団塊太郎の徒然草

つれづれなるままに日ぐらし

汚染水:韓国と共同調査…国際的不安払拭狙い 規制委方針

2013-10-10 19:51:17 | 日記
田中俊一原子力規制委員長は7日、東京電力福島第1原発の汚染水問題を巡る参院経済産業委員会の閉会中審査で、汚染水の海洋への影響について、韓国などの近隣諸国と共同で調査する方針を明らかにした。汚染水問題では、韓国政府が福島県を含む周辺8県からの水産物輸入を全面禁止するなど国際的に不安が高まっており、共同調査を通じて懸念を払拭(ふっしょく)する狙いがある。

 田中氏は9月の国際原子力機関(IAEA)総会で天野之弥事務局長と会談した際、天野氏から「不安を払拭するため、韓国や関係各国が参加する形でモニタリングした方がいい」と提案があったことを明らかにし、「外務省を通じて一緒に調査する方向で準備している。IAEAが窓口になり、特に影響が懸念されている韓国や東南アジア各国もできるだけ参加してもらう方向で検討していく」と述べた。

 閉会中審査では、自民党の塩崎恭久政調会長代理が東電本体と原発事故処理部門の会社分割に言及したことも取り上げられた。茂木敏充経済産業相は事故の収束や廃炉、汚染水対策が「東電として最優先であることは間違いない」としたうえで、「今後40年を見据えた電気事業のあり方、事業環境の変化を踏まえ、各事業者において適切に判断すべき問題だ」と述べるにとどめた。

 茂木氏は、小泉純一郎元首相が「脱原発」を主張していることについても「国民の間でもさまざまな議論がある。それぞれの議論を踏まえながらしっかりとした国のエネルギー政策を構築していきたい」と具体的な言及を避けた。

 閉会中審査は、9月27、30両日の衆院経産委に続く開催。東電の広瀬直己社長は相次ぐトラブルについて「恥ずかしい事象が頻発し、現場の工事の管理が甘いことは間違いなく言える。本当に申し訳ない」と改めて謝罪した。ただ、国際オリンピック委員会(IOC)総会で安倍晋三首相が「状況はコントロールされている」と発言したことや、事故処理に関する国と東電の役割分担などを巡っては、政府、東電とも従来通りの答弁を繰り返した。【
笈田直樹、飼手勇介】

名古屋市:政調費の人件費受取人を実名公開へ 条例見直し

2013-10-10 19:42:37 | 日記
 名古屋市の河村たかし市長は10日、不正受給が相次ぐ政務調査費(今年3月から名称は政務活動費)に関し、市議から人件費として政務活動費を受け取った人の実名公開を義務付ける考えを明らかにした。市議会の政務活動費の交付を規定する条例を見直し、改正案を11月定例市議会にも提出する方針だ。

 名古屋市民オンブズマンによると、改正条例が成立すれば、全国で初めてという。河村市長は「市長として市民の税金を守る必要がある」などと述べた。

 同市では、政務活動費は市議1人当たり年600万円を所属会派に支給し、会派が各市議に交付している。交付を受けると、領収書を添付した収支報告書の提出が必要だ。収支報告書は公開されているが、人件費を受け取った人の実名は個人情報保護の観点から市情報公開条例の「非公開情報」と判断され、黒塗りされている。

 河村市長は従来の黒塗り部分も公開することを条例で規定し、交付の透明性を高めたい考えだ。市長主導での条例改正には議会側の反発も予想されるが、河村市長は「まずは議会に(見直しを)促してみたい」と述べ、議会側が率先して公開する場合には改正案は提出しないという。【
井上直樹、駒木智一】


名古屋市議の政調費不正疑惑:市議会議長、減税日本市議団に返還など再要請 

地域政党・減税日本の中村孝道(こうどう)名古屋市議の政務調査費を巡る不正受給疑惑に関し、藤田和秀議長は3日、同党市議団に対し、政調費の返還など適切な対応を早急に取るよう改めて求めた。

 園田晴夫団長らに議会内で直接、文書を渡した。文書では、問題への結論を出していない市議団の姿勢について「いたずらに解決を引き延ばすという印象を市民に与えかねず、信頼を回復するにはほど遠い」などと指摘している。藤田議長は「(文書で改めて要請するのは)極めて異例。市議団は説明責任を果たしていない」と述べた。一方、園田団長は「これから再度、対応を検討したい」と話したが、結論を出す具体的な時期は示さなかった。【井上直樹】




