狷介不羈の寄留者TNの日々、沈思黙考

多くの失敗と後悔から得た考え方・捉え方・共感を持つ私が、独り静かに黙想、祈り、悔い改め、常識に囚われず根拠を問う。

サウジからイランへ書簡・・・対話・融和を望む/Saudi Arabia who wish for dialogue and harmony sent letter to Iran

2019-12-20 02:00:57 | イラン2012~2019
 ※ 本記事において幾つかの文献と画像を引用する事によって構成しておりますが、本記事により当方は収入を一切受け取っておりません。
 ※ I have made composition by borrowing some references and pictures in this article, but I don't receive the income at all by this article.
 




 サウジからイランへ書簡・・・対話・融和を望む
  Saudi Arabia who wish for dialogue and harmony sent letter to Iran


 サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子
  「(サウジとイランが戦争になれば)世界経済の完全な崩壊(につながると警告)」
  「原油価格は、われわれが一生涯で経験したことのない想像を絶するほど高い水準まで上昇するだろう。政治的・平和的解決策の方が、軍事的解決策よりはるかに望ましい」


 
YouTube: Belligerent MBS after peaceful solution to regional tensions
 2019/09/30

 7月~8月
  サウジアラビアと連合を組むUAEは、(少なくとも)7月末頃からペルシャ湾の海上安全保障や以前から続いて来た貿易でイランに接近している。UAEは、7月上旬にイエメン南部から駐留軍の大部分を撤退させている。
イエメンではこの頃、最高政治評議会のフーシ派と対立するハーディー暫定政権派の中で、ハーディー派と南部暫定評議会との内部分裂が起きていた。8月、フーシ派の勢力圏の南部に存在する、ハーディー暫定政権派が拠点としていたアデンを南部暫定評議会が奪い、その後ハーディー派が再び奪回したというが、定かでは無い。有志連合が支援して来たハーディー暫定政権派であるが、ハーディー派は南部暫定評議会の背後にUAEが居ると疑う。

 9月9日
  アメリカのトランプ大統領が、「悪魔カルト」であり「Bチーム」の一員で且つ主導するボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官を解任した。

 9月14日
  サウジアラビアの国有石油会社サウジアラムコが、イエメンのフーシ派の無人機10機によって報復攻撃を受けた。

 9月20日(?)
  イランのハサン・ロウハニ大統領の顧問、ヒュサメッディン・アシェナ氏
   「アメリカが行うどんな軍事行為も、地域の大戦争を招くだろう。サウジアラビアが違う道を選べば、(イランとの)完全に包括的な和平を手にすることができる」

 9月26日(?)
  一方で、UAEの軍事基地で訓練を受けた1,000人以上のUAE支援の戦闘員と軍用車両を乗せた船がイエメンに向かって紅海を挟んだ西方の対岸の国エリトリアから出発し、最高政治評議会・フーシ派の勢力範囲の南に在り有志連合が支援するハーディー政権派が支配している地域の中に在る、アデンの西方で紅海に面するモカ港に到着した。

 9月29日
  サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子 (CBSの番組「60ミニッツ」とのインタビュー)
   「(サウジとイランが戦争になれば)世界経済の完全な崩壊(につながると警告)」
   「原油価格は、われわれが一生涯で経験したことのない想像を絶するほど高い水準まで上昇するだろう。政治的・平和的解決策の方が、軍事的解決策よりはるかに望ましい」


 
YouTube: Highlights from Mohammed bin Salman’s interview on ‘60 minutes’
 2019/09/30

 9月30日
  その後9月30日、イラン政府の報道官がサウジアラビアから他の諸国の首脳を通じてイランのロウハニ大統領にメッセージを送った事が報告された。内容は明らかでは無いものの、サウジアラビア側が融和を図り、対話姿勢へと傾向している表れであると分析されている。
 
 10月1日までに
  イラクのアディル・アブドル・マハディ首相がサウジアラビア首脳と会談し、イランとの会議のための段階を設定することで合意した。

 10月1日
  イラク首相の役人であるアッバス・アル・ハスナウィ氏 (Middle East Eye(MEE)のインタビュー)
   「サウジはこの問題で青信号を発し、アブドゥル・マハディ氏はそれに取り組んでいます」
   「イラクの指導部には、双方のチャンネルがあります。スンニ派の兄弟(政府内)はサウジアラビア人と、シーア派の兄弟たちはイラン人と連絡を取ります」
   「交渉プロセスが始まる前にサウジアラビアには条件があり、イラン人にも同じことが言えます。私たちはこれらの条件をそれぞれの側に結び付けました。彼らのイデオロギー、宗派、地域における同盟という点で、2つの反対側をまとめるのは簡単なことではない」
   「バグダッドはこの会議に最適な場所ですが、そうなることは確認できません。初めに、両国の役人の間で会議があり、その後、取引が行われます。サウジアラビアとイランの首脳が会って署名する」


  イランのラーリージャーニー国会議長 (カタール衛星通信・アルジャジーラのインタビュー)
   「(サウジアラビアとイランの対立解消に関するサウジアラビアのムハンマド皇太子の表明を歓迎し、)このような対話により、多くの問題を解決することが可能だ」
   「イランは、サウジアラビアに対し協議の門戸を開放している」
   「イランとサウジの対話はいずれも、地域の政治・安全保障面での問題の多くを解決しうる」
   「イランは、すべてのペルシャ湾岸諸国の参画により成立する、ペルシャ湾での集団安全保障システムの結成を追求している」
   「(サウジアラビアとイエメンの戦争に関しても、)イランは、イエメンのシーア派組織アンサーロッラーに対し、同国でのあらゆる停戦を受諾するよう提案する」


