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フォー・ウェディング

2014年11月17日 12時30分39秒 | 洋画1994年

 ◇フォー・ウェディング(1994年 イギリス 117分)

 原題 Four Weddings and a Funeral

 staff 監督/マイク・ニューウェル 脚本/リチャード・カーティス 撮影/マイケル・コールター 美術/マギー・グレイ 衣装デザイン/リンディ・へミング 音楽/リチャード・ロドニー・ベネット 主題曲/ウェット・ウェット・ウェット

 cast ヒュー・グラント アンディ・マクダウェル クリスティン・スコット・トーマス ローワン・アトキンソン サイモン・キャロウ ジョン・ハナー

 

 ◇生粋の英国人気質ってなんだ?

 ヒュー・グラント演じる32歳独身の英国人はそういう気質のために結婚し遅れてるらしい。けど、どんな気質なんだ、それ?っておもったりする。現在活躍している俳優の中で、ヒュー・グラントは稀有な存在といっていい。インテリジェンスにあふれながらも優柔不断で、お人好しで、たれ目で、顔が長くて、にもかかわらずナルシストで、けっこうわがままで、情にもろくて、甘ったれた小心者を演じたら右に出る者はいない。もちろん、この作品でもまちがいなくそうだ。で、英国人気質ってなんだ?

 そんなの知らね~よ。

 なんにしてもヒュー・グラントは、クリスティン・スコット・トーマスの重っ苦しい気持ちを知っているはずもないままに、結婚相手を探してるくせにまるで結婚する気もない呑気な怠け者で、時間にルーズで、女に手が早く、それでいて純真だったりする。けど、優柔不断なことは人後に落ちず、だから、本心も告げられないままに結婚へと流され、ほんとなさほど好きでもないアンナ・チャンセラーと結婚式を挙げることになるんだし、さらに式の真っ最中、結婚の誓いを破棄してぶん殴られるという、史上最強の情けない男にまで落ちていく。

 これが生粋の英国人気質なのかどうかはわからないけど、要するに典型的なダメ男だ。

 ところが、ヒュー・グラントって人はほんとに得な人だね。どんなに不幸になっても誰かが手をさしのべてくれたりする。甘ったるいマスクのせいなのか、母性本能を刺激する風情のせいなのかわからないんだけど、この物語の役はヒュー・グラントにしかできないのかもしれないね。だって、自堕落な3枚目は誰にでもできるけど、それなのにアンディ・マクダウェル演じる超金持ちの超美人と結婚できることになっていくっていうとんでもない大逆転をすんなり受け入れ、観客もまたそれを認めちゃうような俳優はそんじょそこらにはいない。

 ただ、どうなんだろう、世の中の男どもはそんなヒュー・グラントに憧れるんだろうか?

 ちなみに、ぼくは憧れるぜ。


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