エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

フライブルグ市の「ソーラーシティ」

2011-12-08 06:02:40 | Weblog
ドイツの地域における再生可能エネルギーの動向として注目されるのは、世界屈指の環境先進都市として有名なフライブルグ市です。フライブルグ市は、30年までに1992年比40%CO2を削減することを目標として掲げて数々のイニシアティブを推進していますが、「ソーラーシティ」を標榜する同市は、太陽光発電と太陽熱に力を入れています。市内の太陽光発電設置量が10メガワット(MW)にも達し、環境全体で1500社の企業が活動し、人口22万人のうち1万人の雇用、年間5億ユーロの経済効果を生み出しているフライブルク市ですが、それでも太陽光発電からの発電割合は、市内の電力総消費量の1%程度でしかありません。
 30年までにこの割合を少なくとも3倍にしたい同市は、09年4月1日より新しい試みとして『フリーサン(FreeSun)』をスタートし、市内のソーラー発電、および太陽熱利用のポテンシャルを学術的に調査して、WEB上に公表しています。 WEB上では、太陽光発電に適している屋根を方角や傾きに応じてそれぞれ評価し、個別の屋根のポテンシャルを4段階で表示していますが、この基礎となった調査では、最大でフライブルク市内には電力総消費量の23%を太陽光発電でまかなうことが可能であるとの結論が導かれています。フライブルク市は、現在、太陽光発電設置を推進するキャンペーンを展開中です。市内のそれぞれの町内・住宅地区で説明会やコンサルティングを行っています。
 また、フライブルグ市には、太陽光発電の研究開発で世界的に名高いフラウンホーファー太陽エネルギーシステム研究所(フラウンホーファーISE)があります。太陽電池には結晶シリコンタイプ、薄膜シリコン、化合物系、色素増感型などいろいろなタイプがありますが、このうち結晶シリコンタイプの変換効率は、理論的に25%といわれています。この限界に3層構造よりなる高効率太陽電池と集光レンズの組合せでチャレンジし、61%の変換効率を目指しているのがフラウンホーファーISEです。