狷介不羈の寄留者TNの日々、沈思黙考

多くの失敗と後悔から得た考え方・捉え方・共感を持つ私が、独り静かに黙想、祈り、悔い改め、常識に囚われず根拠を問う。

真実・予見・発明に対する嘲笑・・・ 「カサンドラのジレンマ ~地球の危機、希望の歌」を読んで

2012-11-27 01:55:27 | 災害・地震・戦争
 「カサンドラのジレンマ ~地球の危機、希望の歌」(著者:アラン・アトキソン氏、監訳:枝廣淳子氏、出版社: PHP研究所、出版日:2003/11/13) 
 現在、世界各地で様々な問題が起こっており、終末論が当てはまる程に世の終末的な様相を呈する様になっています。70億の人口は限界を感じ、それによる食料飢饉、エネルギーの不足・枯渇、自然破壊、そして人間も壊れ様としています。人口は幾何級数的に成長を続け、産業も急速に成長をして来ました。科学を過大に評価し、科学を持って行えば何事も叶えられると勘違いし、人間の貪欲・傲慢さによって有限資源を利用して、自然を破壊して来ました。有機塩素・有機リン合成化学製品の使用でも環境破壊をし、癌や神経性の病気につながっています。環境破壊によって異常気象が発生し、新たな疫病も増えました。又、人々にはその貪欲を満たす為の様々な楽しみ、グルメ、ファッション、レジャー、メディア、セックス、ドラッグ等がもたらされ、道徳や倫理観が壊され、社会も犯罪が多発する様になって壊れて来ました。又、政府がかつてのローマ帝国の「パンとサーカス」の様に、社会保障をばらまき、先述の娯楽を与えて、国民の人間性を壊して来ました。世界の裏で支配するエスタブリッシュメントは、より多くの富を持つ様になり権力もより大きくなって、各国を自分たちの都合によって操作をして、民族心やアイデンティティー、誇り、文化等を破壊して来ました。
 その様な現状の問題を、先見性の有る予見者が早くから予見して警告を発して来ましたが、一般庶民はマスコミの垂れ流す裏の支配階級の意向の働く情報を鵜呑みにし、それが世間に広まって多数派の考え・意見となって常識となり、希に映る警告を無視し嘲笑して来ました。2発の原爆を米国に落とされたにもかかわらず、その痛みを直ぐに忘れて米国のプロパガンダ映画等によって世間の人々は洗脳され科学や近代化は素晴らしいと賛美して原発等を作りました。そして先見者の言う警告を無視し嘲笑した結果、福島原発事故の起こった後に対処する方法が無く、直接痛い目に遭ったり今後の内部被爆で痛い目に遭う事となり、放射線廃棄物の処理にも困っています。そしてその痛みを他人事として全く感じていないかのごとく、経済界を中心にしてその原発を維持しようとしています。政財界の偉い方々にとっては、生命よりもお金の方が大事な様です。勿論、そこにも裏の権力の意向が働いています。日本のエスタブリッシュメントが核抑止力の下に真の独立を果たそうと考えて、世界で最も保有量が在り福島で使用していたプルトニウムによる核兵器を作ろうとしているとの情報も有ります。あの阪神淡路大震災の前には被災地の人々に地震が来る等と言っても誰も信じなかった位に、世間の人々は危機意識を持つ事の無い常識を持って「平和ボケ」していました。マスコミが支配階級の意向の下に、国民を洗脳して希な珍しい意見に対して鈍感にさせている訳でもあります。
 しかし、中にはその様な先見者の意見が取り入れられて変えられたり意識として注意をする事に繋がる等をして、その警告内容を結果的に避ける事が出来た事も有りました。しかし、其の場合にも結局は、先見者の言っていた事が外れたからと言って、世間一般の人達は嘲笑する訳です。あくまでもその先見者の警告があったからこそ、それを取り入れた指導的立場の者が対策を取ることが出来て難を逃れる事が出来た訳であり、無知な人々にはその有難味が解っていません
