エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

「スマートグリッド革命」(シリーズ;欧州グリーンカーイニシアティブ)

2010-12-19 11:45:01 | Weblog
欧州では、加盟各国が次世代のエコカーの開発、普及のため積極的なイニシアティブを展開していますが、EU全体としても、環境に優しい車の開発、普及を目指す「欧州グリーンカー・イニシアティブ」(European Green Car Initiative:EGCI)が開始しています。これは、EU委員会が経済再生計画の下で開始している3つの官民パートナーシップ(Public-Private Partnership:PPP)、すなわち未来の工場(研究開発予算:12億ユーロ)、エネルギー効率のよい建物(研究開発予算:10億ユーロ)、グリーンカー(研究開発予算:50億ユーロ)の1つとして位置づけられているものです。
 05年時点で、EUにおける温室効果ガス排出の19%、CO2排出量の28%が運輸部門からのもので、CO2排出量の90%以上が道路輸送からとなっています。EGCIは、こうした状況に対応してディーゼル車の燃費性能の改善で環境対策を強化するという従来の方針を転換し、高密度電池、電気モーター、スマートグリットおよびそれと車とのインターフェイスの研究開発のほか、バイオメタンの利用に関する研究、物流・輸送システムの最適化に関する研究等を行います。研究開発資金50億ユーロのうち、10億ユーロは加盟国および民間企業からの資金、40億ユーロは欧州投資銀行(European Innestment Bank:EIB)からの融資でまかなわれることになっています。
また、EU内では地域ベースの電気自動車導入イニシアティブも始まっています。例えば、ドイツは09年8月に「エレクトロ・モビリティー国家開発計画」を発表し、20年までに100万台の電気自動車を国内に普及させる目標を立てていますが、この目標達成のために国内に8ヵ所の「e-モビリティーモデル地域」を指定し、各地域に達成目標を割り振っています。ノルトライン・ウェストファーレン州はその1つとして連邦全体の目標の25%を担い、「マスタープランe-モビリティ」を策定して20年までに25万台の電気自動車を普及させる方針です。
 具体的には総額5,000万ユーロ(連邦と州で折半、約60億円)の助成金を用意し、プロジェクトの提案を募り、州内の6ヵ所の地域で実証を行っていく計画です。技術分野は、大きく分けてバッテリ技術、車両技術、インフラ技術の3つで、どの分野に重点を置くかは地域によって異なります。また、デュッセルドルフ市は09年夏からフィアットの車を改造した電気自動車をPR用に導入するとともに、充電ポイントなども実験的に整備しています。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