団塊太郎の徒然草

つれづれなるままに日ぐらし

うつ病、機械による客観的診断&治療が可能に~手軽に数値化できる唾液診断も

2013-10-31 15:14:43 | 日記

うつ病。ストレス社会の現代、誰もが知っている心の病。

 しかし、多くの感染症や、ケガ、慢性疾患などと異なり、うつ病の診断方法は、医師の主観によるもので、「血液中から抑鬱物質が見つかりましたから、うつ病ですね」というものではありません。

 別段これでも患者さんには大きなデメリットはないのですが、確証がないということで「所詮は心の問題」「根性不足」といった偏見があるのも事実です。

 そこで近年、最後の砦だった精神医学でも、診断や治療に客観的な結果の出る測定機器が用いられるようになってきています。

 うつ病の多くは、脳内で明らかに健常者とは違う脳内物質のバランスの崩れや、活性化しないはずの部位が活性化していたりするのですが、その病態を実際に見て、確証が欲しいという声に応えるように、さまざまな機材や試験薬の研究が重ねられています。

 実際に数値や画像などで「病気である」という確証が得られることで、病気に対して真剣に取り組まないといけないという動機につながることもあります。

 例えば、うつ病は精神科医が面談して診断するというのが一般的であり、今でもそれが主流なのですが、最近は光トポグラフィーという機械がうつ病の客観的診断の助けになると評判になっています。

●光トポグラフィーによる、うつ病の画像診断

 原理は比較的単純で、うつ病患者によくある特徴を画像診断で「見える化」するというものです。

 うつ病は健常者と比べると、前頭前野の血流量の変化に違いが見られます。だから血流量の変化を計ればいいということになります。この装置は、その名の通り光を使い、その反射光で診断するのです。光を頭皮にあてても中に通らないと思われそうですが、頭蓋骨の上から近赤外線つまり光をビームにして照射すると1%くらいが頭蓋骨を透過し、脳の表面1~2センチくらいで光は反射して、その1%ほどが頭蓋骨を透過して出てくることがわかっており、この微量の反射光を精密なセンサーで測定することで、光が脳を透過する間の血流量がわかるというわけです。頭蓋骨を光が透過するなんて恐ろしいと感じるかもしれませんが、もちろん害はありません。

 原理自体は書くと簡単ですが、実際はかなり高度な技術であり、機械も高額です。診断料も保険は適用できず、1万円以上かかってしまいます。また頻繁に使うというほど簡便ではないのも難点です。

 また、この機械診断と共に、うつ病の治療機械も開発されています。経頭蓋磁気刺激という方法で、前頭前野の血流量を磁気刺激で改善しようというものです。これらを組み合わせ、うつ病は光トポグラフィーで診断して、経頭蓋磁気刺激で治療するという流れが考えられます。実際に、脳に磁気刺激をして症状が改善している患者さんも見られます。

 しかし、機械の精度や信頼性は、まだ万人に対応できるほどには達していません。画像は鮮明とはいい難く、ラフな診断しかできず、漏れも多いのです。心の病気というのは一筋縄ではいきません。実際に磁気刺激治療が全然効かない人も多く、簡単に機械診断・機械治療にシフトはできないでしょう。

●唾液から、うつ病診断が可能に?

 先ほど紹介した機械を使用しての検査は高額ですが、もっと簡単なうつ病の検査方法も登場し始めています。唾液からストレスにまつわる分泌物を調べ、それを数値化するというものです。

 身体ストレスの負荷が高いと、脳が非常事態警報を発して副腎皮質からコルチゾールというホルモンの分泌が促されます。そこで、採血してコルチゾールの血中濃度を計ればストレス数値としてわかりやすいが、いちいち採血するのは採るほうも採られるほうも大変です。

 近年、コルチゾール血中濃度は唾液中のコルチゾールに反映されることがわかってきたので、ガムをかむような要領で唾液採取用のスポンジに唾液を染み込ませるだけで検査が可能となりました。これなら痛みも伴わないし楽です。

もう一つ、唾液でストレス状態を調べる方法があります。それはクロモグラニンAという物質を測定するのですが、この物質は副腎髄質から放出されるアドレナリンの量と関係しています。アドレナリンは精神的ストレスの程度と関係が深い物質で、以前から注目されていましたが、アドレナリンは代謝が早く、刻々と濃度が変化することや、採血のときの痛み刺激だけでも濃度が変化するので測定が難しく、有効な数値はなかなか出せませんでした。