 因みに「先見者」や「予見者」は、自分の持っている洞察力や豊富な知識、判断力、考え方、そしてそれらの基の根拠を持つ事等によって其の先見の明がある訳ですが、飽く迄も「預言者」では無いと言う事を知っておく事も必要です。「予言」は前述の持っているものによって人間が予想しているだけで、「預言」は神様から託された言葉と言う意味で全く異なったものであります聖書にはイスラエルの民が神様に背を向けて悔い改めをせずに、其の都度神罰を与えられていた事が書かれています。モーセ、イザヤ、エレミヤ、エゼキエル、ダニエル等の、創造主の唯一神から御言葉を託された預言者達の言う事を聞かなかった王や祭祀やその指導者に導かれていた民々は、神様に立ち返らずに神様から離れ、北のイスラエル王国の崩壊で民が散らされた事や南のユダ王国のバビロン捕囚等が有りました。新約時代にはキリスト(救世主)として降臨されたイエス様の御言葉を聞かずに妬みを持っていたサンヘドリンの指導者達、それに煽られる群集によってイエス様を十字架に架け、其の後にユダヤ人は世界に散らされました。
 世界の富は一部に偏っており、最上位の2割が世界の富の80~90%を占め、最下層の2割が1%強しか持っていません。最上位層が自然を破壊して大量に消費し、最下層の人々は貧困・飢餓に苦しんでいます。人口問題の前に、富の分布のバランスの悪さが有ります。上への成長を止めるか緩やかにし、バランスよく横への発展を行なう必要が有ります。発展途上国においては、衣食住や教育、医療、インフラ等、不足するものが幾らでも有ります。逆に先進国では満ち足りている上での貪欲によって、必要性の無い物までをも贅沢に消費しています。そして科学に頼って限りない成長を夢見る勘違いをしています。人間には限界が有り、科学にも限界が有ります
 忙しくしていると思考する事も少なくなって気付く事も少なくなり、社会生活を送る上での世渡りの良さを得る為にも、周囲に妥協して偽善的になったり媚び諂ったりしてしまいがちです。しかし真実に気が付いている人達は現状に満足しておらず、どこかで変えたい、動きたいと願っています。終末論が起こってくるのも、キリストの再降臨天変地異によって世界が根本から変わって欲しいと言う願いから出ているのであって、根本に存在する世界権力を持つ支配階級に対しては言いたい事も言えずに、只々妥協し媚び諂うしか無いと思っているからです。
 支配階級を頂点にした世界のシステム・構造に組み込まれて、その末端の人達は使われ、動かされ、働かされて来ました。知識が無い、気が付かない、洗脳されて自虐史観に陥り自責の念に陥る、或いは気が付いていても自己保身、雇用の維持の為に、そのシステムに従わざるを得ない等です。高度成長期の頃の様に忙しく成長一辺倒であった時は偏りが生じたり思わぬ方向へ進んで間違う事も有り、公害等の環境問題が起こりました。システム・構造にフィードバックの機能が働いて成長を止めて後ろに戻って点検する事で、その軌道を修正してより正しい道を進む事が出来る様になります。そのフィードバックにより作られるループは、生命の循環システムに通じます。出来るだけゴミを出さずに再利用化し、自然を壊さず資源を減らさない、再生可能な天然のエネルギーの使用によって永遠に持続可能な生活・産業システムとなり、科学は今までの様な自然環境を壊す為では無く、その循環システムの手助けとして利用する事としての進歩と発展が必要となります。
 マーガレット・ミードの言葉「思慮深く熱心な少人数の市民が持つ、世界を変える力を疑ってはならない。実際に世界を変えることができたのは、その力だけだったのだ。」。
 著者が「…人類が大地を耕し、摩天楼を築き、そして大気組成にまで手をつけてしまったこの歴史上で、まだ見たことのない《何か》が必要である。…生涯それに従いたくなる力を持った《何か》が必要なのである。…しかし、幸いなことに、私たちには『それ』を表す《言葉》がある。」と言っていますが、私は、《何か》には「創造主」を、《言葉》には「聖書」を当てはめます。
 
カサンドラのジレンマ 地球の危機、希望の歌カサンドラのジレンマ 地球の危機、希望の歌価格:¥ 1,785(税込)発売日:2003-11-13




最新の画像もっと見る

コメントを投稿