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▽=☆

ハンニバル

2007年09月22日 15時42分59秒 | 洋画2000年

 ◇ハンニバル(2000年 アメリカ、イギリス 131分)

 原題/Hannibal

 原作/トマス・ハリス『ハンニバル』

 監督/リドリー・スコット 脚本/デイヴィッド・マメット スティーヴン・ゼイリアン

 製作/ディノ・デ・ラウレンティス マーサ・デ・ラウレンティス リドリー・スコット

 撮影/ジョン・マシーソン 美術/ノリス・スペンサー

 特殊メイク/グレッグ・キャノン キース・ヴァンダーラーン

 音楽/ハンス・ジマー 追加音楽/クラウス・バデルト スティーヴ・ジャブロンスキー

 挿入曲/ヨハン・セバスチャン・バッハ『Aria Da Capo』

 出演/アンソニー・ホプキンス ジュリアン・ムーア ジャンカルロ・ジャンニーニ

 

 ◇ハンニバル・レクターの恋

 おそらく禁じ手だったんだろう、レクターの恋というのは。

 人間は恋をすれば誰でも狂気に走る可能性がある。世はストーキングが希有なものではなくなり、空恐ろしい展開になってしまうこともある。博士の異常な愛情がこの先どのように変貌し傾斜していくのかをおもうと、もはや、その行き着く先はおぞましい展開にならざるを得ないんだろうけど、ともかく、この原作とはまるで結末の異なる映画の場合、どうしても完結編を創らざるを得ない展開にしてしまっている。善かったのか悪かったのかは、わからない。

 ただ、なんていうんだろう、A級の人々の作ったB級グロ超大作とでもいおうか。狂気の天才も、知的で官能的な女性に恋をしてしまえば単なる男になりさがる、という辛い現実を見せつけられてるような気がするのと、前作の神経をぴりぴりさせられるような興奮はなく、耽美に走ろうとしつつもグロに堕してしまったのが辛いところで、なんで、脳みそソテーとか獰猛豚の餌とか考えるかな~。

 こういうレクターのような強烈な登場人物は、完全な脇役にして、その悪としての存在が大きければ大きいほど、主役のFBI特別女性捜査官の挑戦と葛藤が生きてくるはずなのに、レクター自身が主役になってしまっては、どうしてもこういう歪な恋物語にしてしまうよりほかに仕方がない。

 なんで、レクターが人間的な恋心を持ってしまうんだろう。

 レクターという怪物はあくまでも怪物であって、危機とか窮地とか負傷とか、さらには殺されちゃうとか、あっちゃいけない。だから、たかが手錠から逃れるために手首を切るとかいうのはありなんだろうか?レクターらしくないんだよな~。そんな気がする。困っちゃうんだけど、もう映画になっちゃってるんだからね~。

 ただ、ぼくはジョディ・フォスターよりもジュリアン・ムーアの方が好みなんだけど、このシリーズに関していえば、ジョディの右に出る者はいないんじゃないかと。

 まったくオリジナルの映画だけの完結篇とか、できないんだろうか?


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