楕円と円 By I.SATO

人生も自転車も下りが最高!
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小説 1984 年

2019年12月08日 | 日記

--平和省は戦争を遂行し、真理省は嘘を吐き、愛情省は党の脅威になりそうな人物を粛正する。--

--世論は日々、修正された歴史、公式的な記憶喪失、明白な嘘を与えていられるのだが、メリーゴーラウンドと同様、何の危険も無いと考えられている。--

自分が生まれた1949年に書かれたジョージ・オーウェルの仮想未来小説『1984年』。読み返して、解説にある文章が「桜を見る会」の安倍首相夫妻を巡る疑惑を政府機関が総掛かりで蓋をしようとする姿そのものであることに改めて気づく。

つまりは小説が想像させるスターリン時代の全体主義社会に日本は似ているということか。メリーゴーラウンド”に乗っている場合でない。

二つのことを同時に等しく信じる「二重思考」は『安倍晋三-この空虚な器-』論(保守言論誌「クライテリオン」)に通じることも新たな発見だ。

社会の断片化された願望が安倍晋三という空虚な器に放り込まれ、無分別にそれぞれに答えることで支持を調達していく。それらに何の整合性も無く、統合されることも無い。結果、矛盾した政策が二重性を持って併立し、やがて国家が何を目指しているかが分からなくなるという論だ。

「モリカケ」、「桜を見る会」と続いて民主主義も社会のモラルも破壊されて取り返せなくなることが恐ろしい。

真理省で疑問を持ちながらもひたすら事実の改竄を行う『1984年』の主人公の辿る結末は難しくて理解出来ないものがあるが、真相はしつこく追求されなければならない。失う物が大きすぎる。