狷介不羈の寄留者TNの日々、沈思黙考

多くの失敗と後悔から得た考え方・捉え方・共感を持つ私が、独り静かに黙想、祈り、悔い改め、常識に囚われず根拠を問う。

「大阪・西成 貸しロッカーブルース」・・・自分を堅持する強靭さ

2013-09-24 07:27:40 | 社会・経済
 NHKテレビ「ドキュメント72時間『大阪・西成 貸しロッカーブルース』」(2013年9月13日(金)、22:55~23:20放送)
 上記放送をみました。
 日雇い労働者が数千人おられる大阪・あいりん地区には、労働者の利用する簡易宿泊施設「月貸しロッカー」が在ります。
 「月貸しロッカー」は、ホームレス、簡易宿泊施設利用者等が主に利用し、生活必需品や貴重品等を家の箪笥等の代わりに用いています。放送の老舗ロッカー店では、月千円で貸しておられます。
 8月のお盆時の取材において、利用者はお盆でも田舎に帰りません。親や親戚に勘当されたり、様々なトラブル等があった事情等から帰る事が出来ません。
 お盆の最中でも、早い者勝ちの日雇い労働の仕事を取る為に、みんな朝早くから急いでロッカーに寄った後、仕事を斡旋する所へ出かけて行きます。
 昨今の不景気によるリストラ等で生活が行き詰まり、アパートを借りる事も出来なくなる等でその様な施設を利用されています。しかし、放送内に出て来られた人達をはじめとして、安定した仕事に就けないながらも、皆真面目に一生懸命に働いています
 中には、世間一般では定年とされている年齢を超える方が、生活保護を受ける事が出来るのにも関わらずに、それを固辞して自分で稼ぐ事の意地を通して、若い者と同様に現役で働いています。
 以前に営業の仕事をしていた方は、利用者が遠出地で乗り捨てたレンタカーの回収を仕事にしています。車の中ではクラシックを聴き、また精神的なバランスを取る為にと様々な本を読んでいます。
 また以前大工をしていた方は、解体工事の仕事をしています。またチャンスがあれば大工の仕事をしたいと、自分の大工道具を捨てずに、大事に貸しロッカーの中に保管しています。
 不器用な性格で世渡りが上手くいかなかった、人に媚びたりへつらったりする事を固辞するが故に取り入れられなかった、自分の意志が強く周囲に合わす事が苦手であった事等により、安定からは遠ざかってしまったのではないでしょうか
 不景気等、世の中、世間に翻弄されそうになろうとも、煽られようとも、見栄・虚栄や体裁に捉われず、自分を堅持し、自分の意地を通し、逞しい生命力、強靭さ、自立している姿を見ました。
 生活保護に頼らず、雇用保険に頼らず、介護に陥らず、少し調子が悪いからと安易に病院に行かず、社会保障に依りかからずに、「自分で」全てを賄う姿勢・態度は見倣うべきものが有る様に思います。
 安定・安寧・社会保障の甘えの「生温さ」にどっぷり浸かっている世間一般の人達は、その様な厳しさや痛み、苦痛を知らない為に、「平和ボケ」し、サバイバル能力に欠けている様に思います。
 今後の戦争時や災害時、非常時にも生き残る事が出来るのは、この放送の中に出て来られた様な人達ではないかと思います



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