エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

求められる「スマイルカーブ」への取組み

2011-09-14 07:09:32 | Weblog
既存の優良企業が”破壊的イノベーション”にうまく対応する解決策の一つが「スマイルカーブ」への取組みです。「スマイルカーブ」現象とは、企業間の取引がクローズな関係からオープンな関係へと変化すると、利益率は最終組立業者から川上の研究開発・部品メーカーや川下のサービス・ソリューション提供へと移っていくという経験則です。部品メーカーの成功例としては真っ先にインテルがあげられるでしょう。また最終組立業者からソリューション・コンサルティング業界へと転身し高い付加価値を提供している企業としてはIBMが好例です。
例えば太陽光パネルメーカーにおいては、単なる製品売りではなく、川下のシステム(太陽光発電システムの設計、販売、施工まで行うシステム・インテグレーターを目指す動きで、カドミウムテルル製の薄膜太陽電池を生産しているアメリカのファーストソーラーが指向しているモデル)や川上の材料分野との連携が勝敗を決める上で重要になってきています。「スマイルカーブ」の考え方が教えるように、製品の製造は価格競争に巻き込まれ利幅が薄くなりますが、川上や川下の工程は高い利益率を上げられるのです。15年の世界の太陽光発電産業は8兆円になるとも予想されています。この巨大な市場の獲得を巡ってドイツ、中国、アメリカ、そして日本などのメーカーが世界的な“大競争”を繰り広げていくことになります。

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