 10月13日
  イランのローハーニー大統領 (テヘランでパキスタンのカーン首相と共同記者会見)
   「イランとパキスタンは、地域問題は各国同士の対話により解決されるべきだと考えている」

 11月5日までに
  イラン大統領府のヴァーエズィー長官 (テヘラン発行の新聞エエテマードの最新号とのインタビュー)
   「サウジアラビアなどの地域諸国は、地域の平穏のためには地域単位での協力以外に方法がないことに気づいた」
   「両国は、過去には良好な関係を有していたが、不和分裂をあおるアメリカの政策が原因で、常に地域諸国は圧迫されてきた。しかし現在、アメリカの政策の内部事情が暴露され、近隣諸国は地域の平穏や、戦争・不和分裂を沈静化には、地域単位の和平以外に方法がなく、イランがその重要な先駆者であることに気づいている」
   「サウジアラビアへのアメリカの新たな派兵も、地域諸国への圧力行使や不和分裂の先導が目的である。だが、それも地域の安全確保をめぐる対話に向けた、地域諸国の最近のアプローチにより失敗するだろう」
   「我々はサウジアラビアに対してのみならず、全ての地域諸国に対話を呼びかける明白なメッセージを発信した。イランのザリーフ外相も全ての地域諸国に対し、対立解消に向けた文書でのメッセージを送信している」


 11月5日
  最高政治評議会のフーシ派と対立するハーディー暫定政権派の中で、イエメン南部の主要都市アデンをめぐり争っていたハーディー派と南部暫定評議会(STC、分離独立派)との内部分裂が起きていたが、この度サウジアラビアの仲介で権力分担協定に調印した。協定の下、STCは複数の閣僚ポストを獲得し、ハーディー暫定政府は主要都市アデンに戻る。

 本ブログ過去の関連記事
  ・2019/06/21付:『トランプはサウジ政権を侮辱し続けている…米国の「奴隷」サウジアラビア/Trump keeps insulting Saudi Arabia. "US's Slave" Saudi Arabia』
  ・2019/06/21付:『「貪欲」米国迎合サウジアラビア主導アラブ会議でパレスチナ国欠如、「エルサレムの日」制定「清貧」のイランは常にパレスチナ抵抗と連帯/Greedy Saudi, Honest poverty Iran』
  ・2019/09/03付:「正義イラン仕業と偽装し偽イスラエルとユダヤの奴隷米国による偽旗謀略 2019-まとめ/False Flag by Fake Israel & Jew's slave US pretended Iran」 ・・・または本ページ右サイドの「ブックマーク」
  ・2019/11/11付:「サウジアラムコ攻撃(1/9)イエメン・アンサール・アッラーが報復声明・・・イランは100%関与せず(1/2)/Houthis attacked Saudi, Iran didn't engage」
  ・2019/11/12付:「サウジアラムコ攻撃(2/9)イエメン・アンサール・アッラーが報復声明・・・イランは100%関与せず(2/2)/Houthis attacked Saudi, Iran didn't engage」
  ・2019/11/12付:『「ワンパターン」詐欺師ポンペオの常套手段:裏を取らずに即答「イランがやった」/"The same way":Swindler Pompeo's usual device are "Iran did"』
  ・2019/12/08付:「2019イエメン・アンサール・アッラーがサウジアラムコ報復攻撃-まとめ/Yemen Ansar Allah attacked against Saudi Aramco for retaliation」 ・・・または本ページ右サイドの「ブックマーク」
  ・2019/12/17付:「10.11イランタンカーへのミサイル攻撃はサウジの仕業と見せかけた偽イスラエルによるFalse Flag/Fake Israel attacked against Iranian oil tanker」
  ・2019/12/18付:「米国の搾乳牛!:詐欺師に媚びるサウジ国王がサウジアラムコでイランを非難/US's milking cow!, Saudi king who flatters swindler blamed Iran」
  ・2019/12/18付:「国連が9.14サウジアラムコ攻撃へのイランの関与を否定している事については正しい/It's right that UN denied Iran linked Saudi Aramco attack」
  ・2019/12/20付:『プーチン「イランのサウジアラムコ証拠無し」&「今や少年少女でもドローン作る」/Putin"No proof Iran-Aramco". "Now even teenagers make drones"』

 引用文献
  ・2019/09/20付・TRT(トルコ・ラジオ・テレビ協会)日本:『イランがサウジにメッセージ「包括的な和平は可能」』
  ・2019/09/30付・Bloomberg日本:「サウジ皇太子、イランと戦争なら世界経済崩壊-非軍事的圧力望ましい」
  ・2019/10/02付・ParsToday日本:「イラン国会議長が、サウジ皇太子の表明を歓迎」
  ・2019/10/13付・ParsToday日本:「イラン大統領が、対話による地域問題の解決を強調」
  ・2019/11/05付・ParsToday日本:『イラン大統領府長官、「対サウジ関係に新たな変化のきざし」』

 参考文献
  ・2019/10/02付・IRANIAN(PRESS TV):「Saudi Arabia Gives Iraq Green Light To Arrange Meeting With Iran: Report」
  ・2019/10/02付・朝日新聞:「イランの大統領宛てメッセージ巡る発表は不正確=サウジ高官」
  ・2019/10/03付・WEDGE infinity:「サウジがイランとの対話に転換か?イラク首相が仲介工作」
  ・2019/11/06付・AFP BB NEWS日本:「イエメン暫定政府と南部分離派、権力分担協定に調印 サウジが仲介」

 関連文献
  ・2019/10/01付・IRANIAN:「Saudi Arabia Messages Iran Via Mediators」


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