高齢化社会に備えて
もう2年ほども前になりますが、わたしがかなり落ち込んでいた頃カナダからやってきた柴田さんと偶然にバス通りで出会った事があります。
お年を召してはいても、矍鑠(かくしゃく)としており、むしろ若いわたしの方が力づけられました。
まずは、わたしと柴田さんの会話を読んでみて下さい。
おじいさん、荷物お持ちしましょうか?
おお、ありがとうよ。じゃあ、お言葉に甘えて持ってもらおうかね。すまないねェ~~。
いいんですよ。若い者の務(つと)めですから。
そうかい、そうかい、ご親切にどうも。最近の若い者は。。。と思っていたが、あんたのように心の優しい人もいるんじゃねェ。
いいえ、別にそう言われるほどでもありしません。
いやいや、近頃そう言ってくれる若い人はなかなか居ないもんじゃよ。
ところで、この辺りは昔とすっかり変わってしまったそうですね。
わしはこの土地のものじゃないんだが、確かに風景は随分と変わったよ。でもそれ以上に人の心がすっかり変わってしもうたわ。荒廃したとでも言うのかね。
ところで、おじいさんはどこのご出身ですの?
わしは群馬の高崎と言う町で生まれ育ったんですわ。
またどうして大阪に?
わしのばあさんの実家なんじゃわ。カナダのバンクーバーで暮らしていたんじゃが、わしもばあさんも年取ってしまって、ばあさんがどうしてもふるさとで死にたいって言うもんじゃから、仕方なく日本に戻ってきたというわけじゃ。わしは浦島太郎ですよ。
カナダでの暮らしは長かったんですの?
わしが退職してからバンクーバーに移住して20年になりおったよ。
奥様はご病気なんですか?
腎臓を患って寝たきりじゃよ。
それはたいへんですねェ~。
わしも馴れない家事仕事なんぞをやらねばならず、今日は流しに腰をぶつけてしまってね。
あら、腰を痛めたんですか?病院の帰り道なんですか。それは大変でしたね。お大事になさってくださいね。
ああ、ありがとよ。ところで、あんたは、この辺りに住んでおるのかね。
ええ、すぐそこです。もしよろしかったら、お寄りになりませんか?バンクーバーのお話をぜひ聞かせてくださいな。
バンクーバーにお知り合いでも居るのかね?
ええ、ちょっとばかり知った人が。。。
じゃあ、お言葉に甘えてちょっとばかり寄らせてもらおうかね。
ところで、わしは柴田と言うもんじゃが、あんたの名前を聞かせてもらってもいいかね。
レンゲとお呼びください。
レンゲさんかね。いい名前じゃねェ~。蓮華草を思い出すねえェ。それでこのアパートで一人暮らしかね。
ええ、そうですねん。
結婚はしないのかね。
できませんねん。あたし、片輪者(かたわもん)なんですねん。
しかし、見たところどこも欠けている様な所はないようじゃが。。。
頭ですねん。あたし精神を病んでます。
そうは見えんがなあァ~
人格障害っていうんですねん。あたし、両親から邪魔者扱いされて育ち、人を愛することが出来ようなってしもうたんですねん。
そうは見えんがなあァ~
母親に抱かれたことも覚えていやしません。いつも邪険にされて、だからあたしは人から愛された覚えがなく、人を愛することが、ようできへんのです。
しかし、あんたのような心の優しい人が、人を愛せないと言うことはないでェ。人から愛されたこともたくさんあるでしょう?
でも、長く続きしませんねん。あたし、自分が傷つくのが怖いから、ちょっとのことでも、すぐに別れてしまいますねん。それに家庭の幸せというものを味わったことがなかったんで、家庭を築く自信が持てまへん。でも、あたし、とっても寂しがり屋ですねん。
レンゲさん、この世にはね、完璧な人間なんてものは居ないんだよ。神様でもない限り、人間は皆、不完全な生き物なんだよ。だからね、例え自分が不完全だと思っても、完全なものになろうと努力して、自分に自信を持つしかないんだよ。それではじめて、一人前の人間として他人を愛する心のゆとりが持てるようになるわけだよ。わしはそう思ってるんだ。
あたしも少しは分かっているんですねん。でも、なかなか自信が持てへん。いつも愛することに失敗してますねん。あたし、寂しくて仕方ないんです。
わしは人生70年以上生きてきたけどね、人間二人で暮らしていても結局心の中は寂しいもんだよ。つまりね、人間は誰でも一人で生まれてきて一人で死んでゆくんだよ。わしは、最近つくづくそう思うとるんよ。
でも、愛する人がいない、愛してくれる人がいないというのは寂しいです。
レンゲさん、人を愛するには、まず孤独を愛せないといけないよ。つまりね、寂しさをまぎらわせるために人を愛するのは、本当の愛じゃないよ。それは単に依存するということだよ。なぜなら、愛していると思っても、所詮、人間は孤独なものだからだよ。レンゲさんが結婚してみれば分かることだよ。
そうでしょうか?では、柴田さんも今、孤独なんですの?
その通りですよ。結婚して、かれこれ45年になりますがね、心の通い合わない部分というのがありますよ。わしはこの年でもネットをやるんじゃが、ばあさんはネットのことになると全く分からん。少しの興味も示しよらん。だから、1日のうちでも孤独で居ることって多いもんじゃ。
そういうものですか?
