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クリスティーン

2014年06月17日 10時55分23秒 | 洋画1981~1990年

 ◇クリスティーン(1984年 アメリカ、ポーランド 110分)

 原題 Christine

 staff 原作/スティーヴン・キング『クリスティーン』

     監督/ジョン・カーペンター 脚本/ビル・フィリップス

     撮影/ドナルド・M・モーガン 特殊撮影/ロイ・アーボギャスト

     美術/ダニエル・ロミノ 音楽/ジョン・カーペンター、アラン・ハワース

 cast キース・ゴードン アレクサンドラ・ポール アレクサンドラ・ポール

 

 ◇真っ赤な58年型プリマス・フューリー

 1957年のデトロイトから1972年のカリフォルニアと舞台は変わるんだけど、

 そのあたりのこまかな描写はないもので、

 アメリカに行ったことのないぼくは、ちょっとばかり残念だったりする。

 ま、それはさておき、

 昭和60年代、ぼくはスティーヴン・キングに狂ってた。

 本を読まないぼくにしてはものすごく珍しいことに、

 ともかくむさぼるようにして読んだ。

 どれもおもしろかったけど、この『クリスティーン』も興奮した。

 すげーな、キング、とおもった。

 どれも引っ越しのどさくさで無くなり、もう一冊も残ってないけど、

 でも初期のキングはぼくにとって鮮烈だった。

 で、この作品なんだけど、

 ちょっと予算が足りないかもねっていう印象は濃い。

 けど、それがいいんだ。

 CGを使ってなめらかな再生をさせるよりも、

 廃車になったものも含めて5台のプリマスを用意して、

 フィルムの逆回しっていう古典的な技術を駆使してる分、

 かえって質感が出て、リアルだ。

 人間は、妙な幸福感を得ると自信が生まれる。

 クリスティーンという彼女(アメリカ人はほんと物に名前をつけるね)を得、

 その魔力によるものかもしれないんだけど、

 ともかくポンコツを再生させたキース・ゴードンは圧倒的な自信をもつ。

 フューリーというローマ神話の女神フリアイに由来するこの車は、

「止まない者」「復讐の殺戮者」「嫉妬する者」の名のとおり、

 凄まじい恐怖をもたらすんだけど、

 それと並行して、キースの人格変貌がメインになる。

 まあ、映像にしても音楽にしても、

 もうすこしマニアックなこだわりがあってもいいとはおもうけど、

 ぼくなりに愉しめた映画ではあったかな~。

 


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