呑んべぇ爺さん

呑んべぇ爺さん「音岳」の記録とつぶやき

南アルプス縦走(3日目)[光小屋~茶臼小屋]

2007年08月02日 | 南アルプス

 夜中からずっと霧雨であったが、朝方になって本格的な雨になる。片付けをしながら沈殿にしようかというより、沈殿したい~~~~~っと悩む。暫くして雨も弱まって霧雨になる。

 台風の影響で、今夕、九州と四国の間辺りに上陸し、天候が悪化するのは目に見えている。天気さえ良ければ聖平まで行く積りだが、こちらに最接近する前に少しでも足を伸ばしておきたい。せめて茶臼小屋までには到達しておこうと気持ちを奮い立たせ、一番いやだった雨の中のテント撤収を行う。足元は今日、新しい2組目の雨対策ビニールを着ける。

 今日はガスがひどく霧雨の中では何も見えず残念だが、聖岳までの山は2000m級だし、台風の影響が無くなるまで待っても居られないので、悔しいが、山の姿を見るのをこだわらなくてもいいやと割り切る。

 センジヶ原の木道で「ザック」デポ用の木のベンチまであったので、イザルガ岳まで空身で往復する。山頂付近になると結構風も出てくる。静高平の水場に来ると、この雨にもかかわらず水は出ていなかった。道があちこちついていて迷い易い三吉平を方向感覚だけで通過。

 易老渡方面の分岐では縦走路が直角に曲がっていてルートが判り難かった。易老岳は易老渡分岐から目と鼻の先であった。ここも山頂は樹林帯のため、展望は全くない。

 仁田岳への分岐に着くが、行ってもイザルガ岳のようにガスの中で何も見えないだろうから、寄る気にもならない。希望峰も樹林帯の中の変哲も無いただの広場。茶臼岳への登りの直前にある仁田池は沼地の中にあるという感じだ。

 茶臼岳の登りになると岩がゴロゴロし始める。山頂もガスで展望は無い。ずっと霧雨の中を歩いて展望も効かないと、次第に憂鬱になってくる。時間は14時前とまだ早いが、聖平まで行く気にならない。茶臼小屋分岐の尾根筋では風も出て来ているし、ためらい無く小屋に下る。

 明日は天候がもっと悪化しているだろうから、こんな時にテントを張る気にならず、直ぐ「素泊まり」を頼む。素泊まりと食事付の泊まる所は同じ所だった。足元の雨対策ビニールは有効だった。

【センジヶ原】
【イザルガ岳】
【静高平の水場表示】
【静高平の水場:水は出ておらず】
【静高平】
【静高平からのゴロゴロ下り】
【易老渡方面の分岐点】
【易老岳】
【仁田岳分岐点】
【変哲も無い希望峰】
【樹木をかきわけ進む】
【仁田池へ、途中の木道】
【仁田池】
【茶臼岳の登り】
【茶臼岳山頂】
【茶臼小屋が現れる】
【小屋前から、下って来た道を振返る】
【茶臼小屋内部】

 小屋に先客が1人だけ居て、話をする内、「鳥倉登山口~三伏峠」から来たという事で、山スキーのため北海道にも足を運ぶ本格派で、スキーを担いで登ったりする体力作りを兼ねて、南アルプスを小屋泊まりでつないで縦走している九州の男性だった。

 今朝、「百件洞山の家」を出発して14時前に着いたそうで、寸又峡林道に下ろうと思っていてダブルストックでスピードを出して時間を縮める積りだそうなので、私は林道を通ってきたと伝えて、崩落状況の情報提供をした。

 ダブルストックでスピードを出すという意味がよく判らなかったので聞くと、スキーのストックのように後方に蹴り出して歩行の補助をするそうだ。そう言えば感心が無かったので覚えてないが、山岳雑誌の特集でストックのそのような使い方が書いてあったような気もした。話し好きな方で色んな話をした。

 夕刻になってもう誰も来ないだろうと思っていたら、今朝「百件洞山の家」を出発して、初めての単独行のテント装備の若い男性が到着した。昨夜は初めて素泊まりで小屋に泊まったそうで、「広河原」から「北岳」経由で来た東京からの感じの良い青年だった。

 スキーの男性は「百件洞山の家」の食事は「トンカツ」と「ソバ」が出てうまかったと、若い男性に素泊まりにせず、食事付にすべきだったと話すので、興味がそそられる。その後、3人で話しをたり、7:25からの小屋の衛星放送の天気予報を見たりで、また就寝が遅くなってしまった。

 台風は九州の宮崎辺り上陸したばかりのようだ。明日未明に、台風は日本海に抜け、明日は日本海を北東に進んで、こちらに最接近するようだ。明日の行動をどうするか考えものだ。「明日起きて状況を見てから考えよう」と思いながら寝る。

(光小屋~茶臼小屋:8,277歩)



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