◎バットマン ビギンズ(2005年 アメリカ 141分)
原題/Batman Begins
監督/クリストファー・ノーラン
脚本/クリストファー・ノーラン デイヴィッド・S・ゴイヤー
原案/デイヴィッド・S・ゴイヤー 撮影/ウォーリー・フィスター
美術/ネイサン・クローリー 衣装デザイン/リンディ・へミング
音楽/ハンス・ジマー ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演/マイケル・ケイン リーアム・ニーソン モーガン・フリーマン ゲイリー・オールドマン
◎ブルース・ウェインは、いかにしてバットマンとなったか
5作目にしてようやく出来てきたか~って感じだけど、まあ、どんなものを撮っても、クリストファー・ノーランはクリストファー・ノーランだった。
バットマンのフアンのひとりとしては、かれの出自と蝙蝠の仮面を被るまでの軌跡を知りたいとおもうのは、いわば当然のことなんだけど、同時にそれをしてしまうと、監督にとっての物語として存在してしまうことになることは、ほぼ、まちがいない。
もちろん、この物語の元になっているのは、アメリカン・コミックの『バットマン・イヤーワン』なんだそうだけど、でも、クリストファー・ノーランの脳髄に描かれたものであることはまちがいない。
それが定着してしまうのは功罪なかばするような気もするんだけど、とはいえ、おもしろかった。
クリストファー・ノーランの趣味というか、常に変わらないモチーフというか、縦の構図はここでもちゃんと活かされてて、この縦穴はいわば人生のどん底に落とされた者にしかわからない、どうしようもない絶望感がひしひしと漂ってる。
そこから這い上がろうとするクリスチャン・ベイルを、叱咤するケイティ・ホームズとの対比もまたいいしね。