楕円と円 By I.SATO

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森法務大臣、大丈夫?

2020年03月11日 | 日記

東京高検黒川検事長の定年延長の閣議決定に関する森法務大臣の答弁は酷すぎる。

9日の参院予算委員会で、去年の11月では検討されていなかったが、年が明けて1月に急遽出てきた理由を問われて、「東日本大震災で検事が十数人を釈放して真っ先に逃げた。」「情報ネットシステムが国際化している。」と気でも狂ったのかと思われる何の脈絡も無い答弁をして怒号に包まれた。

そこまでして、法律家として、国会議員として、大臣として、そして何より人としての信用を失墜させてしまうようなことをする理由は何のだろうか。

森大臣に限らず安倍内閣、霞ヶ関幹部には何故かそのような人物が多い。『腐敗』の実証研究は盛んだということを聞くが、嘘、支離滅裂は社会の病理となっているのだろうか。

検事総長人事では過去にも「木内騒動」と呼ばれるものがあった。共同通信竹田編集委員が2020.3.11付けで「News47」に書いていて知った。

芦田均内閣総辞職と芦田前首相が逮捕されるという昭電疑獄事件も絡んで話が込み入っている。乱暴なまとめだが概略は次のとおりだ。騒動は吉田茂内閣の1951年に始まる。

時の大橋法相が戦後の主流派閥となっていた「経済検察」の木内最高検次長検事を札幌高検検事長に異動(左遷)させ、後任に戦前の主流派閥の「思想検察」の岸本広島高検検事長を就けようとして、佐藤検事総長と衝突する。

大橋法相は抵抗にあって、札幌から名古屋に変更案を示すが、木内は検察組織を思い辞表を提出する。岸本は次長検事から事務次官となり、東京地検特捜部の木内色を一層するが結局検事総長にはなれず政界に転出する。

政界に転出した岸本を公選法違反で起訴し、有罪にしたのは木内の元の部下の馬場検事総長だった。敵を取ったということか。

検察人事に政治が介入し、遺恨は13年も続いて組織を痛めることになった出来事として記されている。

森法務大臣は官邸のパペットだとしても、冷静さを失った異常な言動が極めて心配である。黒川検事長は既に定年延長を書面で承諾していて木内のような見識をもはや期待出来ない。

検察組織を再び傷つけることのないよう、まさにコロナの陰に隠れてしまっている“黒川騒動”を国会も報道も引っ張り出し続けなければならないと思う。