 しかし、唾液中のクロモグラニンAという物質は、比較的安定で副腎髄質からアドレナリンと一緒に放出されるので、アドレナリンの濃度そのものよりアドレナリンがどのくらい出ていたか、ある意味、興奮やストレスの蓄積状態を示し、転じてストレスの度合いを推し量りやすいのです。

 そして現在、いくつかの病院で行うことができる検査として、グロモグラニンAをはじめ数種類のうつ病と因果関係のある成分を分析、数値化することができるようになってきています。あくまでストレス状態を数値化するだけのもので、うつ病診断にそのまま使えるわけではありませんが、費用も5000円以下で、何よりも唾液を採取するだけなので、痛みもありません。

 筆者も患者さんからの要望で、確証が欲しいといったリクエストがあった際には提案することにしています。

 まだ取り扱っている病院は少ないので、診断を受けたい場合は、最寄りの病院に事前に問い合わせてみるといいでしょう。
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中川晶/なかがわ中之島クリニック院長

帝国ホテルよ、お前もか?

2013-10-31 11:04:00 | 日記
阪急阪神ホテルズ系列のレストランでメニューと異なる食材が使われていた問題に関連し、国内外の要人が宿泊する「帝国ホテル」でも7年前まで、「フレッシュジュース」として非加熱加工のストレートジュースを提供していたことが30日、分かった。

 ホテルによると、東京都千代田区の「帝国ホテル」と大阪市北区の「帝国ホテル大阪」のコーヒーショップなどで平成18年5月まで、「フレッシュジュース」と表記しながら、瞬間冷凍した非加熱加工品のストレートジュースを外部から購入し提供していた。

 JAS法に基づく果実飲料品質表示基準では、メーカーや卸業者を対象に、加工したジュースには、「フレッシュ」の文言を使用してはいけないと定めている。

 帝国ホテルは、メーカー側から加熱加工したジュースへの変更を提案されたことを契機に、フレッシュジュースとして提供するのは不適当と判断。18年5月以降は「生の果実をホテル内で搾ったものを使用している」としている。

 ホテルは産経新聞の取材に対し「偽装の意図は全くなく、当時は生搾りのジュースと品質はほぼ同等と考えていた」としている。



食材偽装表示、やはり氷山の一角だった 全国のホテルが相次ぎ公表


レストランなどでメニュー表記と異なる食材が提供されていた問題で、大津プリンスホテル(大津市)が乳飲料を「低脂肪牛乳」と誤った表示で提供していたことが29日、分かった。このほかJR四国の子会社が運営するホテルのレストランも虚偽表示を発表。札幌市や浜松市のホテルでも、同様の事例が発覚した。これまで“偽装”が明らかになった阪急阪神ホテルズやザ・リッツ・カールトン大阪は、やはり氷山の一角だったのか。問題は一気に全国に波及した。

 大津プリンスホテルのレストランでは、乳飲料を「低脂肪牛乳」として店内に表示し、平成23年12月下旬から25年8月上旬まで、15万人以上に提供し、返金に応じているという。別のプリンスホテルが今年8月、低脂肪牛乳の提供を検討するため、大津プリンスホテルからサンプルを取り寄せ、問題が発覚した。

 食材偽装に注目が集まるなか、あらためて調査を行った各地のレストランでも次々と問題が明らかに。JR四国は、子会社などが運営する徳島、愛媛、高知のレストラン3店舗で虚偽表示があったと公表した。

 ホテルクレメント宇和島(愛媛県宇和島市)のレストランでは「自家製漬物」のキュウリが既製品。ホテルクレメント徳島(徳島市)でも「和風ステーキ膳」の食材に牛脂注入肉を使用していたのに記載しなかった。JR四国は返金を検討中で、「法律の知識不足だった」としている。

このほか「阪急阪神ホテルズの問題を受け、調査を始めた」という浜松市のホテルコンコルド浜松もカレーのメニューで静岡県産食材の使用をうたいながら、実際には使っていないケースがあったと公表した。

 ルネッサンスサッポロホテル(札幌市)では、中華レストランで「タイショウエビ」「芝エビ」としたメニュー表示と異なり、単価の安いバナメイエビやホワイトタイガーを使っていたことが判明。原田博総支配人は「悪意ではなく認識不足」と釈明したが、消費者からは厳しい視線にさらされそうだ。

