エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

「スマートグリッド革命」(シリーズ;活発な動き見せる米インテルとオラクル)

2011-01-13 00:07:42 | Weblog
インテルはハイテク企業の中では最も再生可能エネルギーの購入が多い企業として知られていますが、そのスマートグリッド戦略は、電力ネットワークをよりスマートにすることにより、自社のプロセッサの販路を拡大しようという「インテル・オープン・エネジー・イニシアティブ」が基本です。
この一環でIEEEの活動を支援するなどスマートグリッドの標準化にも取り組んでいます。また、アメリカの電力の76%は建物が消費し、CO2の43%は建物から発生していることから(データセンターが典型例)、スマートグリッドの鍵はスマートビルディングであるとして、スマート化されていない住宅と小規模な商用ビルにスマート化に注力しています。
このうち住宅に関しては、Tendrillと提携して、HEMSを消費者に提供しています。ディスプレイ装置としては、専用の家庭内ディスプレイとともに、インターネットTVを活用する方式を提案しています。10年1月インテルは、ホーム・エネルギーマネージメント・システムおよびダッシュボードを発表しました。Zigbee通信方式を採用し、サーモスタットによる室内の温度や湿度の表示、家電などのエネルギーの使用状況の表示や操作にとどまらず、ネットに接続し情報端末として機能して、家庭の電気料金が30%低減することを目標としています。また、商用ビルに関しては、傘下のIntel Capitalが出資しているArch Rock(超低消費電力のIPベースのセンサを開発)が商用ビルのスマート化を進めるためのAR Energy Optimizerを提供しています。
 これに続くのはオラクルです。
09年5月、オラクルは電力会社向けにスマートグリッド関連のエンド・トゥ・エンドのスマート・グリッド・ソフトウェア群を市場投入することを発表しました。これには、スマート・メーター・データ管理をはじめ、課金・顧客関係、負荷分析、規制遵守、労働力・資産管理を含む業務分野を広範に網羅しています。停電箇所を特定したり、配電自動システムに障害が生じたときにシステムを正常に戻す機能を有するソフトウェアMDMもあります。
 このためオラクルは、06年に電力会社の収入・事業管理を行うソフトウェアメーカーであるSPLワークグループを、07年にMDMの開発メーカーであるロードスター・コーポレーションを買収しています。この分野でオラクルは、IBM、SAPなどの大企業やe-Meter、エコロジック・アナリティックなどのスタートアップ企業と競争しています。

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