楕円と円 By I.SATO

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投票率と新自由主義のつながり

2023年12月27日 | 日記

興味深い記事を読んだ。

イギリスの政治学者コリン・ヘイによれば、欧米の1990年代以降の投票率の低落傾向は、「公共選択理論」の流行や「グローバル化」の進展と関係があるという。

「公共選択理論」は耳慣れないが、政治の問題を経済的思考に還元するものらしい。

 

身近なところでは確かにJRの廃止は地域社会という政治問題ではなく、収益性という経済問題になってしまった。

昔の地方自治体の仕事で常に頭を縛られた〝財政規律〟も1980年代から大蔵予算編成で〝シーリング(削る)〟という経済的手法で始まり、地域にとって本当に何が必要かと考えることを置き去りにしてしまったという反省がある。

国の予算の優先課題は声の大きい者とアメリカからの要求内容であったと思う。

 

施光恒・九大教授は日本でも新自由主義政策に基づくグローバル化が進められた1990年代以降、衆院選挙の投票率はそれまでの平均70パーセント前半から50パーセント前半まで下がったという。

 

グローバル化は「規制緩和」と「民営化」といった新自由主義の延長にある。

ヒト、モノ、カネ、サービスが国境を越えて飛び回るのだから、政策はその分野に強い投資家や企業の声を代弁したものになり、一般庶民の声はかき消され、グローバル化の恩恵を受けた層とそうでない層との分断を招いた。

今起きている社会現象の多くが当てはまる。

 

施・九大教授は続けて、こうして政治の領域が経済の論理に侵食されてきたことが一般庶民の政治的関心を削いできた。

〝政治主導〟の背景を見つめるべきだと説く。

 

次の衆院選挙は大切だ。

何故、投票率が低いのか、根本的に考える良い機会と思う。

 

立憲民主党に共産党に近づくなと警告しつつ、自民党にすり寄っている不思議な連合会長が今回の自民党の裏金事件によって、どう出るのか、立憲がどう出るのか、政権交代の分水嶺になるのではないかと注目している。

維新、国民はどうでもよいので、立憲、共産、れいわが新自由主義的な政策から決別した構えの大きい連立政権構想を示し、政治への関心を高めなければ〝カネ、カネ、カネ〟に汚染された政治を変えられない。

投票率を上げることは簡単ではなさそうだが、野党の力量が試されている。

 

【資料】