朝は少しガスが出ていたが、まずまずの天候。今日も出発が遅れて明るくなってからになる。朝方は夜露でビショビショにならないよう、雨具のズボンと雨対策ビニールを着ける。出発しようとしていたら、「昨日、悪沢岳ピストンでザックをデポしたのはあなたですね」と、男性が声をかけて来た。本格的なカメラを持っていたので山岳カメラマンかと思ったが趣味だそうだ。先に出発する。今回、初めて同じ方向に向かう人に出会う。彼もテントのようだが、ザックの大きさが小さいので直ぐ追いつかれるだろう。
まず「板屋岳」を目指す。この登山道の最初は、左右から丈の長い草が道に覆い被さっているので雨対策は有効だ。そんな道が尾根の縁が崩れてガレている所を何度か通過する。樹林帯の中で標識が無ければ山頂と判らない「板屋岳」を通過。間もなく、開けたガレ場の下りになると、軽装のトレイルラン風の中高年男性に出会う。今日はどこからかと聞くと「三伏小屋」からだそうで、早い。
何もない樹林帯の中で展望もなく、黙々と歩く。そんな中、「瀬戸沢の頭」の鞍部に着くと、少し開けて気持ちが良い。ここから尾根はUターンして北東に向かう。緩い登りが続いて、知らない間に「大日影岳」を通過する。そんな中、ハイマツ帯になり、日射がきつくなってきたので、展望が開けた所でザックを置き、日焼け止めクリームを塗ったり、雨具のズボンと雨対策ビニールを脱ぎ、濡れた物を乾かしながら行動食を取る。妻から借りてきた、つば広の布の帽子も被る。この帽子は背中のザックに当たるので折り込む。布なので使わない時は、丸めて縮める事ができるので便利だ。
【高山裏避難小屋を振り返る】
【雨対策ビニールにスパッツと雨具のズボン】
【尾根の縁が崩れてガレている】
【標識で気付く板屋岳】
【瀬戸沢の頭へ下る】(以下パノラマは、写真クリックで拡大画像)
【瀬戸沢の頭の鞍部から北東にUターン】
【ハイマツ帯から小河内岳方面】
出発しようとした頃、朝の男性が登ってくる。あちこち写真を撮りながら来たのだろう。そこから、すぐ先の「小河内岳」で彼を出迎える。西洋人の男性も居り、逆方向から登ってくる人も居た。ここでは天気も良く、360°の展望で素晴らしく、写真を撮りまくる。イメージしてきた、こんな天気の良い南アルプスが、やっと今回初めて実現したのだ。
小河内岳の山頂付近にある「小河内避難小屋」は新しい小屋だったが覗きに行かなかった。再び彼より先に出る。「小河内岳」を下り、展望の良い「前小河内岳」でも写真を撮り、気持ちの良い尾根を通って「烏帽子岳」に到着。ここに登って来る途中からずっと休んでいるのが見えていた軽装の男性が未だ居た。「鳥倉ルート」から登ってきたそうだ。
写真趣味の彼も再び追い付いてきた。彼は、勤続○周年記念の特別休暇をもらって、家庭の事情で直ぐ下山できないルートは取れないそうで、今まで北アルプス北部などからこちらに転戦したそうで、今日、「三伏峠」から下るそうだ。色々話をした後、「烏帽子岳」を出発する時、別れを言って先に出る。
【小河内岳避難小屋】
【小河内岳から荒川三山。中央左の悪沢岳、右に荒川中岳・荒川前岳の順で、中岳と前岳は、ほぼ1つの山に見える】
【小河内岳を振り返る】
【前小河内岳から小河内岳と左奥の荒川三山】
【前小河内岳から中央左の烏帽子岳と右端の塩見岳】
【烏帽子岳から見た三伏峠~塩見岳】
三伏峠に着くと、お花畑の保護柵がしてあり、三伏峠小屋に行こうかと思ったが、今日のテン場を昨日「高山裏避難小屋」の管理人に聞いた「雪投げ沢」とすれば、重い水を持って塩見岳を越えなければならないので、少しでも先で汲みたいと思って、三伏小屋跡方面に下る。途中、三伏峠小屋の飲料水ポンプ場がある。ここで、久し振りにしっかり体を拭く。
暫くして三伏小屋跡に到着すると、昔の小屋の残骸が積まれていた。ここの小屋跡のそばにある沢は水量豊富だったので、再び体を拭き、石鹸を持っていないので水だけで頭を洗って、すっきりする。今日まで着続けたデオシームの半そでシャツは、さすがに着ている本人でも判る程臭い始めているので、脱いで沢水で洗い、替え用に持って来たデオシームの夏用長袖登山シャツに着替える。太陽も照り付けているので、洗ったシャツはザックにくくりつけて干せる。テン場は小屋のまわりにそこそこ張る場所があった。
今日のテン場は、できれば「雪投げ沢」まで行きたい。そこの水場はどうなっているのか判らないので、ここで最低必要と思われる水を2.5リットル汲む。水を汲むと急にザックの重さが肩にかかって辛い。三伏小屋跡でかなり時間を費やしたので「雪投げ沢」まで行くには遅くなりそうだ。
どうしようか考えながら進む。しばらく行くと、三伏峠からの道と合流する。塩見小屋付近は昔はテントを張れた様だが今は禁止になっていると掲示してある。ここから先は縦走路なので何組ものパーティーとすれ違う。本谷山に到着。このあたりはずっと樹林帯の中を行く。
時間が遅くなってから稜線に出るのは雷の問題もあるが、今日の天候なら多分大丈夫だろう。塩見小屋に素泊まりで泊まるという案もあるが、すれ違う登山者の数からして、地の利が良くて有名な山の肩にある小屋は超満員だろう。もう満員の小屋はこりごりだ。
道がゴーロになった頃、テントを張れるスペースが見つかる。先に進むか迷う。ヘッドランプを点けるくらい遅くても良いなら、今日中に「雪投げ沢」まで行けるが、展望も楽しめないし、水も持っているので無理せずここでフォーカストビバークする事にする。
【三伏峠】
【三伏小屋跡方面に下る】
【三伏峠小屋の飲料水ポンプ場が見える】
【三伏小屋跡】
【三伏小屋跡前にある沢】
【本谷山からの塩見岳】
【ゴーロ手間】
【ここでフォーカストビバーク】
(高山裏避難小屋~ゴーロ:24,646歩)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます