エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

TPP(環太平洋経済連携協定)参加の是非に関する「第3の本質的な視点」を提示する!

2011-10-11 06:19:05 | Weblog
10月10日付読売新聞一面トップに、「総理がAPEC時にTPP(環太平洋経済連携協定)参加表明をする意向を固め、関係省庁に準備に着手するように準備するように指示した」という記事が出ました。最終的な決定までにはまだまだ紆余曲折があると思いますが、ここでは、TPPへの参加の是非について、大学教授、エコノミストを含む誰も指摘していない本質的な問題を論じてみたいと思います。
結論から先に言うと、「TPP参加は日本経済回生の必要条件ではあるが、十分条件ではない」ということです。TPP参加賛成論者は、「TPP不参加 大きな損失」という論陣を展開していますが、TPPに参加しなければ日本経済や日本企業の競争力がかなり低下し、輸出市場を失って大きな損失が出るとなることは理解できます。FTAやEPAにおいて韓国などに比して完全に出遅れた日本として、危機感を持っていることも理解できます。そのような観点からはTPPの参加は必要ですが、TPPへの参加それ自体では日本経済の活性化にはつながらず、参加と同時に日本経済の回生につながる十分条件を整備しなければなりません。

この結論は、次のように考えると納得していただけると思います。

TPPに参加してアジアや環太平洋諸国の成長力の活用、それらの諸国への輸出の拡大を行うことは、確かに輸出による売り上げ増にはなります。しかし、1995年以来生産年齢人口の減少、就業少数の減少、消費の構造的な減退という問題を抱えている日本経済の問題は、輸出による売り上げにより外貨を稼ぐこと自体ではなく、稼いだ外貨を国内で回すようにすることです。その「回路」が壊れたままでの戦略の展開は、2004年から07年の好況が結果として日本経済を活性化しなかったことの二の舞となります。
特に、この10年から15年までの5年間で「団塊の世代」600万人が65歳を超えるという状況の下では、5年以内に国内貯蓄率の低下、現在2%台の国内貯蓄率のゼロ化が起こる危険性があります。ISバランス論からすると、現在の日本の経常収支の黒字は、家計部門の黒字と企業部門の黒字が政府部門の赤字を補って余りあるからこそ実現されているものですが、家計の貯蓄率がゼロになるということは、企業部門の黒字が政府部門の赤字を補えない限り、日本の経常収支は赤字になることを意味します。この経常収支の赤字はどのようにファイナンスするのでしょうか。そもそも企業部門の黒字が継続するということは、企業が資金を投資に回さないで国債に回している現状が続くことを意味しているのですが、このことは日本経済の成長、それが切り開く未来はないことを意味しています。
また、家計の貯蓄率がゼロになるということは、家計の貯蓄を預かっている国内金融機関が国債を買えなくなることを意味します。そうすると起こるのは国債市場の暴落です。国債市場が暴落すれば、株式市場や為替市場も暴落することは必至です。回避する手段としては、世界最大の資金余剰国である中国に日本の国債を買ってもらうか、日銀が直接あるいは何らかの形で間接に国債を大量に購入して買い支えることですが、前者に関しては中国に日本経済の決定権をゆだねるという危険性があり、後者については円に対する国民の信任がなくなり、ハイパーインフレーションを引き起こすという危険があります。「団塊の世代」600万人が65歳を超えることは、こうした大きなインパクトを日本経済に与えるもので、この問題の解決に手をこまねいていては、TPPに参加してより多くの外貨を獲得しても、日本経済は死を迎えることになります。
2004年から07年の好況では、日本経済は、世界経済のかつてない拡大と円安の進行という“幸運”に恵まれました。しかし、外需主導、輸出による売り上げ増を国内の成長に結び付けることはできませんでした。日本企業は「コスト削減の罠」にはまり、株主圧力の増大、新興国の台頭、資源・食料価格の急騰の下で、人件費の削減によりコストアップを吸収しようとひたすら努力しました。これは、1990年代末から2003年までのデフレ期に起こった供給過剰体質が残っていたため、各企業は販売価格の引き上げが売り上げの減少につながることを恐れたためです。
