肺がん治療薬「イレッサ」の副作用で死亡した患者の遺族らが国などを訴えた訴訟を巡り、民間団体「薬害オンブズパースン会議」(東京)が厚生労働省内の検証資料の全面開示を求めた訴訟で、東京地裁は29日、請求を棄却する判決を言い渡した。
谷口豊裁判長は「資料には個人情報が含まれ、不開示決定は適法」とした。
イレッサ訴訟では2011年、厚労省幹部らが医学系学会に対し、遺族との和解に反対するよう要請したことが発覚。同団体はこの経緯を知るため、厚労省の検証資料について情報公開請求を申し立てたが、開示資料のうち100枚近くはほぼ黒塗りだった。この日の判決は、検証作業が非公開を前提に関係者の協力を得た点も重視した。
谷口豊裁判長は「資料には個人情報が含まれ、不開示決定は適法」とした。
イレッサ訴訟では2011年、厚労省幹部らが医学系学会に対し、遺族との和解に反対するよう要請したことが発覚。同団体はこの経緯を知るため、厚労省の検証資料について情報公開請求を申し立てたが、開示資料のうち100枚近くはほぼ黒塗りだった。この日の判決は、検証作業が非公開を前提に関係者の協力を得た点も重視した。