呑んべぇ爺さん

呑んべぇ爺さん「音岳」の記録とつぶやき

南アルプス縦走(2日目)[寸又川林道~光岳・光岩・光小屋]

2007年08月01日 | 南アルプス
一瞬「光岳の全容」が見えた(左の肩に「光石」)

昨夜遅かったので明るくなってから目覚める。最初にステップを切る作業の続きを始める。明るくなってから見ると、思った程難しく無かった。テントを撤収して出発するが。もう大崩落は現れないでくれと願いながら進む。天気はまだ持っていて、曇空である。直ぐに「釜ノ島小屋」が「小根沢小屋」の時のように、林道から少し離れた高台に現れる。

入口は中央に一つあって、そこから4棟が廊下でつながっていた。中は台風の影響などでガラスが割れたのだろうか、かなり散乱し、木の葉も畳の上まで堆積していた。ここも気持ち悪いのを掃除して使えば、避難小屋としてまだ使えそうだ。

【昨日通過できなかった土砂崩壊】
【下方を覗くと、滑落すれば川まで一直線】
【釜ノ島小屋群】
【入口】
【玄関部分】
【廊下:最も状態の良い所】

赤沢橋を渡り暫くすると、水量タップリの枝沢が現れ、ここで水をチャージしたが、光岳登山口まで給水ポイントは現れなかったので正解だった(ここで汲まない時は、光岳登山口で、本沢まで降りて汲む必要がある)。荷物は2kg増。恐らく29kgにはなっているだろう。肩に食い込んで重い・・・。

光岳登山口に着いて「柴沢吊橋」のワイヤがまだしっかりしていて、渡れそうなのでホッとする。せっかく、昨日作業の人に教えてもらったので小屋を見に行く。この柴沢小屋も、林道脇に建っていた小さな小屋と同じタイプで、コの字型に畳みが敷かれていて、きれいで気分良く泊れそうだった。

今まで左岸林道を歩いて来て、小屋の状況としては、「小根沢小屋」や「釜ノ島小屋」のように、かつて飯場だったような大きな建屋は、かなり荒れていたが、林道脇の小さな小屋は作業の方が最近も使っておられるのか丁寧に使われているようで、きれいで気持ち良い小屋が多かった。カレンダーが今年の7月にめくられている小屋もあった。(なお、各小屋の位置は、「六甲山麓」のWebPageでGPSデータを元に地図にプロットする予定:H19.9.24挿入「小屋の位置」)
【赤沢橋】
【また、土砂崩壊:ここは楽に渡れる】
【水量タップリの枝沢】
【鹿の骨?】
【光登山口:柴沢吊橋】
【500m先の柴沢小屋】
【柴沢小屋内部】

登山口からの最初の登りの道は、最近人が入らないので手入れがされていないのだろうか相当崩れており、最初からきつい登りである。道は踏跡がかすかに残っていているし、赤テープが所々残っていて間違う恐れは無い。後は力勝負だ。

結構斜度があってフラットな足場がめったに得られないので、ふくらはぎにきつい。ザックが重くて肩・胸・腰のベルトの締め方を色々変えて加重分散のバランスを変えるが、長い間は持たないので、足場がフラットにできそうな木の根を捜して、下り方向に向きを変えて、ストック2本をザックの下に立てて何度も立ったまま休む。

急な登りだった道が、ふと緩い道になった。2043mの小広場だろう。しかしこの道はひたすら樹林帯なので、景色も見えず開けた気分になれなくてきつい。百俣沢ノ頭から先、斜度が緩まってフラットな道も現れる。その先、久々に視界が開け、ハイマツ丘に出た。光岳の全容が一瞬だけれど、初めて見える。岩が露出してる部分が光岩である。この頃からガスり始めて山頂付近が見えなくなり始める。

光岳は南アルプスの最南端に位置する。山頂部付近の一部がわずかに森林限界を超えており、ハイマツおよび高山帯植生の分布の南限に当たることでも知られている。ハイマツは世界最南端の自生地ということらしい(ウィキペディア[Wikipedia])。

光岳分岐に17:29に着く。山頂に寄ってから小屋に行っても明るい間に着けそうなので、ザックをデポして光岳に向かい、光岩にも寄る。光岳は見通しの無い平凡な山頂で、その10m先に展望ポイントがあったが、ガスで何も見えなかった。光岩は思ったより大きく、白く、切り立った岩峰群だった。

分岐点に戻る途中、鹿に出会う。10mほど先に居て、こちらに気付いているのだが、今まで鹿に出会った大峰山系などの山と違って逃げないのが珍しく、3倍ズームでその姿を撮る。先程の分岐まで戻ってザックを背負い、2~3分で光小屋に到着。

小屋には大勢の登山者がいて中高年の人達ばかりだ。私のザックの大きさに驚いてどの位い重さがあるのかと聞いて来る人も居た。小屋で早速テン場を申し込む。(400円)今日の出発点を記入すると、小屋の主人に寸又峡の方から登ってきたのは、今年2人目と言われる。

「あなたも、大根沢橋で一旦下ってから、登り返したのか」と尋ねられる。大崩落をデジカメで見せながら、そのようにした状況を伝える。台風4号以前に通過した最初の人も同じように通過したようだが、この間の台風4号で更に崩壊は進んだに違いないと思える。「水はあるか」と聞かれ、「殆ど残っていない」と言うと、明日は暫く水場が無いからと、4リットルの水を頂けた。

光小屋のテン場は小屋の真横にあるが、最大10張と狭い。先着の1張りだけが設営されていた。ガスっている中でテントを設営するが、何だか天候悪化の兆しを感じる。明日朝の出発時まで雨にならないよう願う。今日も就寝時間が遅くなる。未明の出発・早目のテン場到着ができていなくて、悪循環に陥っている。


【登山口の柴沢吊橋】
【登山口の取付付近】
【登山道:取付付近】
【2,043m付近の小広場】
【百俣沢の頭】
【光岳分岐点が見えた】
【光岳山頂】
【光岩】
【逃げない鹿】
【光小屋】

(テント設営地点~光小屋:15425歩)



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