だからね、それ程深刻に考えることもないんだよ。レンゲさんは、自分のことを精神病だと思っているかもしれないけれど、今言ったように神様じゃない限り、人間の精神も完全じゃない。つまり、人間というものは誰でも、多かれ少なかれ精神をわずらっているもんなんだよ。
そういうものでしょうか?
とにかく、人間を70年以上やるとね、そういう風に諦めがつくもんなんだ。まあ、騙されたと思って、そういう目で人間を見てごらんよ。少しは気分が楽になるから。
ところで、柴田さん、ちょっとお聞きしてもよろしいですか?
ええ、どうぞ。わしに答えることが出来るならお答えしますから。
私もネットやるんです。それで先日、日記に書いたんです。私は自分がこの世界から閉め出されているように感じているんです。つまり私とこの世界というのは敵対関係にあるような。。。そういう意味で「ワタシノ鏡が見つからない」と書いたんです。
ワタシノ鏡が
見つからない
2004 12/19 18:47
わたしの実存も世界中から
閉め出されている・・・
なんて言うと、
あの方がきっと返信を書きますねん。
でも、自分VS世界やん。
なんだか哲学的な文句ですね。
そしたら、デンマンさんという方から投稿をいただいたんです。それには、こうあったんです。『レンゲさん!「鏡」は見つけるものではありませんよ。自分で作るものです!それが作れるまで、レンゲさんには「幸せ」と「安らぎ」を見つけることが出来ません!』
うーん。意味深長ですね。
お分かりになりますか?
それは、こういうことだと思いますね。つまり、レンゲさんは自分とこの世界が敵対関係にあると思っている。ところがデンマンさんはそう思ってはいませんね。自分と世界は一つだと言っていると思います。
どういうことですか?
この世界というのは、私が生きている間だけ意味のあるものですよね。つまり、私が死んでしまったら、この世界は私にとって意味のないものになりますよ。私が死ねば、肉体も精神もなくなるわけですからね、この世界を認識することも出来なくなる。そういう意味で、この世界は私とともに死んでゆくわけですよね。
でも、この世界はずっと続いてゆくと思いますが。。。
だけど、レンゲさんが亡くなったら、この世界がどうなっているか分からないし、死んだ後では、どうなっていようと関係ないでしょう?
それもそうですね。
デンマンさんが言おうとしているのはそういうことだと思いますよ。つまり、わしが認知している世界と、レンゲさんがこうだと思っている世界はかなり違うんですよね。この世界というのは確かに1つ厳然としてありますよ。でも、この世界がどのようなものかということは人によって受け留め方が違いますよね。私が考えている世界と、レンゲさんが考えている世界は違います。つまり、この世界というのは、言ってみれば人の数だけ存在しているということですよ。つまり、レンゲさんの考えている世界というのは、レンゲさんだけのものなんですね。
皆、それぞれの世界を持っているということですか?
そういうことだと思いますよ。自分の世界を持っているんだから、認識するということは世界を自分の中に取り込んでいるということですよ。つまり、「鏡」を作るということは、鏡を対極において見るのではなく、鏡を自分の中に置く。その鏡に世界を映すということは、自分のなかに自分の世界を持てということですよ。だから、自分はこの世界から閉め出されることがないんですね。そういうことですよ。
つまり、世界を自分が考えているようにしてゆくということですか?
そうだと思いますよ。結局、自分の思い通りに生きるということでしょうね。
分かりました。デンマンさんというのはそういう方なんです。何が何でも自分の思うようにやって行くというような人です。そうやってやって来られたようです。
レンゲさん、もしかして、そのデンマンさんというのはバンクーバーにおられる方じゃないですか?
そうです。
その方なら、私知っていますよ。随分、お世話になりましたから。本名は加藤さんというんですよ。不動産のほうもやられていて、私たちが初めてバンクーバーに渡った時に家をお世話してくださったんですよ。それ以来ずっとお付き合いをしているんですよ。レンゲさんも加藤さんをご存知なんですか?
いいえ、私は、ネットで知り合ったんです。まだお目にかかったことはありません。
そうですか。面白い人ですよ。確かに、レンゲさんが言われたとおり、「我が道を行く」というタイプの人ですよね。そうですか?世間て広いようで狭いものですね。
ほんとに。
ではレンゲさん、そろそろ私帰らないと。。。ばあさんが待っていますからね。
じゃあ、お送りしますわ。お荷物を持って。。。
すいませんね。あつかましく、美味しいお茶をいただいたりしてしまって。
では行きましょう。
レンゲさんも、自分が精神を患っているなんて思わずに、もっと気楽に考えればいいんですよ。我われは、皆、多かれ少なかれ精神を患っているんですから。レンゲさんも、きっとすばらしい人にめぐり会えますよ。
そうでしょうか?
デンマンさんの言葉ではないですが、自分の世界を持つということが大切なんでしょうね。
あ、バス停に着きましたね。それでは、お気をつけてお帰りくださいね。
ありがとうございました。
いえ、こちらこそ。。。
柴田さんは寝たきりの奥様と二人暮しです。このようなご夫婦がこれから増えてゆくのでしょうね。
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ござ~♪~ますわよ。
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とにあく、今日も一日楽しく愉快に
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じゃあね。
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