今週は火曜日から金曜頃まで続いて天気が良さそうです。今の私の実力で登れそうな手近な山で、木曜日からの計画を(計画書を提出・準備する関係で)考えます。ひどいラッセルはまだ無さそうですが、這松や笹に中途半端に乗った雪の上を乗り越して登るのは大変です。
2週間前に行った伏美岳は山頂付近で50cm程度でしたが最後は雪の這松を分けながらの登頂になりました。羅臼岳のリベンジも考えましたが、遠過ぎて準備が間に合いません。雪の状態が気がかりですが、近くの伏美岳山頂から見たピパイロ岳に行けるかなと挑戦する事にしました。
登山口に着くと、登山口の最初から積雪があり、2週間前には全く無かった雪が駐車場を覆っていました。今季初めて持ってきたスノーシューを担いでゆっくり登ります。1280m地点(4合目付近)で羆の足跡が夏道ルートに現れたのに驚きます。未だ新しそうです。足跡は登る方向に付いています。羆の足跡だけが夏道に続くので、気がかりです。鈴だけでなく何度もホイッスルを吹きながら登ります。腰には鉈をぶらさげています。
5合目で既に50cmは越えていますので夏道を外すとズボッとはまります。相変わらず羆の足跡は続きます。たまに、夏道から反れますが見える範囲で直ぐに戻ります。どうやら左方向に目的を捜している様に思えます。門崎允昭・犬飼哲夫著「ヒグマ」では「北海道のヒグマが早い固体で11月20日頃、多くのヒグマは冬ごもり地の積雪が20~30cm以上になると通常冬ごもりを始める」そうなので、冬篭り地点に向っているのではないかなと思います。猟師が羆の足跡を追って追い詰めて逆襲されて殺されるという話を思い出します。
7合目手前で、夏道でもズボズボはまるのが多くなってきたので、たまらずスノーシューを着けました。どこまで羆の足跡は続くのだろうと気持ちは良くありません。しかし、7合目を過ぎてやっと左方向(妙敷山方面)に足跡が反れてくれました。ホッとしました。
「冬ごもりの穴は多くの場合、起伏に富んだ地形の斜面の途中に造られていて、斜面の頂部や全くの平坦地に造られる事はまず無い。標高は最低150mから最高1500m付近で発見されている」そうです(前出「ヒグマ」より)。妙敷山方面の斜面に向ったのではないかと思いました。
9合目を過ぎると樹林帯も無くなり風で夏道らしきものは一切消えます。斜度もきつくなって、ザックを背負ったままではスノーシューでも崩れて前に進みません。空身になってなかなか固まらない雪を何とか踏み固めて50m程の足場を作り、戻ってザックを背負って登り返すのを3度程繰り返しました。最後の這松には雪がかなり被っていて、その上に乗って登ります。ノロノロ登山や忘れ物で出発が遅くなった事もあって、伏美岳山頂では夕刻が迫って来ました。
当初は、可能なら「水場のコル」かその手前のテントスペースにまで足を伸ばして、テントを張ろうと思っていましたが、天気も良く風も殆ど無いので山頂の直ぐ先にテント設営しました。この時の気温は-7℃でした。
【登山口の駐車場に積雪】
【登山口の積雪は少ない】
【1280m地点で羆の足跡が夏道ルートに現れる】
【1375m地点で見える妙敷山(1781.5m)】
【7合目の標識地点(1485m)】
【7合目を過ぎた1540m地点で羆の足跡が夏道ルートから左に反れました。ホッ】
【夕暮れ時にやっと伏美岳のピークです(山頂標識が点になって見えます)】
【本日のルート】
【日高側のピンポイント予報では土曜がどうかなという程度で良さそうです】
【道東側のピンポイント予報でも良く似たようなものです】
【幌尻岳の予報では土曜は悪くなりそうですが、風は弱そうです】
【17日(木)21時の予想図】
【18日(金)21時の予想図】
【19日(土)21時の予想図】
【20日(日)21時の予想図】
【22日(月)21時の予想図】