに乗るわ」
「お金は事務所に預けてあるのよね」
「ここの荷物は宅急便で送ってもらえるのよね」etc.
一通りの念押しが終わると「安心したわ!」とにっこりし、また初めから同じ問答を繰り返す。

以前は「まだ帰れないでしょう」とか、「帰っても、一人で何にもできなくてこまるでしょ」などと本当のことを告げて母を怒らせたり、悲しませたりしたこともあった。
でも、今は母の言葉に逆らわず、「明日ね」「大丈夫よ、全部準備しておいたから」と調子を合わせることにしている。

身体の動きがよくなって、もう自宅で暮らせると判断したのだろうか、母はすっかり退院気分である。
「今日の午後は誰が来たの?」と尋ねても「さあねぇ、この頃みんな忘れちゃって、よく分からないわ」と平気な母。
そんな母を一人で家に帰すはずがない…というのはこちらの考えで、今の母には自分の気持ちしかない。
「明日は家に帰れる、うれしいわ」と繰り返す。
ずいぶん壊れてしまったのだなあと悲しく思う私にはお構いなく。

夕食の席では同じテーブルのお友達に「これで夕食をご一緒するのは最後になりました。今まで本当にありがとうございました。」と挨拶。
介護士さんや看護師さんにも「本当にお世話になって、ありがとうございました。」と本気で別れの言葉を言っていた。
普段なら夕食を食べ始めるまで残っているのだが、今日は耐えきれなくなって、少し早めに退出した。

そして私は手を洗う。
今まで母に言ったこと、母が喜ぶ顔が洗い落とせればいいのにと思いながら。
私のせいじゃあない、私が悪いんじゃない、つきたくてついてるウソじゃないのよと心の中でつぶやきながら。

皆の前で手を洗ってみせるというのは、自分には責任がないことを示すローマ帝国の習わしだったそうだ。
古今東西を超えて共通な人間の所作があるのだなあと、変なところで感心しながら、しばらくの間手を洗い続けた。


歩き始めた赤ちゃんのよう

2005年11月04日 | Weblog
ベッドで休んでいた母に、「車椅子に乗せてもらう?」と誘う。
ところが、母は人を呼ばず、私に母を起こして、座らせて欲しいと言う。
「ええっ!できるかしら?」とちょっと驚くが、まあ、物は試しでやってみたところ、存外簡単にベッドの縁に座らせることができた。

ベッドの柵に掴まりながら、おやつを食べ、おしゃべりをする。
以前に比べて、身体が自由に動くようになったのが嬉しくて仕方がないらしい。
気分もとてもhigh!
「こんなこともできるのよ」と腕や足を動かしてみせる。

「ちょっと練習したいから、立たせてちょうだい。」とのリクエスト。
自信がなかったのと、あまり調子に乗っていろいろやってみて怪我でもしたらたいへんとも思ったので、あまり力を入れずに手伝って「ほら、うまくいかないわよ」ということにしておいた。

ずいぶん動くことに自信が出てきたようで、いろいろやってみたくて仕方ないらしい。
もともと思いついたら周りも見ずに走り出すようなところのある母なので、できそうなことはすぐ挑戦したいのだろう。

でも、まだまだ身体は気持ちで思うほどは動かない。
また怪我でもしたら、骨を折ったら…とハラハラしてしまう。
ちょうど歩き始めの赤ちゃんのよう。
聞き分けのないところも少し似ているかも。

「慎重に」「自分一人でで試してみるのは×」「怪我でもしたらどうするの」と何度も繰り返して注意した。
OT園の職員の方にも、気を付けてくれるようお願いしたが、しばらくはこの状態が続きそうだ。

息子の仕事ぶりを偵察

2005年11月03日 | Weblog
文化の日。
Y市に勤め始めた長男は、今日、区民祭で1コーナーを受け持つとのこと。
ポーカーフェイスで、場所や内容を聞いておいた。
「ちょっと行ってみない!」と夫を誘うと、大乗り気で支度を始めた。

区民祭の会場、駅前の広場は大混雑。
想像していた以上に規模が大きく、模擬店の数も多いので、どこに息子の担当するテントがあるのやら。
夫は(私も)人混みが大嫌い。
混雑した場所に誘うとたいていは機嫌を悪くして「帰ろう!」と言い出すのだが、今日は息子の姿を確認せずには済まないらしい。
人混みの中を、文句も言わず、わかりにくい地図を見ながら息子のいる場所を探して歩いた。

息子はクイズコーナーを担当し、訪れた人たちに営業スマイルを見せて応対している。
公の場所にいるときには決して話しかけたりしないのが我が家の規則(10年くらい前、息子たちから言い渡された!)なので、遠くからそっと姿を確認・観察。
夫は持参のカメラで息子の仕事ぶり何枚かを撮影。
「まあ、ちゃんと仕事してるみたいでよかったね。」

せっかく来たのだからと、模擬店で夫は好物の「もつ煮込み」を食べる。
私も農家直送の里芋や葉付きにんじん・ルッコラなど新鮮な野菜を沢山買い込んだ。

布バッグ

2005年11月01日 | Weblog
以前三越で見かけたウールの布バッグ、とても素敵だったけれど、値段が2万円以上もするのはちょっとねぇ。
何とか工夫して、似たような物を作ろうと友達(高校の同級生)と計画。
4人分の材料はそろったものの、日程が合わない。

生地を眺めて型紙を置いたり、刺繍の図案を探したりしていたが、とうとうがまんできなくなって、試しに作ってみた。
刺繍と仕立てで二晩、夜なべをして楽しく過ごす。
まあまあ、イメージ通りの物が出来上がった。

出来上がったのを一人で見ていてもつまらない。
早速、時間が合った友達の所へ持って行ってみせる。
彼女も手芸・洋裁が大好きで早速作るというので、材料を置いてきた。

四人のうち一人はバッグは欲しいけど、自分で作るのはちょっと苦手…という人なので、彼女の分はわたしが代わりにもう一つ作ることにした。
また違う刺繍の図案を考えて作ることにする。
今度はビーズなども使ってみようかしら…。

次の集まりは火曜日なので、それまでに一仕事。
部屋の入れ替え等にともなう家の片づけが一段落したので、少し手仕事に力を入れたい。