政務調査費:減税日本の錦見・愛知県議に不正疑惑 秘書の給与水増し

河村たかし名古屋市長が代表を務める地域政党「減税日本」の錦見輔(にしきみたすく)愛知県議(32)が、元秘書の給与を実際に支払った金額より水増しして県に報告し、政務調査費約93万円を不正に受け取っていた疑いのあることが分かった。錦見県議は9日、毎日新聞の取材に対し、元秘書の銀行口座に振り込んだ金額が県に報告した額より少なかったことを認め、「元秘書にお金を直接渡していた部分もある。不正をしようと思っていたわけではないが、返還を検討したい」と説明した。

 県に提出した報告書によると、2012年5月〜13年2月、元秘書に給与約167万円を支払ったとされる。このうち、政務調査活動従事分の約134万円を政務調査費として県から受け取った。

 一方、錦見県議によると、元秘書の銀行口座に振り込まれたのは、12年5月に5万2000円、6月から11月に各6万円の計41万2000円で、報告書より少なかった。元秘書は住み込みの形で勤務し、銀行口座への入金以外に、生活費や飲食代などの名目で現金を直接渡していたためという。元秘書が辞めた12月以降は口座に入金していないことも認めた。

 錦見県議によると、県に提出した書類を作成した別の元秘書は「県議の指示で虚偽の記載をした」と主張しているという。これについて錦見県議は「書類の作成を任せたが、不正をしろとの指示は出していない。しかし、雇用者としての責任はあり、どこまで政治的な責任があるかを考えていきたい」と釈明している。

 この問題について、米国出張中の河村市長は国際電話による取材に「私は全く知らなかった。本人と電話で話し、記者会見して本当のことを言わないかんと指示した。今後の対応については本人の説明を聞いてから判断したい」と話した。

 錦見県議は名古屋市天白区選出で、日本テレビのディレクターを経て11年の県議選で初当選した。【駒木智一、井上直樹】


政調費不正:「減税日本」市議、偽造領収書を使用

河村たかし名古屋市長が代表を務める地域政党「減税日本」に所属する黒川慶一市議(60)=千種区選出、1期目=が、政務調査費として事務所家賃を請求する際、自分で偽造した領収書を使用していたと4日、同党が公表した。さらに、政調費を充てたガソリン代53件のうち、7件が他人のガソリン代だったという。党は今後、処分を検討する。

 黒川市議は「不正利得はない」と主張し、議員辞職を否定。ただし、「けじめ」として政調費を充てた計47万円を市に返還するとしている。

 同党などによると、偽造領収書を使用した事務所家賃は2011年9月〜12年7月分。黒川市議は、12年4月に11年度分の政調費申請をする際、家賃を振り込んだ証明書類を紛失し、領収書発行を貸主に求めようとしたが連絡が付かなかったため、領収書を自分で作ったと説明している。さらに事務所を移転するまでの12年4〜7月分についても、同様に領収書を作った。

 ガソリン代は12年4月以降で、セルフ式のガソリンスタンドで給油した際、残されていた他人の領収書を持ち帰るなどして請求したケースがあったと説明した。

 いずれも実費の7割が政調費で賄われ、家賃は28万4900円、他人分のガソリン代は約2万4000円分が黒川市議に支払われた。ガソリン代は、適正と同党が判断した分も含めた約18万5000円を返還する。

 黒川市議は報道陣の取材に「(不適正だったとの)認識がなかった。誠に申し訳ない」と謝罪した。【井上直樹】

日本・ベトナム国交樹立40周年スペシャルドラマ

2013-10-10 19:23:49 | 日記
日本・ベトナム国交樹立40周年スペシャルドラマ『The Partner~愛しき百年の友へ~』ベトナム・ハノイで、記者会見&完成披露パーティー開催!! 日本人キャストもベトナムへ!! 安倍総理大臣からのサプライズメッセージも!!