このときの日本経済においては、大企業において非正規雇用の増大とともに、成果主義の導入を広範に進めました。しかし、日本の大企業が進めたのは、本当の成果主義ではなく、成果主義の名の下に一部の人を早く昇進させる一方、多くの人材の昇進を遅らせることで全体の人件費抑制を図るというものでした。その結果、人件費抑制のため若年層での非正規雇用が増大し、若年層から中高年層への所得移転が起こるとともに、将来を担う世代の能力育成にマイナスに作用しました。また、賃金が抑制のため家計の低価格志向が強まり、ますます販売価格の引き上げが困難となりました。
この時期の象徴的な出来事は、「春闘の終焉」です。春闘は1990年代末以降形骸化が進みましたが 特に2001年以降は、ベア統一要求が断念され春闘が持っていた賃金底上げ機能が名実ともに崩壊しました。こうして賃金の下方硬直性の仕組みが次々と解体される一方、逆に、賃金の上方硬直性ともいうべき状況が生まれ、労働分配率が低下しました。低すぎる労働分配率は、需要サイドでは、消費の低迷を招くことになりました。さらに、企業は資本をゼロ・コストで調達していることになることから、過剰投資につながりやすくなるという体質がさらに助長されました。また、供給サイドでは、人材投資の不足や労働者のモチベーションの低下が起こったのです。
今の日本には、日本企業の優れた技術力のおかげで国債となっている分を除いても400~500兆円の個人金融資産が蓄積されています。また、毎年十数兆円の金利配当も流入している状況です。この状況の下で必要なのは、外需や輸出だけに目を向けるのではなく、バランスの取れた行動、つまり生産年齢人口の減少が引き起こす消費の減退という問題を直視し、民生部門において需要を喚起するとともに、消費を直接増加させるための対応です。
日銀の量的緩和策は、円高デフレに対するカンフル剤としての効果はありますが、日本経済が再びデフレに落ち込んだ原因である需給ギャップの拡大という実体経済上の問題に対応した解決策ではないため、マクロ経済政策としての効果はほとんどないものと考えられます。むしろ、企業にとっては資金調達コストが極めて低くなり、事業の収益向上へのインセンティブが働かなくなるという”副作用”により、日本経済を蝕む悪性の腫瘍を増殖させることになりかねません。
この対応の間で、同時並行的に前述した「回路」を回復する対応が必要となります。そのため、最低賃金の引き上げや正規・非正規の処遇均衡を誘導すること(就業形態に関わらず、就いている職務に応じて賃金が決まる仕組み)により所得増を実現することが必要です。また、医療、介護、保育、教育、雇用サービスを充実させることで国民の将来不安を払しょくして消費意欲を回復させ、上記で実現した所得増を需要増につなげることも必要となります。また、私が提唱している「省エネエコポイント」という仕組みを活用した消費の直接的な喚起策と民生部門の節電・低炭素化の推進も必要です。むしろ、日本経済の回生の即効性という観点では、エコポイントの活用にアドバンテージがあります。
政府が直接、間接に元本を保証している預貯金と国債に対して、物価下落率を実効税率とする貯蓄税を課して「流動性の罠」の下でも貨幣が消費に向かうようにすることが提案されています。しかし、被災地である東北にも貯蓄税を適用することは実際上困難であり、東北を除外した制度を構築することは不可能です。むしろ、東北を含む全国各地域で1年程度の有効期限の付いた「プレミアム付き東北・日本再生商品券」(有効期限を付ける代わりに1割のプレミアムを付加する。2009年の発行額は1,194億円)を流通させて、消費の拡大と地域経済の活性化を図ることを提案したいと思います。東北の自治体のプレミアム分の負担は、政府または前述のエコポイントにより支援すれば、各地域でその11倍の券面額、数兆円~数十兆円規模の「プレミアム付き東北・日本再生商品券」が流通することになります。マクロ経済的には、これにより構造的な「流動性の罠」の下でも貨幣の流通速度を上昇させることができます。そうなれば消費貯蓄選択が刺激されて消費が活性化し、さらに、企業が直面する実質利子率も上昇することにより投資需要を喚起することもできます。

