チャレンジャー教授

ひさびさ会いたくなった。中学以来かも知れない。

	失われた世界―チャレンジャー教授シリーズ (創元SF文庫)
	クリエーター情報なし
	東京創元社

創元sfだが、正確には冒険小説。
いもづるでリーデンブロック教授が浮かんだ(アイスランドの小島の地下潜った)。

短気で怒りっぽく無礼千万。取扱注意の嫌なヤツだが
容姿とともに物語の大きな魅力にもなっている。
波平さんの「ばっかもーん」みたいなものだ。

徹頭徹尾、「楽しみだけ」もありだ*。
スピルバーグ/クライトンも、ざっと“恐竜公園”でいい。
(中国語版Wikiしてみたら侏羅紀公園だった。残念)。

当時、大の大人が没頭したエンタメが、
今どき、中学生だって上目線(最初の、恋人とのやりとりなどちゃんちゃらおかしい)。
「こんなのが面白かったんだ/どこが面白いんだ？」
読者、すっかり冷めている。妙にこましゃくれてるのは、時代なのかな。

たまには、素朴なヤツもいい。

リーデンブロック教授は紙切れの古文字から、
チャレンジャー教授は、ジャングルで行き倒れの画家のスケッチから、はじまった。

大西洋は汽船の旅だが
電気自動車とかハイカラ心をくすぐる、当時としては背伸びした描写もある。

コナン・ドイルはあのスコットランド生まれ。両親はあいるらんど。
この物語の出版が一世紀前、1912年、アラビアの唄と蘇州夜曲の間。
ネッシーはいなかったのだろう。でなきゃ、アマゾンくんだりまで行かなかったはずだ。
主人公エドワード・マローンをエドワード・マロリーに重ねるのも面白い。
ちょっと、読書の秋。テレビだのメディアミックスだのゲーム機業界コラボだのなかった頃のだけど。

通底して、少々タカ派タイプなのは御愛嬌。時代背景というより、その方が読者に向けやすいのだろう。
スカイラーク(スミス/これだってかなり古い)などは宇宙版といえるし。
今はアニメなどではばたいてるsf冒険・戦闘ものの元祖。始祖鳥みたいなものかな。
というより、もともとあるのだろう、自覚の無い民族階級/差別意識みたいなもの(深読みもまた楽し)。
正義の御旗の英米軍は…　これじゃ、戦争無くならないわな。小言はよそう。


*普段、sfをレビューのつもりで始めても、時事ネタだの絡めて最後は小言にしてしまう。
発想も振れ幅もなじんでいるから物事を考るのに向いているが、よこしまだなと思う。
小言のたびの星新一なんかいい面の皮だ(トラ姐) 2014年小言のたび(ミケ妹)


アマゾンなので
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なんだか、おまじないに聞こえてくる。エンヤ(not噺家)もだが不思議な縁enishi