日本とベトナムが国交樹立40周年を迎える2013年9月21日(土)に先立ち、9月16日(月)にベトナム・ハノイで、TBSとVTVによる共同製作ドラマ『The Partner~愛しき百年の友へ~』(9月29日 日曜よる9時~11時03分)の記者会見および完成披露パーティーが開催された。会見とパーティーには、日本から主演の東山紀之をはじめ、芦田愛菜、中丸雄一が出席。ベトナム人俳優4人と肩を並べ会見に臨み、TBSとVTVの共同製作番組を通して、日本とベトナムの友好関係に大きく貢献することとなった。

会見には、ベトナムのメディア関係者が100名近く参加。さらにベトナム在住の日本人向けに雑誌を発行する雑誌社や日本と関係の深い通信社も参加し、ドラマに対する両国の注目度の高さを伺わせた。7月に行われたドラマロケ以来、2度目のベトナム訪問となった東山は、華麗なスーツ姿で登場。ドラマの主役として、両国のキャストそしてスタッフを引っ張った貫禄が会見でも感じられた。また、初めてのベトナム訪問となった芦田愛菜はピンクの可愛らしいドレス姿で登場。ドラマの完成とともにベトナムの地を踏んだことを喜んだ。さらに東山の事務所の後輩であり7月のハノイでのロケで東山とともにベトナムロケに臨んだ中丸雄一も、ドラマの役柄と同様に、東山のサポート役に徹していた。

引き続き行われた完成披露パーティーでは、会見に出席した7名のキャストや制作スタッフ、TBS・VTV両テレビ局関係者に加え、ベトナムからホアン・チュン・ハイ副首相を筆頭に政財界のVIPが多数参加。日本からも小野寺五典防衛大臣、武部勤日越友好議員連盟特別顧問、柴山昌彦総務副大臣、谷泰明駐ベトナム日本国大使など政府関係者、さらにベトナムとの関係の深い企業の代表らが出席し、250名程の盛大なパーティーが開かれ、単なる共同製作ドラマにとどまらない、両国の強い結びつきを期待するプロジェクトであることを印象づけるパーティーとなった。

さらにパーティでは、安倍晋三総理大臣から寄せられた「両国の多くの視聴者がドラマを見て、日本とベトナムの絆、歴史に思いを馳せてくれる事を期待します」とのサプライズメッセージVTRを上映。このドラマの共同製作を通して、日本とベトナムの友好、そして相互発展に向けて、大きな期待が寄せられた。両国の大きな期待が感じられた完成披露パーティーとなった。

注目の放送は、9月29日(日)よる9時から11時03分。日本とベトナムで同日放送される。お楽しみに!

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日本人キャストのコメント

〈東山紀之〉
僕自身、ファン・ボイ・チャウの歴史や浅羽佐喜太郎さんとの交流について存じ上げませんでした。今回、このドラマに出演させて頂くことで、はじめて知りました。僕たちのドラマで多くの人にこの歴史を知って頂き、それぞれの国の気持ちを高めていくことが大事だと思います。
これまで映画などで知るベトナムの姿というものしか知らなかったのですが、今回ハノイに訪れて、世界を広げて行こうという、若いエネルギーを感じました。ベトナムの国旗が美しく翻っているのをみて、この国の人々の「誇り」をとても強く感じました。


〈武井 咲〉※台風の影響でベトナム入りが出来ず、プロデューサーより紹介。
日本とベトナムの共同製作ドラマに出演させて頂き、非常に嬉しく思います。撮影の時は、ベトナムに訪れる機会がなく、今回のベトナム行きをとても楽しみにしていました。本日は非常に強い台風のためベトナムに伺えず、とても残念です。今度はぜひベトナムに行きたいです。この作品は日本とベトナム、両国の絆を描いた作品です。皆さん、楽しみにしていて下さい。

〈芦田愛菜〉
このドラマで一番印象に残っていることは、アオザイを着れたことです。アオザイを着ると、背筋がぴんとして、気持ちよかったです。

〈中丸雄一〉
僕は二か月前の、ハノイでの撮影が初めてのベトナムでした。
印象に残っていることは、撮影の合間で、エキストラで協力して下さったアオザイ姿の美女三人組と一緒に写真が撮れたことです(笑)。今度はプライベートでぜひベトナムに来たいです。




■■■記念碑建立85周年記念式の報告■■■

《平成16年度 磐南文化賞 受賞》

浅羽佐喜太郎公紀念碑建立85周年記念事業での2つの記念式(7/27)は盛会裏に終わりました。

◆.記念碑建立85周年記念式(於:浅羽町梅山 常林寺)  9時~10時
◆浅羽・ベトナム友好85周年記念式(於:浅羽町東公民館)13時30分~16時30分

午前中の常林寺式典には120名、午後の友好式典には230名もの出席がありました。

 この2つの記念式には、ベトナム・ホーチミン市から記念碑を建てたファン・ボイ・チャウの孫となるファン・ティエ・コ氏が実行委員会の招待により夫妻で出席をされました。浅羽佐喜太郎の孫である浅羽和子氏との、孫同志での対面がありました。式典は安間幸甫実行委員会事務局長の司会で進められました。


