エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

韓国のスマートグリッドは大規模かつダイナミック

2011-12-21 07:15:35 | Weblog
韓国では、韓国電力公社(KEPCO)が済州島で3000世帯規模のスマートグリッド実証事業の対象となる団地を選定して事業を推進しています。KEPCOはさらに,20年までに消費者による需要応答 などを盛り込んだスマートグリッドを構築する計画で、09年末から13年にかけ政府と民間の資金810億ウォン(約63億円)を投じ、各種のスマートグリッドの機能と効用を検証する作業を進めています。30年までに韓国全土でスマートグリッドの完全構築を目指しています。
韓国におけるスマートグリッドの開発と普及に関しては、アメリカとの官民協力でプロジェクトを推進していることが特徴です。このため、09年6月にスマートグリッド分野の業界団体である韓国スマートグリッド協会とアメリカのグリッドワイズアライアンスが共同投資フォーラムを開くとともに、協力了解覚書(MOU)を締結しました。韓国側はLS算電や韓国電力、現代重工業、暁星重工業、日進電気、SKテレコム、KTなど、アメリカはグーグルやIBM、ゼネラル・エレクトリック(GE)、PJMなどが参加しました。
その他アメリカとの連携としては、スマートグリッド関連業界団体(米・GridWise Alliance と 韓・Korea Smart Grid Association(09年8月設立))の協力、 企業間の技術協力(GEの韓・ヌリテレコムへのスマートグリッドに係る技術協力)、米韓FTAがあります。また、EUとの連携も進めており、欧州の技術・市場へのアクセスの足がかりとして、EUREKA(マーケット志向の研究開発協力を行う欧州のプロジェクト)への欧州圏外で初めての加盟(09年6月)、 EU-韓FTA仮署名(09年10月)があります。いずれも、FTAが絡んでいることがポイントで、アメリカ、EUいずれともFTA締結が遅れている日本は、スマートグリッドの国際連携でも、韓国の後塵を拝しています。 
韓国企業は海外でも積極攻勢に出ています。サムスン物産と韓国電力公社(KEPCO)の韓国コンソーシアムが、総額70億カナダ・ドル(Cドル、1Cドル=約84円)の大規模な風力・太陽光発電事業をオンタリオ州で開始します。風力発電に必要なタワー、ブレード、太陽光発電に必要なインバーター、モジュールを州内で生産し、同州の電力需要量の約4%に当たる2,500メガワット(MW)の電力発電を目指しています。1万6,000人もの雇用を生み出す大型プロジェクトです。韓国コンソーシアムは、第1段階としてオンタリオ州南部のチャタム・ケントとハルディマンドに400メガワット(MW)規模の風力発電施設を建設するほか、同州西部の農地を利用して100メガワット(MW)規模の太陽光発電施設を建設する予定で、どちらも12年の稼動を目指しています。