◇ソフラ 夢をキッチンカーにのせて(2017年 アメリカ、レバノン 73分)
原題/Soufra
監督/トーマス・モーガン
出演/マリアム
◇レバノン、難民キャンプ
パレスチナ難民のマリアムがケータリングサービスによって自立して家族や仲間たちとともに起業して一歩ずつ成功していくのを丹念に追いかけたドキュメンタリなんだけど、なるほど丁寧な作品ではあるし、まちがいのない難民映画なんだとおもう。
でもなんていうのかな、もうすこし説明があってもいいような気がしないでもない。ことに世界に難民とその実態を訴えかけようとするのであれば、せっかく彼女たちが自立していこうと努力しているのだから、その背景と行動についてわかりやすい案内があってもいいんじゃないかっておもうんだよね。
こうした話は結末があるわけではないし、彼女たちの暮らしの一部分を撮ることでそれを包含している世界を世に知らしめることが大切なんだろうけど、でも、ケータリングサービスで成功して自分たちの暮らしを充実させて難民という立場からレバノンの国民に限りなく近づいていくさまを描いているのもたしかにわかるんだけど、だからなおさらそうおもうんだよな。