政府、エコノミストなどの覚醒を促したいと思います。

スマートグリッドの「チェンジ」を加速

2011-10-07 06:38:00 | Weblog
スマートグリッド、それは今やアメリカの「チェンジ」を象徴するプロジェクトとなっており、オバマ政権は、こうしたスマートグリッドを加速化させるためさまざまな環境整備に取り組んでいます。まず、アメリカ特許商標(USTPO)はグリーンイノベーションにかかわる特許申請案件について、審査期間を従来の40ヶ月から12ヶ月短縮して28ヶ月とするパイロットプログラムを実施しています。
また、国有地での再生可能エネルギー利用発電にかかる手続きを合理化するため、09年10月23日に農務省、商務省、国防省、エネルギー省(DOE)、環境保護庁、環境評議会議、歴史遺産保存諮問委員会、内務省、連邦エネルギー規制委員会の9つの連邦機関により覚書が締結されました。これにより、国有地利用許可にかかる時間が3分の1程度に短縮されました。
内務省は、再生可能エネルギー調整室と西部のプロジェクトを支援するためのチームを創設しました。さらに同省は太陽光発電施設のために国有地の利用を1000平方マイル(2590平方キロメートル)に拡大する措置や、連邦エネルギー規制委員会と協力して沖合風力発電促進の助成措置を創設しています。


底辺を支える「システム利益課金」

2011-10-06 07:08:38 | Weblog
アメリカでは、スマートグリッドの円滑な導入のための低所得者への支援、再生可能エネルギーの利用拡大、研究開発の促進などのために「システム利益課金」(System Benefit Charges)制度が導入されていますが、これも注目すべき制度です。これは、電気料金からキロワットアワー当たり1~5%の上乗せ課金を実施し、それを基金として積んで関連する事業へと助成するものです。基金については、電力会社が管理する形態から公益法人や州政府が管理する形態のものまであります。ニューヨーク州、カリフォルニア州、アリゾナ州、ワシントン州とアイダホ州、マサチューセッツ州とロードアイランド州が導入しています。「システム利益課金」制度の対象となる事業のうち低所得者への支援に関しては、通信事業において過疎地などにおける採算性の低い地域で生ずる赤字を他の通信事業者が拠出した資金で賄う「ユニバーサル基金」と発想は似ています。
アメリカの電力業者は,スマートグリッドの導入と同時に,利用した時間帯に応じて料金を増減させる料金体系を導入しようとしています。スマートグリッドを使って利用者に時間帯ごとの料金を伝えることで,電気料金の安い時間帯に利用者を誘導し,ピーク消費電力を引き下げるねらいがあるからです。しかしこれでは電気料金の安い時間帯を活用するための機材(例えば,蓄熱装置など)を購入できるのは裕福な層だけで、購入できない貧困層にとっては電気料金が上がるだけでスマートグリッドの恩恵はおよばないということになりかねません。「システム利益課金」制度はこの解決のために今後拡大していくものと考えられます。

