団塊太郎の徒然草

つれづれなるままに日ぐらし

中国不動産、香港富豪が大量投げ売り 海外投資家の「中国売り」加速

2014-04-25 11:33:22 | 日記
不動産バブルの本格崩壊が迫り、世界の投資マネーが中国から脱出を急いでいる。不動産価格の暴落や開発業者の大量淘汰(とうた)が予想されるなか、香港の世界的富豪は中国本土の不動産の処分を済ませ、有力金融機関は「不動産バブルは影の銀行(シャドーバンキング)より深刻」「すでに崩壊が始まった」と警鐘を打ち鳴らす。「中国売り」はもう止まらない。

 香港の実業家、李嘉誠(リ・カシン)氏(85)の動向が投資家に波紋を広げている。不動産をはじめ、電力、通信、小売りなど幅広く事業を展開、アジアで最も成功した企業家とされ、「李超人」と異名を取る。

 米フォーブズ誌の世界の富豪ランキングでも、推定資産342億ドル(約3兆4900億円)で15位、アジア人では最上位だ。

 今月上旬、その李嘉誠氏の次男、李沢楷(リチャード・リー)氏が率いる企業が、北京に保有していた複合施設を72億香港ドル(約950億円)で売却すると報じられた。売却資金は日本やタイ、インドネシアなどの事業に回すという。

 巨額とはいえ、1件の不動産取引が大きく報道された理由は、李氏親子が中国本土で保有する不動産がほぼなくなるためだ。

 李嘉誠氏は1990年代から中国本土への投資を拡大させてきたが、昨年8月ごろから売却を加速させてきた。これまでの売却額は200億香港ドル(約2640億円)にのぼるとみられる。

 「李氏は、2008年のリーマン・ショックを予測して、事前に上海市内の不動産を売り抜けたといわれている。今回も中国の不動産バブル崩壊を見越した行動ではないか」(外資系証券エコノミスト)との指摘もある。

資産を中国から逃す動きは李氏に限らない。中国メディアの新浪財経によると、昨年の段階で海外投資家の資金1兆元(約16兆円)が中国から流出したというが、この流れはさらに加速しているようだ。

 中国経済の危険性に警鐘を鳴らしてきた企業文化研究所理事長の勝又壽良(ひさよし)氏は、その背景について語る。

 「中国の人民元には、国際的な投資家が自分の富を安全に蓄えておく機能が存在しない。これは資本の自由な移動が遮断されているためで、元も中国も国際的な信任を受けていない結果といえる」

 足元の不動産市況も低迷ぶりが鮮明になってきた。中国国家統計局が発表した1~3月期の住宅販売額は、前年同期比7・7%減の1兆1000億元(約18兆円)と落ち込み、新規着工面積は25%と大幅減に見舞われた。

 3月の新築住宅価格も、マンション投資が活発だった浙江省温州が前年同月比4・2%下落。他の都市も上昇率が鈍化した。前月比では温州や海南省海口など4都市でマイナスとなっている。

 不動産関連は中国の国内総生産(GDP)の約16%を占めるだけに、専門家も強い警戒を示す。

 野村インターナショナルのアナリストは、「不動産バブルの崩壊リスクは、影の銀行や地方政府の債務問題を上回る」と指摘。フランスの金融大手、ソシエテジェネラルのエコノミストも「多くの都市では、住宅市場が冷え込むだけでなく、崩壊が始まっている」と分析している。

中国では、石炭、太陽光発電、不動産の3業種が相次いでデフォルト(債務不履行)に陥るなど問題業種として知られる。影の銀行による融資もこの3業種向けが急拡大し、その規模は約180兆円に達している。中でも問題視されているのが不動産だ。

 ブルームバーグの報道では、12年時点で9万社近い不動産開発業者が存在するが、米不動産グループの専門家は今後、淘汰が進むとみる。

 前出の勝又氏はこう語る。

 「中国の地方政府は、農地を農民から強制買収し、高値で開発業者に売り渡す形で不動産バブルを生み出し、その結果として中国各地に『鬼城(ゴーストタウン)』が10カ所以上も出現した。非効率で利益を生まない投資が中国経済を支えていたが、現在、すべて逆回転を始めている」

 最近も商船三井の船舶を差し押えるなど、中国当局が日本企業たたきに血道を上げた結果、日本の対中投資は激減した。結果論ではあるが、チャイナリスクを回避する好機かもしれない。

iPS細胞の大量培養に成功 京大、タンクで量産目指す

2014-04-25 11:27:30 | 日記
 ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)を、高い品質を保ちながら大量培養する新技術を京都大などのグループが開発した。従来の技術より生産規模を拡大しやすく、大量のiPS細胞が必要な脊髄(せきずい)損傷などの再生医療に適した量を安定供給する実用システムにつながると期待される。米科学誌ステムセルリポーツ電子版に25日発表する。

 iPS細胞は無限に増える能力を持つが、量産は難しい。培養皿で増やす方法では一枚で得られる量が限られる。底の深い容器に培養液を入れて増やそうとすると細胞が底に沈んで増えなくなる。沈まないようにかき混ぜると細胞が傷つくおそれがある。また、細胞の塊が大きくなると内部まで栄養が届かなくなる。

 京大の中辻憲夫教授(幹細胞生物学)らは、食品添加物に使われる増粘剤を培養液に加えると細胞が沈まなくなることを発見。別の添加剤で細胞の塊同士をくっつきにくくさせ、大きくなった塊を網目に通して安全にバラバラにする技術も確立した。その結果、培養液200ミリリットルの容器で、直径10センチの培養皿約20枚分の高品質なiPS細胞を得ることに成功した。

 中辻さんは「容器を大きくして培養液を増やせば量産につながる」と話す。企業と連携し、3年以内に大型タンクで大量培養するシステム作りをめざす。(阿部彰芳)

朝日新聞デジタル 4月25日(金)5時43分配信