ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

喜楽館で「米朝ウィーク」桂米朝五年祭特別公演

2020年11月04日 | 上方落語楽しんだで
 昨日の休日は喜楽館に行っておりました。喜楽館では11月2日から11月8日まで「米朝ウィーク」桂米朝五年祭特別公演をやっております。桂米朝師匠が彼岸に旅立たれて5年なんですね。と、いうわけで米朝一門の落語家さんがぞろぞろ出てまいります
 まず、開演前の一席、露払いをつとめたのは桂二豆さん。桂米二師匠の3番目のお弟子さんです。「煮売り屋」をやらはった。この噺、「東の旅」の発端で「七度狐」の冒頭部分です。若い落語家さんがよくやる噺ですが、二豆さんは無難に演じてはった。
 さて開口一番は二豆さんのお姉さん弟子桂二葉さん。例によって高い声でごあいさつ。「上方落語界の白木みのる」だそうです。「てなもんや三度笠」を知ってる人はかなりのお年ですね。二葉さんも見たことないと思いますが。
 演じはったのは「つる」です。この二葉さん、女性落語家というくくりでくくらなくても上方落語界でアホやらせたらかなり上位にはいるでしょう。二葉さんのアホは突き抜けた異次元のアホになります。二葉さん、かわいい♡
 二番手は桂歌之助さん。あの「死神歌之助」さんは2代目ですが、この歌之助さんは3代目です。3代目歌之助さんが落語会をやっても大惨事はおきませんからご安心を。
「片棒」をやらはった。ケチで名高い大店の旦那が自分の死後どの息子に跡目を相続せるか、どんな葬式をやるかで決める噺です。どれほどバカバカしい葬式にするかが演者の工夫でいくらでも面白くなる噺です。歌之助さんはさすがに派手に陽気なお葬式を演出してはった。長男、次男、三男と三つのお葬式案があるのですが、この時は次男の分までで半ばでした。トリならばフルでできるでしょうが2番手では時間が足らないでしょう。
 色もんは豊来家一輝さんの太神楽です。見事な芸ですが、ちょいちょい失敗しはるのはご愛敬。
 さて、中トリは米朝一門のベテラン桂勢朝さん。まくらで大阪府知事吉村さんの替え歌を。早速都構想断念をネタにしてはった。コロナ禍のこのご時世、こんな噺をやってええんやろかという噺をします。と、いってはった。いま「きめつのやいば」ちゅう映画が当たってますが、この噺は「ひまつのやばい」です。前列の人は気をつけてください。今から大声をだします。と、いうことで「餅屋問答」です。後半の禅問答のシーンは大きな声です。大爆笑でした。
 中入り後、トリ前は桂雀三郎師匠。医者が出てくる噺です。落語に出てくる医者にはろくな医者はいません。手遅れ医者、ご寿命医者、葛根湯医者。一番一般的なのは藪医者です。上方落語の藪医者といえば赤壁周庵先生。この先生の手にかかると健康な者は病気になる、病人は死ぬ、という医者です。その赤壁周庵先生大活躍の噺「ちしゃ医者」をやらはった。雀三郎師匠、枝雀師匠によく似てきました。
 トリは米朝師匠の実子の桂米團治師匠。歌舞伎役者のマクラです、芝居噺です。「七段目」です。米團治師匠の芝居噺は派手で華やかでトリにふさわしいです。こちらは米朝師匠によく似てきました。はっぱりお弟子さんは師匠に似てくるのですね。