 ■記念碑建立85周年記念式 式次第   (9:00~10:00 常林寺)


 1)実行委員会会長挨拶
 2)ファン・ティエ・コ氏挨拶
 3)常林寺住職の読経
 4)関係者の献花
 5)ファン・ボイ・チャウの自伝から記念碑建立の章朗読
   (浅羽 一芳氏)
 6)浅羽秀雄氏のお礼のことば


■浅羽・ベトナム友好85周年記念式 式次第   (13:30~15:00)

 1)開式のことば  実行委員会副会長 村松功
 2)実行委員会会長挨拶  大石 良介
 3)記念碑拓本のベトナム社会主義共和国への寄贈式 実行委員会会長からベトナム大使館へ
 4)記念碑建立の章朗読  文化財研究会副会長 浅羽 一芳
 5)来賓挨拶・紹介

  浅羽町 村松駿一町長、 ベトナム社会主義共和国大使代理 ドァン・ゴク・カイン参事官 
 ファン・ティエ・コ氏(ファン・ボイ・チャウの御孫様)
その他の来賓の皆様紹介
 浅羽町議会議長 久保田 龍平様、浅羽町教育長   鈴木 絋一様、日本・ベトナム友好協会 谷本事務局長様
 袋井国際友好協会 内藤会長様、慶応大学名誉教授 川本 邦衛様
 早稲田大学 アジア太平洋センター 白石昌也教授様
 元朝日新聞サイゴン・ハノイ支局長  井川一久様、小田原市前川   石塚 勝治様、柴田 静夫様
 キム・バン・  ファン・ティエ・コ氏の奥様、浅羽秀雄・和子様夫妻
 記念碑建設に係わった三家(岡本 直記氏、岡本 幹氏、浅羽 義彦氏)
記念事業協力者
 ユン・クァン・ティ(京都精華大学卒 )
 森エリサ(上智大学アジア文学研究所)
 鈴木 琴菜(上智大学大学院:磐田市)
 ベトナム料理アオザイ(磐田市)の皆様 

 6)県内ベトナム留学生(34名)の紹介・挨拶
   ランさんと静岡大学、英和学院短大、静岡言語学院の 15名
   トイさんと静岡産業大学のグループ             4名
   ソンさんと静大工学部のグループ              2名
   グェンさんと静岡国際言語学院(浅羽町)のグループ  10名
 7)浅羽 和子様(浅羽佐喜太郎)のお孫様)のお礼のことば
 8)閉会のことば  実行委員会副会長 戸塚 孝至

 コ氏はこの挨拶中何度か声をつまらせたのが印象に残りました。朗読は記念碑建立に係わる85年前を再現したかのようでした。10時40分、ベトナム社会主義共和国大使代理ドァン・ゴク・カイン参事官が、浅羽町長の案内で常林寺に到着をされました。町長と参事官の献花に続き、ベトナム留学生や国内在住のベトナムの方々ら40余名の献花がありました。ベトナム有志のコーヒーサービスがあったり、カイン参事官やコ氏夫妻、色鮮やかなアオザイ姿の女子留学生や、浅羽夫妻などとの記念写真の撮影などで常林寺境内は華やかな日越交流の場となりました。
この後、午後の式典会場の浅羽町東公民館に場所を移して、カイン参事官、コ氏夫妻を囲んでのべトナム関係者だけでの昼食会を兼ねての座談会や、「東遊運動と浅羽佐喜太郎」の資料展示などで理解を深めて頂きました。


クォンデ候
ファン・ボイ・チャウ 紀念碑 浅羽佐喜太郎 阮泰抜
解 説  ファン・ボイ・チャウと浅羽佐喜太郎の交流 報恩の碑

常林寺の紀念碑の
碑文 浅羽家に伝わる話 ファン・ボイ・チャウと
浅羽佐喜太郎の交流

 浅羽町は平成10年にこの記念碑を町指定文化財としています。「浅羽佐喜太郎とファン・ボイ・チャウの歴史」には、ドラマにしたい場面が幾つもあります。この中でも特に記念碑建立の場面には、現代人が忘れてしまったような古き良き時代の感動があります。
問合せ:ammayukiho@gmail.com
 実行委員会事務局長 安間幸甫