 ホテル業界に詳しい国際教養大学の元特任教授、土井久太郎氏は「『このくらいは大丈夫』という、ことなかれ主義が日本全体を覆っていた証拠。これまで内部で問題に気がついてもお茶を濁していたのではないか」と指摘したうえで、「阪急阪神ホテルズが厳しい批判にさらされているのを目の当たりにして、各地のホテルが『早く言わないと、ばれたら大変なことになる』と、横並びで一斉に公表に転じているのではないか」と話している。



名古屋観光ホテル(名古屋市中区)は30日までに、ステーキに加工肉を使用していたにもかかわらず、加工肉であることを表示せず直営レストランで提供していたことをホームページで明らかにした。消費者庁によると、実物よりも良い品と誤認させることを禁じる景品表示法の「優良誤認」に当たる恐れがある。ホテル側は取材に対し「法令に対する認識が不足していた」と釈明している。

 ホテルによると、ホテル内の直営店「ジャルダン」「エスコフィエ」「ル・シュッド」で2009年11月以降、牛脂を注入した「牛肉ステーキ」「シャリアピンステーキ」について、メニュー上で加工肉であることを表記していなかった。消費者庁はステーキに加工肉を使用する場合、「加工肉使用」などと明確に記載するよう指導している。

 阪急阪神ホテルズがメニューと異なる食材を使っていた問題を受けて社内調査したところ、判明した。今月25日から加工肉使用をやめ、29日付でホームページにおわびを掲載した。顧客への対応は「検討中」としている。



阪急阪神の料理偽装 「筆滑った」…名門ホテルはなぜ暴走したのか


阪急阪神ホテルズ(大阪市)のホテルやレストランで、「鮮魚のムニエル」と表示しながら冷凍魚を使うなどメニュー表示と異なる食材が使われていた問題が、他の名門ホテルを含め波紋を広げている。調理担当者だけでなく、メニュー表示の担当者が虚偽を認識していたことも判明。コンプライアンス(法令順守)が声高に叫ばれる時代に、同社はなぜ暴走したのか。

 問題が発覚したのは4都府県8カ所のホテルに入るレストラン計23店。同社の井上豊営業企画部長は「メニュー表示で筆が滑ってしまったのではないか」と釈明したが、各ホテルには23日、「返金されるのか」「もう使わない」といった問い合わせや苦情が数百件も殺到した。

 東京・帝国ホテルは、マニュアルに基づき行っている全メニューの発注、納品業務を再確認。広報課は「われわれは正しく表示しているが、問題を他山の石としたい」と話した。

 東京・椿山(ちんざん)荘や全国のワシントンホテルなど約50のホテルなどを経営する藤田観光も、食材の産地表示を再度確かめるよう指示した。「『鮮魚』や『地元野菜』といった誤解を招きやすい表示があれば取りやめる」(広報担当)という。            

 企業倫理を踏み外したのは、食材の安定供給の困難さと、業界を取り巻く厳しい環境があるようだ。

 「九条ねぎのロティ」「ホテル菜園の無農薬野菜」。問題の料理は、大半が産地や栽培方法をあえてうたっていた。ホテル業界では、少し変わった食材で高級感を出すことは常識的なやり方だという。

 九条ネギの主要生産地があるJA京都によると、ハウス栽培で通年出荷できるようになったが、供給量も少なく、台風の被害などで1袋数十円が200円以上になることも。阪急阪神ホテルズによると、メニューの開発当初は九条ネギを使っていたが、平成23年6月に提供を始めた後に入手困難になり、青ネギと白ネギに変えた。

 「芝海老とイカのクリスタル炒め」には、バナメイエビが使われていた。シバエビは仕入れ値が1キロ2500円、バナメイエビは1400円だった。               

 関西では数年前から外資系ホテルが相次いで進出。客の奪い合いが激化し、コストカットの圧力が高まっているという。ホテル業界誌「週刊ホテルレストラン」元編集長の村上実さんは、その影響で「ブラック企業化しているホテルもあり、風通しが悪くなっている」と打ち明ける。

 宮城大学の堀田宗徳准教授(56)=フードサービス論=は「競争が厳しく、食材も安いものを使わなければならないとしても、顧客無視の企業の論理、コンプライアンス低下と言わざるを得ない」と話した。



「騒動は日本特有の問題」記者会見で見えたリッツ大阪の“世界観”

ザ・リッツ・カールトン大阪が26日に開いた記者会見での主なやり取りは次の通り。総支配人のオリオル・モンタル氏とアジア地区の広報責任者、エインズリー・チャン氏の2人が回答した。
--事実と異なる表示が行われていたことについて従業員は誰も疑問に思わなかったのか