注目すべき連邦投資税控除制度(ITC)と固定価格買取り制

2011-10-05 06:57:51 | Weblog
スマートグリッドの市場拡大のための米政府の制度設計として次に注目されるのは、再生可能エネルギー導入を進めるためにとられている税制上の措置にPTC(Production Tax Credit)です。これは、再生可能エネルギー設備の最初の10年間の稼動に対して1キロワットアワー当たり1.8セント(インフレ率により毎年調整される)の税金が控除されるというものです。
さらに、05年連邦エネルギー政策法(Federal Energy Policy Act of 2005)によって、住宅部門やビジネス部門における再生可能エネルギー導入のための投資に対し30%の税額控除を認めるという画期的な税制上の措置であるITC (Investment Tax Credit)が導入されました。税額控除(tax credit)は支払うべき税額から控除額を差し引くもので、今回のcreditは事業費の30%のためこの30%分の税金がまるまる安くなるもので、税率を掛ける前に控除額を差し引くdeductionよりも減税額が大きくなります。
 PTCとITCは選択制です。また、PTCにしろITCにしろ、税額控除制度は企業収益が黒字の場合に効果を発揮し景気動向に影響されるものであるため、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電、地熱発電に限り、投資される資産価値の30%に相当する助成金を交付する制度もスタートしています。
 ITCに関しては、当初の有効期限が08年末となっており期限切れが強く懸念されましたが、08年10月に太陽光発電に関しては8年間、風力発電に関しては2年延長されました。また、電力会社にも始めて適用され、メガソーラーの導入に対しても優遇措置がとられることになりました。これにより設置コストが30%も軽減されるので、電力会社の投資判断に決定的な影響を与えます。
 さらに、10年1月8日オバマ大統領は、スマートグリッド、ビルに省エネ・エネルギーマネージメント、太陽光、風力関連の製造業への投資に対する最大23億ドルのITCを通じて1万7000人、関連する民間投資54億ドルで4万1000人、計5万8000人の雇用を創出する考えを明らかにしました。対象事業は14年までに施設建設に着手することが求められていますが、対象事業の3割は10年中に着手予定です。控除額の合計は23億ドル、事業者側の負担と合わせると77億ドル規模の事業への投資となります。
 今回の助成対象事業は、風力、太陽光・太陽熱発電関連装置、変圧器やスマートメーターなどのスマートグリッド関連装置、省エネ型の照明や空調機器などの省エネ関連装置、高効率なタービンなどの産業用装置、電気自動車やバッテリ関連装置、原子力関連装置、二酸化炭素回収・貯留(CCS)関連装置など、極めて広範にわたる装置の製造施設の建設です。
 さらに、アメリカの動向として注目されるのは、太陽光発電等再生可能エネルギーに対する支援措置が設備投資に対する支援から、実際に発電されたエネルギーに対する支援措置に徐々に移行してきていることです。後者のインセンティブの中で注目を集めているのが固定価格買取り制度です。アメリカでは連邦レベルではなく州や地方自治体単位で個別に進められており、従来はテキサス州などでRPS(Renewables Portfolio Standard:電気事業者に対して、その販売電力量に応じた一定割合以上の再生可能エネルギーから発電される電気の利用を義務付け、その普及を図るもの。電気事業者は義務を履行するため、再生可能エネルギーによるを発電するか、他から購入することになります)が導入されてきていますが、近年カリフォルニア州が初めて導入したのを皮切りに、ミシガン州、イリノイ州、ミネソタ州、ロードアイランド州、ヴァーモント州およびハワイ州の7州が再生可能エネルギーの固定価格買取り制を導入しています。また、フロリダ州、メイン州、マサチューセッツ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、オレゴン州およびウィスコンシン州が導入を検討中です。