■潘佩珠(ファン・ボイ・チャウ)と浅羽佐喜太郎の交流■

20世紀の初め、東遊運動と呼ばれる日本を舞台にしたベトナムの革命運動がありました。

【東遊運動】
 十九世紀アジアの各国は西欧列強の侵犯を受け、植民地化が進んでいました。ベトナムも仏統治政府の厳しい圧制に民衆は苦しんでいました。1905年(明治38)、日露戦争における日本の戦勝をきいたベトナム革命組織・維新会の代表ファン・ボイ・チャウらは、ベトナムの窮状を訴えて武器援助を求めるため、密出国をして日本へ来ます。ファン・ボイ・チャウは清国戊戌(ボジュツ)の政変で日本に亡命中であった梁啓超を横浜に訪ね、在野の政党リーダー大隈重信や大陸事情に理解の深い犬養毅を紹介されます。大隈や犬養らは、日本政府がベトナム革命闘争の為に武器援助をすることは無く、それより革命の為の人材養成が先であることや、運動の象徴であるベトナム皇族のクォンデ候を早く日本に迎えるよう促します。筆談ながら、国の前途を賭けた激烈で清新な議論に、同席した柏原文太郎は三国志の英雄の話を聞くようであったと、チャウの人物に大きな魅力を感じています。犬養は陸軍参謀次長の福島安正や東京同文書院々長の根津一らと相談し、最初の留学生4人を中国人の為の軍人養成校「振武学校」と東亜同文会の運営する中国人のための学校「東京同文書院」へ入学させます。
 日本の実情が解るに従い、ベトナム民衆との意識の格差に愕然としていたファン・ボイ・チャウは、「ベトナム亡国史」、「遊学を勧むる文」、「海外血書」などを次々と書き上げベトナムに送り込みます。これを読んだベトナム青年達が、続々と日本留学のため出国してきます。東京同文書院はこれらの留学生のために教室や寮を増設し、軍事教練も組み込んだ特別科をつくってベトナム留学生を受け入れました。最盛期の1908年(明治41)には、200名に及ぶベトナム青年が日本で学んでいたと言われます。ベトナム本国では、維新会が宣伝文書の配布や資金集め、留学生の送り出しを組織的に担当しました。
 このような反仏の動きに危機感を持った仏統治政府は、この時期留学生の親族や支援者に対し摘発を進めていました。日仏同盟の締結で仏政府の強い要請を受けた日本政府は、1908年(明治41)秋留学生に解散命令を出します。この為、多くの留学生は日本を離れますが、残った留学生を抱えたチャウは、資金も底をつき生活は困窮を極めていました。



【浅羽佐喜太郎の支援と日本退去】 
 借金のあても無くなったファン・ボイ・チャウは、以前行き倒れになった同志の阮泰抜を助けてくれ、そして東京同文書院への入学手続きや学費まで払ってくれた、浅羽佐喜太郎先生にお願いするほかはないと阮泰抜に相談をします。阮の件があり、浅羽佐喜太郎は義侠の人としてベトナム留学生の間でも良く知られていました。
 ファン・ボイ・チャウは窮状を書き、阮に書状を託します。しかし、公のこれまでの厚志に何のお礼らしきこともできていないのに、また援助を求めるのは厚かましいことだと心苦しく思っていました。が、朝持たせた手紙の返事が夕方には戻ってきました。手紙と一緒に1,700円という大金が出てきました。(当時の東浅羽小学校の校長の月給は十八円であった。)その手紙には『手元にはこれだけしかありませんが、またお知らせ下されば出来るだけのことをします。』とほんとうに簡潔であるが、温情のある言葉が添えられていました。
 1909年(明治42)3月、クォンデ候とチャウは日本政府から国外退去を命令されます。10日以内の退去を命令されたファン・ボイ・チャウは、数々の佐喜太郎の支援へのお礼と別れの挨拶のために、小田原・国府津の浅羽邸を訪ねます。阮に紹介され、まず今迄の不義理を詫びますが、佐喜太郎は早々にチャウの手をとり招き入れ歓待をします。佐喜太郎はよく飲みよく談じ、チャウらを守れなかった大隈や犬養を酷評します。
 退去後9年、1918年(大正7)ファン・ボイ・チャウが日本の土を踏んだ時には佐喜太郎はすでになく、佐喜太郎への報恩のために立てられたのが、静岡県浅羽町梅山の常林寺にある大きな記念碑です。
文責:安間 幸甫