「気づかなかったことはおわびするが、決して意図的ではない。(開業から)17年間ご利用いただいているお客さまにはご了承いただけるのではないか」

--一番の問題は何か

「問題を是正することが重要と思っている。総支配人としてどこが問題だったかは申し上げるべきではない」

--原因がわからなければ、再発防止できないのではないか

「当然、把握している。知識が欠けていた。トレーニングが不足していた」

--返金の金額や対象者の人数は

「把握していない。第一に問題を是正すること、次に紳士淑女(=ホテル従業員のこと)をサポートすること、そして、報道陣のみなさんを通じてお客様に謝罪していくこと、が大事だと考えている」

--メニューの「偽装」ではないのか

「『偽装』ではなく『ミス』だ。ただ、お客さまの信頼を損ねたことは大きな問題と考える」

--ホテルのメニュー表示をめぐる問題が社会問題化している。(世界的なホテルチェーンとして)グローバルな視点で、どう受け止めているか

「日本特有の問題と受け止めている」


--その真意は?

「日本の食材の多さや複雑さ、高い品質へのこだわりも要因だということ。ただ、これを言い訳にはしたくない。ミスを深刻に受け止め、今後、このようなことを起こさないように改善したい」



「芝エビ」と「バナメイエビ」は区別できない? あのミシュランも騙されたのか


阪急阪神ホテルズやプリンスホテルなどのメニュー偽装に登場する「芝エビ」料理。「バナメイエビ」を「芝エビ」と表記して料理を提供していた。

ウソかホントかは不明だが、ホテルの料理人でさえ「エビ」の見分けがつかないのだとしたら、もう「芝エビ」の表記は信じられないではないか――。

バナメイエビは「芝エビ」の和名だと思っていた?

阪急阪神ホテルズが運営するホテルでは「芝海老とイカのクリスタル炒め」に、安価なバナメイエビを「芝海老」と表記。札幌プリンスホテルでは「芝海老のチリソース煮」などを同様の表記で提供していた。

2013年10月28日には、札幌市豊平区のルネッサンスサッポロホテルの中華料理店「美麗華」で、仕入れたエビの種類をわからないまま、大きいエビを「大正エビ」、小さいエビを「芝エビ」と表記してチリソースなどに使用していたことがわかった。

あるホテルの関係者によると、「小さいエビを『芝エビ』、大きいエビを『車エビ』と呼ぶのが暗黙の了解になっていました。イメージもあり、通称のようなものです」と、明かす。そのため、料理人がエビの種類を気にせず調理し、お客に提供していたというのだ。 別のホテルでは、「バナメイエビの和名が芝エビだと思っていた料理人がいた」と、にわかに信じがたい話もある。

料理人であれば、手にすれば違いがわかりそうなものだが、芝エビとバナメイエビはそんなに区別できないものなのだろうか――。

現在、日本で多く食されている芝エビの主な産地は、九州・有明海の沿岸。ただし、中国などからの輸入物(冷凍)も少なくない。

芝エビは成長すると15センチほどにもなるが、10センチ程度の大きさが好まれるという。漁期は産卵明けの10月頃から翌年の3月頃までで、旬は冬から春先だ。

薄いグレーで全身に藍色の小斑点がある姿はあまり美しいとはいえないが、甘みがあり、天ぷらやかき揚げとして食される。その味は、かつて江戸前寿司の卵焼きにはすり身にして使用してもわかるほど濃いとされる。

バナメイエビ、プリプリの食感は日本人好み

一方、「バナメイエビ」はタイやマレーシア、インドネシアなどで養殖され、大量に輸入されている。それもあって、芝エビは町のスーパーマーケットでなかなか見つけられないが、バナメイエビは多くの店で売られている。2013年はタイなどで生産量が激減しているが、それでも芝エビよりは入手しやすいようだ。

生きているときは色が黒っぽいが、鮮度が落ちると白っぽくなってくる。味は淡泊だが、プリプリの食感は日本人好み。バナメイエビも、たとえば中華料理のチリソースとして提供されてしまえば、見た目は芝エビと遜色ないといえなくもない。

肝心の味の違いも、よくわからない。メニュー偽装が発覚したザ・リッツ・カールトン大阪の中華料理店「香桃」は、芝エビの代わりにバナメイエビを7年以上も前から使っていたが、「ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良 2013」で一つ星を獲得していた。

もっとも、ミシュランが「香桃」を訪れたときに芝エビの料理を食べたかどうかは不明だが…