ごろりんブログ

雫石鉄也のブログ

地球防衛軍

2020年11月30日 | 映画みたで

監督 本多猪四郎
出演 佐原健二、平田昭彦、白川由美、河内桃子、志村喬

 小生、生まれは西宮だが、三つの時からずっと神戸は東灘の住民である。その東灘に甲南というところがある。六甲山の南である。JRにも甲南山手という駅があるし、甲南大学もある。その甲南に甲南朝日という映画館があった。東宝の封切館で、ここでよく東宝の特撮映画をよく観た。
 トシを取ると幼いころのことが懐かしく思い出される。甲南朝日でいろんな特撮映画を観たが、とくに印象に残っているのが「地球防衛軍」だ。このたびDVDを買った。観た。
 製作田中友幸、監督本多猪四郎、特技監督円谷英二、音楽伊福部昭。出演佐原健二、平田昭彦。子供のころこういう陣容の映画を何本も観たことか。それが長じたらこういうおっさんになったわけだ。これらの人たちが創る映画は決してSF映画ではない。空想科学映画なのだ。そうだ小生は実はSFファンではないのだ。空想科学小説ファンなのである。バラード、ムアコック、シッシあっち行け。ハミルトン、スミス好き好きなのである。
 もうすぐ正月。大昔、昭和の時代の新聞の元旦企画といえば「未来の日本」とかいって明るく希望に満ちた未来を想像するモノであった。小松崎茂が描く日本の未来。東京大阪を3時間で結ぶ夢の超特急。四国と本州に夢の懸け橋が架かる。こんな素晴らしい未来が来るのかとワクワクしながら見たもんだ。この「地球防衛軍」はその小松崎茂がデザインの設定をやっている。あの小松崎茂の絵が実写で動くのである。
 甲南朝日で観た東宝特撮映画はあまたあるが、この映画はごく初期であった。そりゃ今のCGやらデジタルやらで創った映像もすごいが、この昭和の特撮映画は手作りの工芸品を見るような味わいがある。
 火星と木星の間には小惑星がたくさんある。あれは一つの惑星であった。ミステリアンというその惑星の住民の一部は火星に逃れ、月の裏側に基地を作って、地球上空に宇宙ステーションまで作っている。そのミステリアンが冨士山麓に基地を作った。巨大なドームが地上に出ている。空飛ぶ円盤も飛ばし、怪ロボットも繰り出してきた。要求は土地と地球人の女性。そんな要求はのめるわけがなうい。戦いとなるが、地球の兵器では歯が立たない。
 という、空想科学な映画である。とつぜんミステリアンに対抗できる兵器が出てきたり、たった一人で乗り込んだ若手科学者の活躍で拉致された女性たちが救出されたりとか、都合よくお話は進むが、そこはそれ、ご愛敬というもの。押入れの奥から小さなころ遊んだおもちゃ箱がでてきた。ひっくりかえしたら楽しいモノがいっぱい。そんな映画である。