汚染土地を国有化して最終処分場設置が苦渋の決断

2013-10-10 15:42:12 | 日記
原発廃棄物最終処分場「福島集約論」相次ぐ 批判は強いが、ではどうしたら…

原発事故で汚染された廃棄物の最終処分をめぐる議論が迷走を続けている。政府は、廃棄物が発生した都県で最終処理を進める方針だが、処分場建設は難航している。

そのため、廃棄物を事故が起きた福島県に集約すべきだとの意見も出ている。だが、そのような提案、意見が出るたびに、述べた人に非難が集中するという状態が繰り返されている。

13万2738トンのうち82%が福島で発生

問題とされているのは「指定廃棄物」と呼ばれる廃棄物で、放射性セシウム濃度が1キログラムあたり8000ベクレルを超えるものを指す。焼却灰、下水処理場などの汚泥、汚染された稲わらが多い。13年8月末時点で、11都県で13万2738トン発生しており、そのうち82%にあたる10万8301トンが福島県で発生している。

12年1月に施行された放射性物質汚染対処特措法では、指定廃棄物の処理は国が責任を持って行うことになっており、廃棄物が発生した都県内で行う方針。最終処分場が足らない宮城、茨城、栃木、群馬、千葉の5県については、政府が1か所ずつ建設する。民主党政権時代の12年9月には栃木県矢板市と茨城県高萩市が候補地に選ばれたが、両自治体は猛反発。その結果、政権交代後の13年2月に政府は方針を撤回して選定をやり直すことになった。10月4日に開かれた環境省の有識者会議では、住宅地からの距離など候補地を選定するための評価基準が固まったものの、まだ具体的な候補地の名前は聞こえてこない。

一般論として「発生物責任の観点から、東京電力の敷地内で管理したらどうか」

そこで噴き出すのが「福島集約論」だ。桜田義孝・文部科学副大臣は、13年10月5日に千葉県野田市で開かれた「東葛行政懇談会」の会合で、この論を披露したようだ。会合には県北西部の自治体の市長、県選出の国会議員などが出席しており、早期の最終処分を求める声があがったという。桜田氏の正確な発言内容は不明だが、発言を報じる記事によると、

「原発事故で福島には人が住めなくなった所がある。そういう所に置かせてもらったらいい。みなさん、どうですか」(朝日新聞)
「原発事故で人の住めなくなった福島の東京電力の施設に置けばいい」(共同通信)

と発言したという。「住めなくなった」が係る名詞が、朝日の記事では福島そのものだと読めるのに対して、共同記事では「福島の東京電力の施設」と限定的に読める。だが、「人が住めなくなった福島」といった理解をした人も多かったようで、発言に対する批判が相次いだ。

菅義偉官房長官が10月7日午前の記者会見で明らかにしたところによると、桜田氏は、

「一般論として、発生物責任の観点から、東京電力の敷地内で管理したらどうか、という意見もある。そういう趣旨で発言した」

と釈明したが、菅長官は

「全体の発言として誤解を与える発言は副大臣として慎むべき。慎重に行うべき」

と口頭で注意したという。

下村博文文科相も、翌10月8日の会見で

「福島の人たちの心情を十分に理解していない、思っていない発言だということで、私の方から厳重に注意した」

と発言を批判した。

環境省「福島県にこれ以上の負担をさらに強いることは到底理解が得られない」

だが、同様の議論は、福島県内でも出ている。9月26日の福島県議会の代表質問で、ふくしま未来ネットワーク会長の高野光二議員は、東京電力福島第1原発の周辺に最終処分場を建設すべきだと主張した。この発言に対して、原子力発電所所在町協議会は10月7日に「被災者の苦しい状況や切なる願いを無視した発言」などとする抗議文を手渡している。

環境省のサイトでは、この「福島集約論」については

「福島県においても、福島県内の指定廃棄物等の処理のため、地元との調整を実施しています。地域による帰還の差異はあるものの、現在避難されている多くの方が帰還を望んでいる中、福島県にこれ以上の負担をさらに強いることは到底理解が得られない状況です」