エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

中国電気自動車メーカーの雄、BYD

2011-09-08 06:41:16 | Weblog
中国の電気自動車メーカー“Small Hundreds”の雄は、08年末世界に先駆けて、量産型プラグインハイブリッドカーを販売し話題になった比亜迪(BYD)です。BYDは、95年に20人の従業員でスタートし、その後、電池生産や携帯電話機生産を経て自動車生産に乗り出し、現在はグループ全体で13万人の従業員を抱える巨大企業に成長しています。
 BYDは広東省深センに本社を置くメーカーで、香港証券取引所に上場しています。事業内容は充電池、携帯電話、自動車の製造販売で、リチウムイオン電池生産では世界第2位、中でも携帯電話機用電池生産では世界最大の生産量を誇ります。また、携帯電話機やノートパソコンなどIT製品の部品生産と組み立ても行い、ノキアやモトローラの携帯電話機器のOEMも手掛けています。
 最近では自動車部門の成長が著しく、同社の売り上げの55%を占めるまでになっています。同グループが自動車生産に乗り出したのは03年で、陜西省の西安秦川汽車の倒産時に同社を買収して子会社BYDオートを設立しました。
 BYDオートの販売台数は、広東省に本社を置く主要自動車メーカーの中では、東風日産に次いで第2位。同社の車の販売は低価格車の投入で急増しており、F3という1500ccクラスのセダンを5万7,000元(約75万円)で販売し、月間販売台数が3万台前後という空前の売れ行きをみせています。
 また、得意とする充電式二次電池技術を駆使して、08年末には世界初の量産型プラグインハイブリッド車F3DMを販売し、話題になりました。ただ、F3DMは、官庁や企業向けに少量出荷されただけで、むしろBYDは純粋な電気自動車の開発に注力しています。自社開発した鉄電池(リチウムフェライト電池)を搭載した電気自動車「e6」の販売を09年末に開始しました。BYDの電池技術の開発では、夜間の安価な電気を使って充電し、昼間はこの電池を電源に使用して工場やオフィスを稼働させる実験を進めてきました。鉄電池による充電ロスは7%で、高効率で充電でき、廃棄時の環境負荷が小さく、製造コストも安価な点を強調しています。
 BYDは10年3月、ドイツの自動車王手ダイムラーとエコマーの共同開発に関して協議していくと発表しました。両社は、ダイムラー車をベースに独自ブランドで販売を目指します。合弁会社の設立も検討しており、投資総額は1億ユーロを超える規模です。さらに、高精度の金型製造能力を有する日本の金型大手メーカー、オギハラの館林工場を10年4月に買収するなど、グローバルビジネス展開も活発化させています。
アメリカの著名投資家のウォーレン・バフェットによる投資や創業者の王伝福氏が保有資産で中国一の富豪となるなど、BYDはマスコミにも常に話題を提供しています。今後とも目が離せない存在です。

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