楕円と円 By I.SATO

人生も自転車も下りが最高!
気の向くままに日常と趣味の自転車旅を綴ります。

裏金は飲み食いだけか

2023年12月16日 | 日記

自民党パーティ券による裏金づくりが発覚したのは、「しんぶん赤旗日曜版」の記者がおかしいと気づいて、神戸学院大学の上脇博之教授に相談したところ、これは法律違反であり事実であれば大変なことだということで教授が告発し、東京地検の特捜部が捜査を開始したことがきっかけと記憶している。

 

しかし、メディアは何故かこのことにあまり触れないし、〝関係者への取材によると〟との決まり文句で検察からのリークを伝えるばかりで、独自取材をしているようには感じない。

最近は「政治家の立件は難しそうだ。」との法律家の見立てと政局がらみの岸田政権人事の出来映えに収れんしつつあるように見える。

いつもそうなのだが、政治改革の問題の核心がカネにあることをとことん追求しない。

 

思い出すのは今年の9月8日付けの中国新聞の大スクープである。

何故か他のメディアは追いかけなかったが、大掛かりな公職選挙法違反(買収)で逮捕されたあの河合克行元法相(服役中)と妻の杏里元参議院議員(有罪確定)の買収資金の原資と思われる克行氏のメモ書きを検察が自宅から押収していたという内容だった。

 

メモ書きには「総理2800 すがっち500  幹事長3300 甘利100」と手書きされ、東京地検特捜部などの検察当局は、自民党本部が夫婦の選挙区支部に振り込んだ1億5千万円に加えて、6700万円が現金で提供され、「総理2800」などの記述は内訳とみていたという。

〝内訳〟は、誰が見ても、安倍総理、菅官房長官、二階 幹事長、甘利 明議員である。相当な力の入れ具合である。

 

甘利議員(当時、自民党選挙対委員長)だけは立場上、「〝陣中見舞い〟で渡した。」と取材に対して認めてたらしいが、安倍晋三、菅官房長官、二階幹事長、甘利自民党選挙対委員長への検察の事情聴取は何故か行われなかった。

「総理」以下、政府・与党の大幹部が河合夫婦に資金を提供し、(県会議員等の)買収工作が行われていたなら大疑獄事件である。

 

克行氏の政治団体には現金の入金記録が無いという。

どこか似てはいないかと考えるのは考え過ぎか。

 

今回の裏金がその組織性、億単位の金額、数十年という期間の長さから飲み食いだけに使われてきたとは到底思えない。

検察には使途を徹底的に調べて欲しい。

 

そして、メディアには足で稼いだ大スクープを期待する。

検察捜査が終わって、〝大山鳴動してネズミ一匹〟と書き立てても政治改革は進まない。