膨大な需要を喚起するPACE

2011-10-04 06:50:32 | Weblog
こうしたスマートグリッドの市場拡大には、政府の制度設計も大きな役割を果たしています。まず注目されるのは、省エネ設備や再生可能エネルギー設備の設置促進ができるよう08年から導入されたPACE(Property-assessed clean energy)というユニークなプログラムです。このPACEは、アメリカの家庭・オフィスの省エネ改修を促進し、エネルギーの節減とCO2排出削減を促進するために08年に設けられた制度で、09年1月カリフォルニア州バークレーで最初の債券が発行されて以来、わずか12ヶ月の間に、コロラド州、イリノイ州、ルイジアナ州、メリーランド州、ネバダ州、ニューメキシコ州、オハイオ州、オクラホマ州、オレゴン州、テキサス州、ヴァーモント州、ヴァージニア州、ウィスコンシン州 の15州で発行されています。フロリダ州、ハワイ州ではPACE債券の発行権限はすでに存在しており、アリゾナ州とニューヨーク州では導入を検討中です。PACE債券の発行は5000億ドルに達すると予想されています。
 アメリカにおけるエネルギー使用とCO2排出の約40%は家庭・オフィスの建物におけるものであり、これらの省エネ改修が重要な課題となっています。このため、納税者にほとんど負担をかけることなくプログラムの成功を期しうるものとして、PACEは考案されました。PACEをスタートさせるためには、州が州法により適用対象となる市町村の区域を指定し、それに基づき市町村がPACE特別区域を設定します。そのPACE特別区域内にある家庭・オフィスの建物所有者は、省エネ措置あるいは太陽光発電などの創エネ措置を行おうとするときは、市町村あるいは指定金融機関(ファニーメイ、フレディマックなど)に対してPACE債券の発行を申請することができます。
このPACE債券には連邦政府の政府保証がつきますが、PACE債券の購入者には先取特権が付与されます。家庭・オフィスの建物所有者は20年間に渡る固定資産税の上乗せ徴収により、省エネ措置あるいは太陽光発電などの創エネ措置に要した費用を償還するという仕組みです。このPACEによる効果はエネルギーの節減とCO2排出削減ばかりではありません。省エネ措置あるいは太陽光発電などの創エネ措置に要した費用に相当する需要の拡大、雇用の増進のみならず、家庭・オフィスの資産価値の上昇、担保価値の増進を通じて不動産取引の活発化を促進するという大きな効果もあります。

スマートグリッドの市場規模と経済効果

2011-10-03 06:56:47 | Weblog
シリコンバレーにある電力研究所のEPRI(Electric Power Research Institute)は、向こう20年間でアメリカがスマートグリッドに投じる資金は、1,650億ドルに達すると予測しています。年間では80億ドルになります。さらに、09年10月、米コンサルティング会社であるブラトル・グループが試算したアメリカ市場のスマートグリッド関連分野への投資金額は、10年から30年までの20年間の合計で総額を15兆ドルとしています。1年当たり7.5兆ドルという巨大な投資規模です。
分野別では、調査会社パイク・リサーチの電力会社によるエネルギー貯蔵装置市場に関する包括的な調査結果によると、18年までに、アメリカにおける同市場は41億ドルの市場規模に達し、リチウムイオン電池市場に関しては、そのうちの26%に当たる11億ドルにまで成長すると予測しています。また、アメリカにおけるPHEVへの充電から得られる電力会社の収入は、10年350万ドル、11年1940万ドル、12年5330万ドル、13年1億420万ドル、14年1億6040万ドル、15年2億690万ドルと急増していく見通しです。
また、スマートグリッドの経済効果に関しては、09年10月米カリフォルニア大学バークレー校は、①10年から20年の間で、91万8,000人から190万人の雇用増大が見込まれる、②20年までに、1家庭当たりの平均所得は、年間487ドルから1,175ドル増加する、③この結果、アメリカの20年のGDPは390億ドルから1,110億ドル増加する。これはGDPの0.2%から0.7%の押し上げ効果を有する、という予測をまとめています。
こうした巨大な市場規模となると予想されるのは、オバマ政権の対応もさることながら、米企業や国民がスマートグリッドに対して積極的に対応し、その成果を取り入れようとしているためです。たとえば、米穀物・食肉大手企業であるカーギルは、アーカンソー州スプリングデールの同社工場において年間200万ドル以上の電気代を68万ドル削減する計画を進めています。また、米飲料大手コカ・コーラは、15年までに製造工程からのCO2排出を200万トン削減することを公約として掲げています。このため従来方式では対応できず、ウェブベースでサービスを提供するシリコンバレーのスタートアップ企業であるHARAのサービスを導入しています。