エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

中国の太陽光発電導入政策と中国メーカーの動向

2010-05-08 00:04:59 | Weblog
 中国は、2005年に制定された再生可能エネルギー法に基づいて、「再生可能エネルギー中長期発展計画」を作成していますが、その中で太陽光、風力などの再生可能エネルギーや原子力の1次エネルギーに占める割合を2020年までに15%にまで引き上げることを謳っています。また、再生可能エネルギー法と再生可能エネルギー発電価格と費用分担に関する管理試行弁法にもとづき固定価格買取制度を導入するとともに、各種の補助金で助成しています。
 このうち中国が力を入れている太陽光発電に関しては、2008年3月国家発展改革委員会が作成した「再生可能エネルギー開発第11次5カ年計画」では、10年待つまでに太陽光発電の総発電容量を300メガワット(MW)に拡大すること、メガワット級の太陽光発電モデルを実施すること等が示されました。さらに具体的な政策として、2009年5月国家エネルギー局は「新エネルギー産業振興策」の概要を作成し、その中で、再生可能エネルギー推進に1300億元を投入し、20年までに総発電容量を1万メガワット(MW)に引き上げ、そのため1740メガワット(MW)の太陽光発電所を建設するとしています。
 このような中で、江蘇省は太陽電池産業が集積し、太陽電池の一大生産基地となっています。サンテック・パワーをはじめとして中国大手企業8社のうち6社太陽電池メーカーが立地し、中国の太陽電池の60%を江蘇省で生産しているほか、民間団体である江蘇省太陽光発電産業協会が産学官連携の中核として活動しています。
 このうち江蘇省無錫市に本社を置くサンテック・パワーは2001年9月設立とその歴史は浅い企業ですが、その成長は驚異的です。赤字企業であったのは設立の翌年までで、その後は倍々ゲーム以上の成長を続け、07年12月期には売上げが13・4億ドル、営業利益が1・7億ドルとなりました。過去5年間で売上げは100倍、営業利益は220倍に急成長した計算です。2005年に中国企業としてはじめてニューヨーク証券取引所に株式を上場し、従業員は全世界で1万人を超します。08年に世界シェアでシャープを抜き、09年は欧州市場の落ち込みなどにより売上げは減少したものの、シェアではドイツのQセルズを抜いて、アメリカのファーストソーラーに次ぐ世界第2位の企業となりました。
 サンテック・パワーは2008年、日本の老舗太陽電池メーカーのMSKを買収し、09年にはMSKが得意としていた建材一体型の住宅向け太陽電池パネルの専用生産ラインを中国に導入し、欧州市場向けに輸出を開始しました。日本市場においても建材一体型の住宅向け太陽電池パネルが投入されているほか、09年よりヤマダ電機の販売チャネルでサンテック製の太陽電池パネルが販売されています。中国の太陽電池メーカーとしては、サンテック・パワー以外にインリーが急成長を遂げています。

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