エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

頭角を現すスマートメーター企業

2011-10-19 06:17:57 | Weblog
さまざまなスマートメーター企業が頭角を現してきています。ITron、Landis+Gyr、Emeter、 Elster、 Sensus、GE(GE Energy)のスマートメーター大手6社を筆頭に多くのメーターメーカーがビジネスを拡大しています。メーター大手ITronは、デマンド・レスポンスのComvergeと提携しているほか、ホーム・グリッド分野ではGoogleとも提携しています。
これに加えて、スマートメーター・ネットワークを得意とするSilver Spring Networks、Trilliantなどは、無線の「メッシュ・ネットワーク」(免許のいらない900MHz帯を活用。通信機能を持った機器が相互にデータをバケツリレー式に伝送し、隣の端末へ、そのまた隣の端末へ・・・と転送を繰り返して目的の端末まで運ばれる方式)を独自に構築する方式でサービスを提供しています。この分野の花形は、何と言ってもSilver Spring Networksです。同社は、クライナー・パーキンスなどのベンチャー・キャピタルなどから資金を調達しています。また、同社はGoogleの投資先第1号でもあります。
Silver Spring Networks の前に立ちはだかっているのが、Cisco Systemsです。Silver Spring Networks とCisco SystemsはFlorida Power and LightのAMIプロジェクトで提携していますが、09年6月に発表されたDuke Energyの10億ドルを超える大規模なAMI構築でCisco Systemsがネットワークを単独で受注して以来、競争関係にあります。
スタートアップ企業としては、Control4とeMeterが注目されます。このうちControl4は、03年に設立された会社で、無線、有線のIPベースのホームオートメーション製品を提供しています。製品の中には、ホームオートメーションのあらゆる局面をサポートするソフトウェアであるThe Composerのほか、各種機器があります。Control4社のエネルギー管理ソリューションと双方向通信対応のスマートメーターを組合せることで,顧客は継続的な消費電力量とピーク時の消費電力量の低減を図れます。リアルタイムの消費電力量を基に室内温度や照明などを自動調整することで,消費電力量をコントロールできるほか,顧客が遠距離から変更を加えられるように、イベント・ベースで警告を発する機能も備えています。
eMeterは、MDMとAMIを統合した機能を有するスマートメーターからの膨大なデータ処理をするソフトウェアの供給を行っている会社です。そのソフトウェアはEnergy IPと呼ばれています。eMeterのソリューションは需要応答 を可能にします。eMeterはEnergy IPの提供のみならず、関連するコンサルティングサービスも提供しています。09年2月eMeterはCenterPoint Energyの200万のスマートメーターへのソフトを提供すると発表しました。その後Alliant Energy,Jacksonvill Electric Authority,カナダのOntario州とも取引の協議に入っており、スマートメーターの数は合計2000万に達します。
また、この分野で画期的な出来事は、SmartSynchが09年11月、フルIPベースのGrid Routerを開発したと発表したことです。アメリカの報道では、スマートグリッド上の文字をすべて解読することにつながるという意味で、「スマートグリッドのロゼッタストーン」と形容されています。