エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

アメリカにおけるユニバーサルなスマートグリッドサービスを実現するシステム利益課金制度

2010-07-12 06:43:04 | Weblog
アメリカでは、スマートグリッドの円滑な導入のための低所得者への支援、再生可能エネルギーの利用拡大、研究開発の促進などのためにシステム利益課金(System Benefit Charges)制度が導入されています。これは、電気料金からキロワットアワー当たり1~5%の上乗せ課金を実施し、それを基金として積んで関連する事業へと助成するものです。基金については、電力会社が管理する形態から公益法人や州政府が管理する形態のものまであります。ニューヨーク州、カリフォルニア州、アリゾナ州、ワシントン州とアイダホ州、マサチューセッツ州とロードアイランド州が導入しています。
システム利益課金(System Benefit Charges)制度の対象となる事業のうち低所得者への支援に関しては、通信事業において過疎地などにおける採算性の低い地域で生ずる赤字を他の通信事業者が拠出した資金で賄う「ユニバーサル基金」と発想は似ています。
アメリカの電力業者は,スマートグリッドの導入と同時に,利用した時間帯に応じて料金を増減させる料金体系を導入しようとしています。スマートグリッドを使って利用者に時間帯ごとの料金を伝えることで,電気料金の安い時間帯に利用者を誘導し,ピーク消費電力を引き下げる狙いがあるからです。しかしこれでは電気料金の安い時間帯を活用するための機材(例えば,蓄熱装置など)を購入できるのは裕福な層だけで、購入できない貧困層にとっては電気料金が上がるだけでスマートグリッドの恩恵はおよばないということになりかねません。システム利益課金(System Benefit Charges)制度はこの解決のために今後拡大していくものと考えられます。

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